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3話 タンジョンマスターは幼なじみでした。

 

 意識が戻った俺は冷たい床の上にいた。

 うう…頭痛い。

 俺はポケットからスマホを取り出す。

 もう3時間近く寝ていた。

 親は心配しているかもしれない。

 俺は家族にメールをしようとする。

 (話せないから電話ができない)

 だが、

 《送信に失敗しました》

 の表示を見て、諦める。

 本当にどうなっているのだろうか。

 なんとなく、真希にメールをしてみる。

《今どこにいる?》

 今度は送信できた。この校舎内にいる人だけメールできるのだろうか?

 着信音が鳴り、真希から返信が来る。

《どこって…何か豪華な部屋にいる》

 豪華な部屋?

 またもや着信音が鳴り、

《陸はどこにいるの?》

 俺は、ここがどこだか確かめるのを忘れていたことに気付いた。

 電気を付けると、俺はここがどこだか瞬時にわかった。

 北校舎、つまり全クラスの教室がある校舎の5階にある保健室だ。

 4つのベットにソファーと机、パソコンの置いてあるデスクがある。

《保健室にいる》

 ソファーに座り、そう返信する。

 と、そこで机の上にあの封筒が開いたままあるのを見つけた。

 俺は中身をそっと取り出す。

 中には、一枚の紙と模様のある石が入っていた。

 紙には、

 

 片野 陸  レベル89 エーカン地下ダンジョン第49階層ボス

 

 《称号》


 【フロアボス】、【沈黙者(サイレンサー)】


 《スキル》

 闇属性魔法【超】 炎属性魔法【超】  雷属性魔法【超】 剣術 【伝説級】  禁呪【闇】 言語理解 鑑定


 と書いてあった。

 エーカン地下ダンジョンの『エーカン』とは英間高校のことなのだろうか。

 レベル、スキル。まさか…


 俺達の高校はダンジョンになってしまったということだ。

 

 そんな筈はない。だが、そう考えざるをえない。

 そうだとすると全て納得がいく。

 人外になったクラスメートはダンジョンモンスターになった。

 俺が第49階層のボスだということは少なくともそれぐらいの規模なんだろう。

 そうなると、長い長い階段にも理解できる。

 俺は急いで真希にメールで全てを伝えた。

 そうすると真希から

《じゃあ今からそっち行くね》

 と返信が来た。

 真希が来るまでゆっくりしてよう。

 そう思った矢先ー 


 俺が目にしたのは驚きの光景だった。


 「陸、来たよー」

 呑気にそんな事をいいながら…

 

 真希が一瞬にして現れたのだ。

 

 俺の頭はパニックになる。

 一瞬にして現れた真希。そしてその足下の魔法陣。

 転移魔法か?

 俺はスキル《鑑定》を発動させる。



 菅原 真希  レベル99 エーカン地下ダンジョンマスター


 《称号》

 【迷宮主】

 

 《スキル》

 全属性魔法【極】 創造魔法 破壊魔法 武道【極】

 転移魔法 回復魔法 退魔魔法 罠設置【極】

 魔術付与(エンチャント) 殺意感知 魔眼 言語理解  鑑定  

 

 《ユニークスキル》

 瞬時神器生成


 

 


 そう、これこそまさに最強。

 大物オーラが半端じゃない。

 というか俺の存在価値をほぼ完全に消している。


 ダンジョンマスター。

 ダンジョンを運営するいわばダンジョンの主。

 モンスターを配置し、冒険者達を撃退する。


 「どうやら私、ダンジョンマスターみたい」

 といいながら、ユニークスキルで一瞬で剣を生成する。

 光輝くその剣は、いかにも勇者が持っていそうな剣だ。

 「陸にあげるよ」

 …かっこいいので一応もらっといた。

 

 「おい、2人ともここにいたのか」

 保健室の入り口を見ると、あの3人が立っていた。

 「いったいどうなってるのですか?」

 神崎が不思議そうに言ったので、知ってる限りの情報を(真希が)教える。

 「なるほど、この高校がダンジョンに…」

 そうすぐに納得できるこいつらは本当に凄いと思う。

 「私達にもスキルが…。片野くん、《鑑定》お願いできません?」

 俺は黙って頷き、《鑑定》を発動させる。


 鈴原 凛  レベル75 エーカン地下ダンジョン第49階層

 

 《スキル》

 全属性魔法【伝説級】 言語理解 

 


 

 井上 沙也加 レベル75 エーカン地下ダンジョン第49階層


 《スキル》

 自身強化魔法【伝説級】 言語理解 




 神崎 桜 レベル75 エーカン地下ダンジョン第49階層

 

 《スキル》

 回復魔法【伝説級】 支援魔法【伝説級】  言語理解



 《鑑定》し終わった俺は3人に結果を教える。

 「なるほど、でもどうやって魔法を使うのです?」

 鈴原が不思議そうに言う。

 「使おう、と思うだけで使えたよ」

 ダンジョンマスター真希が答える。

 鈴原は右手を前に突き出し、目を閉じる。

 おい、こんなところで魔法を使おうって言うのか。大丈夫なのか?

 鈴原が目を開ける。その右手から閃光が…

 

 放たれなかった。


 重々しくなっていく場の空気。羞恥で頬を赤らめる鈴原。

 「おほん。無理でしたわ」

 わざとらしく咳払いをし、恥ずかしそうに言う。

 「変ね。私は使えたのに」

 真希が言うが、それはあんたが強すぎるからでは?

 しかし、俺も『鑑定』は使えた。

 魔法は本来詠唱が必要で、それを知らないからか?

 魔導書の類は用意されていないのか?

 魔導書、本…

 俺はあることに気がつく。

 “図書室に行くぞ”

 真希にゼスチャーを送る。

 当然のように頷き、その事を3人に伝える。

 意味のわからない4人は、首を傾げながらもついてくるのだった。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 


 

 

 


 

 


 

 

 

 

 

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