2話 クラスメートはゴミ箱の中に
「駄目だね。他のクラスも皆気持ち悪くなってた」
15分後、真希達がようやく戻ってきた。
「うん、この調子じゃ人間は私達だけですね…って大丈夫ですか?」
床に転がってる俺を見て、神崎が心配そうに言った。
◇
4人が出ていった後
「おい、片野。お前なんで人間なんだよ」
スケルトンさんが言う。
「そうだ、一発殴らせろ」
元モブキャラAさんが怒鳴る。
理不尽な!スライムは手がないから殴れないけど。
「ところで、この草なんだ?」
俺もそれに気づいてはいたけれど見なかったことにしていた。
床に草が刺さっているのだ。
ちなみに俺は正体に予想がついている。
「マン…ドレイク」
いやいや、話せざるをえないだろ。
誰か引っこ抜いたら大変だし。
っていうか誰これ、スライムより不憫だろ。
「マンドレイク?何それ?」
これ以上話すまいとおし黙る俺。
「いいや、引っこ抜こう」
え?ちょっとまっ…
スポッ!
気持ちのいい程の音を立て、マンドレイクが抜ける。
マンドレイクを知っているらしいスライムが叫ぶ。
「全員耳をふさげーー」
◇
「私達にも聞こえたぞ、うるさかったな」
彼女らは耳をふさいでたから助かったらしい。
ちなみにクラスでは、耳をふさいでたのと、不死怪物が多かったのが幸いし、被害はほとんど無かった。
「陸は至近距離で聞いたから死にかけたのね」
耳をふさいでもうるさかった。
マンドレイクの叫びは静寂を好む俺にとって天敵だ。
今はマンドレイクはゴミ箱の中に突っ込だら泣きやんだ。
ゴメンね。元クラスメート…。
ところで、俺にはこいつらに聞きたいことがある。
だが、俺は話したくない。
今日だけで3回声を出してしまった。これ以上は不可能だ。
俺はなんとなくゼスチャーをしてみる。
「ん?何か他に変わったことはなかったか?って?」
なんと真希に通じてしまった。
「変わったことといえば…窓が全部消えて外が見えなかったことね」
となるとこの先の行動は1つ。外に出てみることだ。
もう一度ゼスチャーをする。
「菅原さん。片野くんは何を伝えてるのですか?」
「えーっと、取り敢えず外出てみようぜ、だって」
よくわかったな。
「根暗野郎の言う通り、外出てみれば何か分かるかもしれない」
「そうですわね、出てみましょう」
俺達人間5人は、教室の外に出ていった。
◇
ー数分後ー
「ぜぇぜぇぜぇ、どうなってるのですの。これは」
「いくら下っても階段が終わらなかったな」
「もう40階分は下がっていたのではないですか」
俺達は外に出ることを諦め、教室に戻っていた。
降りても降りても終わらない階段。
異次元にでも迷いこんだのではないかと思った。
「ふうっー。疲れたな」
自分の席に座りこんだ井上がある事に気づく。
「おい、なんだこれは」
井上、いや、全員の机の上に封筒の様なものが置いてあったのだ。
漆黒で、怪しさを感じさせる手紙だ。
「開けるぞ」
井上が震える手でそれを開封する。
その瞬間ー
井上が消えた。
クラス中が沈黙に包まれた。
次に聞こえてくるのは悲鳴。
「皆!沙也加姉さんの後を追うぞ!」
井上の取り巻きだった人外クラスメート達が次々に開封し、消えていく。
「わ、わたくしは絶対に開けませんわ、開けませんから」
鈴原の様に、開封することを必死に拒む者。
「沙也加を助けに行かなくては」
正義感の強い神崎の様な者。
「あわわわわわわ」
未だパニックに陥っている者。
クラス中が混乱していた。
俺は無論開封しなかった。
俺の事を罵る奴を助ける義理はない。
だが、そんな俺の考えにに反し、
「ああ、封筒が勝手にー」
ひとりでに封筒が開き始めたのだ。
そして…
「うわわわわー」
「やめろおーーー」
「ぎゃああああああああああー」
教室にいた全員が、例外なく消えていった。
ポイント評価、ブクマ登録お願いします。




