1話 クラス内がカオスです。
しまった。俺の孤独の世界崩壊が一歩近づいた。
緊急時とはいえ話してはいけない。
そう、こんなところでブレてはいけないのだ。
だが、そんな俺の動揺を知らず、
「いやいや、地震は無理があるでしょ!」
「…。」
「久々に喋ったと思ったら『地震だろ!』って……」
「ちょっと。こんな時に黙らないでよ」
「…。」
俺は沈黙を突き通す。
そんな俺に真希は諦めた様に息を吐く。
時間が立つにつれ、校内が暗くなっていく。
やがて五分ほど続いた地響きが止まる。
その頃には、校内は真っ暗だった。
「誰か電気、電気を付けろ!」
またもやモブキャラAが叫ぶ。
その言葉に、誰かが電気を付けた。
刹那、クラス中が固まった。
たっぷり4秒の沈黙後、
「きゃああああああああー!」
女子生徒達は悲鳴を上げる。
男女皆等しく逃げ惑う。
廊下に逃げた生徒から、また悲鳴を上げる。
多分廊下もこのような状況だったのだろう。
明かりが付いた俺達の視界には、ありえない光景が広がっていた。
クラスメートが数名を残し消え、代わりにモンスターが現れたのだ。
恐ろしい容姿のモンスターだが、様子がおかしい。
「きゃーーっ!、骸骨来ないでっ!」
「骸骨はお前だろうが!」
モンスター同士が怯えあっているのだ。
この状況、カオスとしか言いようのない。
消えたクラスメートの人数分のモンスター。まさか。
真希もその事に気づいたようで、
「皆がモンスターになっちゃったの!?」
なりふり構わず絶叫した。
そう、モンスターの正体はクラスメイトだったのだ。
◇
人間の姿のままだったのは俺と真希を除き3人だった。
1人は、鈴原凛。
大企業の令嬢でハーフ(しかし、日本から出たことないため日本しか話せない)。根っこからのお嬢様。
給食はいつも自分の家のシェフが作り、机などは全て毎日新しい物を持参する。
金色の髪が印象的だ。
2人目は、井上沙也加。
地毛で茶髪。
女子には慕われているが男子にはありえないほど毒舌。
男子の触った物には触れない。
なんなら女子校行けよ。
3人目は、神崎桜。
黒髪のストレート。
成績優秀、秀麗で男子からも人気。
上品を絵に書いたような人だ。
だが、何故か彼氏はいない。
どうやら告られても断るらしい。
「男子は…このクラスでは陸一人みたいだね」
「何故唯一の人間がこの根暗野郎なんだ!」
「やめてあげて沙也加。失礼だよ」
「うるさいですわ。これだから庶民は」
こんな平和(?)な会話をしてる今も、教室内はカオスだ。
「おいおい、俺なんかドロドロなんだけど!」
元モブキャラAのスライムが叫ぶ。
「きゃあー、近づかないで気持ち悪い」
「お前も人のこと言えるか!」
と、スケルトン2人の会話。
「俺ってどんな感じになっているか?かっこいいか?」
「うん、蛇とか余計なのついてなければ」
と、教室内で無駄に面積とるマンティコア。
「オレハ?」
「ん?なんかゴツゴツしてるね」
さらに面積をとるゴーレム。
それを見た人間4人は。
「ちょっと廊下とか観て来よう」
「同感ですわ。ここにいると気持ち悪くなります」
「そうだな、おいそこのぼっち男。ここで待ってろ」
「…片野くん、すみません」
おい、俺この状況で一人?
だが、俺には否定できるすべがない。
声を出したくないから。
俺の心の声は当然届かず。
4人は急ぎ足で教室を出ていった。
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