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神官とその後  作者: 綾瀬 律


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9/10

9.

「ほぎゃあ、ほぎゃあ…」

「ほぎゃあ、ほぎゃあ…」


朝から響き渡る声、いや、夜中もか?


セレスが半分寝ながら乳をやる。くぴくぴ飲む子を支えるのは私の仕事だ。飲み終わるとおじさんみたいにくはぁとする。

抱えて背中をとんとんすればげぷっとして、すよすよと寝る。双子なのでそれがほぼ同時だ。


なので1人終わってまた1人。

1人が泣けばもう1人も泣く。とにかく忙しかった。夜は睡眠がまとまって取れないのでいつも眠い。

昼間はお手伝いのハンナとアルフの夫婦に2人の娘のアレナが手伝いに来てくれている。


なので、朝ごはんに消化の良いものをセレスに食べさせると、そのまま2人で寝る。

お昼前に起きてセレスは薬の調合を、私は野菜の収穫や街への用事をする。

午後にはマリウスの様子を見に行って、帰宅して少し昼寝をして、写本をしたり本を読んだり、セレスは刺繍をしたりして過ごす。


夜ご飯を食べたらハンナが子供たちをお風呂に入れている間に、私たちもお風呂に入り子供たちを寝かし付けてから少し2人の時間を過ごしてから寝る。


マリウスが子供を産んだ後は、様子を見に毎日子供たちを連れて行った。

生まれたばかりの赤児はしわくちゃで、でもマリウスに似た可愛い女の子の双子だった。

我々の子供はもごもごと動く赤ちゃんに興味深々だ。


アレナとマアナと名付けられた双子は、セレスの研究に必要なので必然的に交流が増える。

その頃はセレスが2回目の妊娠中で、それを聞いたアンバー様とマリウスが

「私たちもまた子供が欲しくて。私は若くないので…」

顔を赤くしてマリウスが言った。


確かにセレスはまだ15才だから、比較したらそうだろう。神父様の所も相手は18才で、薬を飲んで5日間は頑張った。それはもうアンバー様並みに。

それを見たセレスが

「ん、ファルはやっぱりその…弱いのか?」

真剣に聞かないでくれ!私だって抑えているのだ。


セレスが安定期に入る頃には子供たちもはいはいしながら部屋を縦横無尽に移動するようになり、笑顔も増えてとても可愛い。

セレスに似た子供たちはセレスの子供の頃にそっくりで、とにかく可愛い。


アンバー様の所はマリウス似で、やはり可愛い。でも我が家の双子の方が女顔なのはセレス似だから仕方ないだろう。

うん、セレスは美人だからな。


セレスが安定期に入ると私はセレスに私の愛情を伝えるように、頑張った。元よりあまり欲は強くないが、セレスを見てそばにいればもちろん体は反応するのだ。

ただ抑えていただけで。


なので、セレスの体を撫でながら

「ちゅっ…夜が弱いと思われているのは心外だよ、セレス。まだ若いからと抑えていたのに…」

瞼から鼻先、頬に唇へとキスの雨を降らせる。開いた口から舌を入れて…濃いキスをする。


「ん、はぁ…ファル。ファル…」

「セレス、セレス、セレス…愛してる」

「ん…私も、ファルを愛している。うん…」

「ずっとそばにいて、もう離れないで」

「ファル…今度は私が見送る、んふっ…」

「セレス…」

「ファル…あっ…」


子供たちは別の部屋で寝かせたので、その日はセレスの華奢で滑らかな肌を堪能した。

翌朝、なぜかセレスに可愛く睨まれた。

「弱かったんじゃないのか…?」

「ふふっ、だから抑えていたんだよ。辛いかと思って」

「う…それは。でも私はファルの愛を受け止めたい」

「重くても?死をもってしても変わらないくらい重い愛でも?」

「それは私の台詞だ。生まれ変わるくらいには重い」


目元にキスをすると

「嬉しいだけだよ、セレス。あぁ…ここにセレスがいる。セレス…」

柔らかなで甘やかな唇に触れたらまた止まらなかった。細い腰を抱き寄せて…


セレスはいつだって柔らかくて暖かい。

ねだるような目も、吸い付くような肌も、私を受け入れてくれる何もかもが甘やかだ。

そしてハンナが呆れて扉をノックするまで、愛し合うのだった。


次に生まれた子も双子だった。

「マリウスと神父様の所の子も双子だった。私は2回とともだ。マリウスの次の出産でも双子が生まれるなら…薬の弊害、なのだろうな」

私はセレスを抱き寄せて

「こら、弊害じゃない。女神様の恩寵だ。2人も生まれてくれるんだから」

セレスは驚いてから頬を染めて

「だから、そういう所だ。私が愛してやまないのは。ファルはズルい」


しばらくは上の双子を昼間はハンナたちが見てくれているので、生まれたばかりの双子とセレスと寄り添って過ごした。


2回目ともなると慣れてもくるし、余裕がある。夜は上の双子たちと一緒に寝る。小さな体で不安そうにこちらを見ているのが印象的だった。

頬を撫でながら

「大丈夫だ。私もセレスも…お前たちが大事だから」

おでこにキスをして寝かしつける。

ぎゅっと抱きつくその小さな体を腕に抱いて眠る。幸せな時間だ。






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