狂いの始まり
どうも、binnです!
さて、卒業シーズンですね。
皆さんは泣きましたか?私は泣きそうになりました。
それでは第2章第25話お楽しみください!
〜〜〜エヴァルがトラックに轢かれる数日後の日本〜〜〜
私の通う高校からの帰り道、私の友人である同級生から突然ある話をされた。
「あ!そうだ、ねぇ、無人のトラックが走り回ってるって噂、知ってる?」
「え?何それ?そんな訳のわからない噂が広まってるの?」
「そうらしいよ?なんでもこの前のサラリーマンを轢き逃げしたトラックも誰が運転してどこで作られたかわかってないらしいよ」
「この前新聞各社にどどん!って見出しになってたあれ?変な名前のサラリーマンが轢かれた事件?」
「そうそう、それそれ、犯人もまだ捕まってないらしいし、防犯カメラにも運転手が乗ってなかったって噂もあるし、真っ昼間だったからその現場を見た人もたくさんいたらしいけど、だぁれも乗ってなかったんだってぇ」
「うそだぁ、見間違いなんじゃないの?」
「何十人も見間違えると思う?それに何台もの防犯カメラにも映らないんだってよ?おかしくない?」
「確かにそれはおかしいわね、どうなってるのかしら……まさか、幽霊とか?」
「ちょっとやめてよぉ〜!私そういうのダメなんだってばぁ〜」
「エフフ…冗談よ、冗談、でもあなたがこんな話するからいけないのよ?」
「うぅ〜、翔子ちゃんいじわるぅ〜」
「はいはい、いじわるですよ〜っと、で?なんでこんな話ししたのよ?無人トラックが気になったの?」
「そうなんだよ!翔子ちゃん!私たちで見つけてみようよ!」
「えぇ……本気?」
「本気だよ!そのためにコレも持って来たんだから!」
同級生の少女は自分のカバンをゴソゴソと漁り、デジタルカメラを自慢げに見せて来た、このドヤ顔はいつまでたっても忘れないと思う。
「あぁ…朝からチラチラと見せて来てたけどその為に持って来てたのね……」
「そう!早速探しに行こうよ!ほら、あっち行こ!」
「あっ!ちょっと…!引っ張らなくてもついていくわよ!」
私は無理矢理手を引っ張られ、仕方なく無人トラック探しに付き合ってあげる事にした、はぁ…ちょっとダルいなぁ、10分ぐらいしたら適当に理由つけて帰ろうかなぁ。
〜〜〜エヴァルが轢かれた場所〜〜〜
少女は帰宅路から少し離れたところにある交差点で足を止め、デジカメを構えた、何故ここなのかしら?ちゃんとした理由がなきゃこんな交差点来ないだろうに。
「で?どうしてこんなところに来たの?」
「フフン、ここはあのサラリーマンが轢かれた場所なんだよ!ここで轢いたって事はこの道を今も通ってるはず!」
「そんなに都合よく通ってる訳ないでしょ、大体轢き逃げしたならもうその道は迂回かなんかして二度と通らないと思うんだけど。」
「えぇ⁉︎ウソ!」
「ほんとよ、さ、早く帰りましょ、どうせただの噂にすぎないわよ」
「そうだね……それじゃあ明日探しに行こうよ!」
「……わかったわ、明日、一緒に探して見ましょう、無人のトラックをね」
「うん!それじゃあまた明日!」
「えぇ、また明日」
はぁ…明日かぁ、と言うかあるはずのないものをどうやって探す気なのかしら、まぁあの子が飽きるまで付き合ってあげましょ。
その時、視界の端にちらっと見えたトラック、本当に何気なく、そのトラックの運転席を見た。
「………え?」
そのトラックは交差点で信号待ちをしていた、それだけだったらただのトラックと同じだった、しかし問題は運転席に人影が見当たらない事、やがて信号は青に変わり、無人のトラックはゆっくりと動き出し、右折をして私とは反対側の道へ進んで行った。
「…無人の……トラック……」
私は今見た光景が未だに信じられず、その場所に棒立ちの状態で固まってしまった、するとトラックが去って行った方から何かが激突するような音が何度も聞こえて来た。
あのトラックだ、猛スピードで私に向かって突っ込んでくる。
その鉄の巨体は今にも私を粉々に砕きたそうにエンジンの音を轟かせる。
私は運転席を見た、誰も乗っていない、誰も、でも私は見たアレを。
運転席に置かれた、瞳を光らした何かの偶像を。
次の瞬間には私の身体を引き裂く様な痛みが襲った、いや、もしかしたら実際に引き裂かれていたのかもしれない、薄れゆく意識の中、多くの人の悲鳴を耳にしながらぼやける視界で確かに捉えていたのは私を轢いたトラックが何事もなかったかの様に道路へと戻って走り去る事だった。
『も……ー…』
『…こ………す…?』
『…ーい』
何かが………聞こえる?それも女の子の…様な声……
『大……で…かー?』
『う…ん、…き…いなぁ』
『もし……し、き……てま…かー?』
だんだんとはっきり聞こえる様になって来た、やはり私に声をかけているのは女の子の様だ、でもなんで?私はトラックに轢かれて死んだんじゃ?
薄っすらと目を開けあたりを確認する、そこはまるで……そう、例えるならローマにある様な神殿だった。
『あっ!起き…したね』
『また転生者なんて驚きですね、普通3年に1回くらいなのに』
その女の子は見慣れない服を着て、女の私でさえ目を奪われる様な外見をしていた。
「こ、ここは………」
『あ、ここですか?ここは私ことフリュケラの神域ですよ』
「フリュ……ケラ?」
『えぇ、私これでも女神なんですよ』
「は、はぁ…、女神……ですか……」
いったい…この女の子は何を言っているの?フリュケラ?女神?訳が分からなくなってきたわ……
よし、整理していきましょう、私はトラックに轢かれて死んだはずよ、これは確実、この女の子が言う女神フリュケラ、聞いたこともない、いや、どこかの宗教にはいるのかもしれないがそんなマニアックな宗教なんて興味もないわ。
『あー、その…ちょっと良いですか?』
すると女の子もとい女神フリュケラ(仮)が話しかけてきた。
「なんでしょうか?」
『えーと…実はあの転生トラック……私たちの手違いで暴れまわってるのです……』
「暴れまわってる?誰も乗ってないわよね?それじゃあいったい誰が暴れまわしているのよ、トラック自体が暴れまわってるって事?」
『いえ…あの転生トラックには他の神が意思をもたせた偶像が乗っているのです……その偶像は超能力で転生トラックを乗り回しているのです…』
「つまりなに?私はあなた達の手違いで死んだって事?」
『はい…申し訳ありません……』
「あなた神なんだから私を生き返らせるとかできないの?」
『残念ながらあの世界の貴方はもう何十人もの人間に死を確認されてしまっているのでできません………』
『そのかわりと言ってはなんですが…貴方を異世界に転生させてあげます!』
「……異世界に……転生………?」




