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第5話

コピペし間違えていたので、修正しました。

「違う....違うんだ.......」


 私は頭を抱えた。

 テレビには私のヒーロースーツ姿が移っている。

 【変装】スキルで変化させた紅色の目が爛々と輝いている。


 写真からして、私が警察から闘争しているところだろう。

 逃げたからか?逃げたから犯人扱いされているのか?!


 ニュースのテロップには暴行、不法侵入、拉致未遂と書いてある。


『共犯と思われる男は身柄が確保されていますが、1人での犯行だと、一部の情報を否認しているようです。』


「ソレ事実なんだよぉぉぉ.......」


 ....というか、被害者たちの意見を聞いたうえでこんな事になってるの?!



「あ、樹くんちゃん、テレビに出てる。有名人だね。」

「姉ェ?!」


 姉が爆弾を落とした。


「な、ななな、なんでわ、わわわ、わかた?!」

「んー勘。」

「バケモンだろ。」

「いやーそれほどでも。」


 ま、姉だし、通報はしないでしょ。



 ピンポーン。


 ドアチャイムが鳴った。


「はーい。」


 荷物かな?そう言えば、ゲームとか買ったんだっけ?男のときに。


 .......まだTSして4日めなのか。


 ガチャっと金具の音が鳴り....


「すみません警察ですが....」


 警察手帳をこちらに突き出し....


 ファッ!??!?!??!!

 ファーーーッ!?!!?


「え?私なんかした?」


 しらばっくれた。


「あ、いえ、あの、貴方の学校で不審者騒動がありまして、その時の状況とか情報について聞いて回っているんです。」

「な、ん?あ、なるほど?」


 どうやら私がズルヴァンだと気付いていなかったらしい。

 良かったぜ。


 ........ちょっと残念とか、そういったことは一切ないんだからね?(ツンデレ風)


「あー、でも私、特に情報とかは出せないと思いますよ?」

「あ、いえ、構いませんよ。」

「あ、じゃあどうぞ。」


 家の中に入るように促すと...


「あ、はい。これは丁寧に。」


 警察は普通に入ってきた。




「あーーーーーーッ!!樹くんちゃんが男連れ込んだぁぁぁぁーーーッ!!」

「言い方ぁッ!?」


 姉は馬鹿らしい。


 警察は困惑の顔で固まっている。


「あの、姉は常時こんな感じなので。通常運転なので。どぞ。」

「あ、はい。」



 机の上に座り、警察に私が楽しみにしていた(・・・・・・・・)缶コーヒーを差し出すと、落ち着いたようで、自己紹介を始めた。


「あ、はい。では改めて。警視庁の夜目(よるめ)です。」

「あ、橋田樹です。」

「あれ、そう言えばクラスの名簿を見たときは男って記載していた気が......」

「多様性ですよ。」

「え、でも――『多様性ですよ。』...はい。」


 ゴリ押しって...正義だ。


「あ、では、事件が起きた時.....昨日の11:30、どこにいましたか?」

「散歩をしていました。ちょうど学校の近くを。」

「あれ?昨日学校を休んでいたんですよね?なぜ外に?」


 うんバッチリ疑われてますね★(ガクブル)


「えーっと、さっきクラス名簿の男について言っていましたよね?」

「ま、まあ。」

「そういうことです。」

「あー、えーっと?」

「TS」

「性転換か!!(迫真)」


 この人そっち系わかるのか.....


「まあ、はい。そういうことです。」

「なるほど。まあ、確かに性別が変わったら下の方は気になりますよね!!」

「すっごい誤解してる!!絶対!」

「え?定番ですよね?その...薄いアレで...」


 どうしよう。私明日には公務執行妨害で牢屋の中かもしれない。


「ああ、樹くんちゃん、そういえばTS直後の夜に一人でシようとしてたね。」

「それ詳しく。」

「あんた一応警察だよね?」


 ついつい素で突っ込んでしまった。

 クソっ!!今は突かれる(・・・・)側のハズなのに.......

 こいつといたら調子が狂う。


「そういえば...あなた、事件当日に外にいたんですよね。」

「あ...」


 オワッタ?


「どのような服装でしたか?」


 夜目はじろりとこちらを観察するような眼を向けてきた。


 あれ?さっきまでのおちゃらけた感じの雰囲気はぁ?


「あ、えっと。黒色のジャージです。男の時に着てたやつ。」

「見せてくれますか?あとなるべく嗅がせてくれませんか?」

「殴りますよ?」

「すみません。」


 やっぱこいつは馬鹿だ。気のせいだ。


 席を外して、自分の部屋にあるクローゼットからジャージを取り出し、リビングに戻った。



「はいこれ。」


 ジャージを差し出した。


「こ、これが女子のジャージ...」

「殴りますよ?あと元は男子ですよ?」

「だから良い!!!!!!!!!!!!!!!」


 私は天を仰いだ。

 やっぱりこいつは警察じゃない。

 馬鹿だ。ただの。


 なんでこいつが警察になれたのが不思議だ。


「フム、血の付着などは無し。変な傷もない....白か?気にしすぎ...嫌、でも...」


 夜目は小さくつぶやいた。

 だが、私にその声は届かなかった。


「いつまでじろじろ人のジャージ見てるんですか?そういったフェチですか?」

「だにぃ?!樹くんちゃんのジャージを邪な目で?!なんてうらやm...けしからん奴だ!!」

「あ、嫌、これは本当に違くって!」


 夜目は急いでジャージをこちらへ差し出した。


「なんか変なものつけていないでしょうね...」

「つけてないよ。さすがに」


 ...でも、なんか、ヒーロー活動したのにヴィラン扱いはムカつくな...


「あ、そういえば、情報出せるかもです。」

「ファッ?!」


 夜目はまたまた困惑の顔で固まった。


「あの、クラスメイトからメールで不審者についてなんか教えてくれまして...」

「そのクラスメイトさんには頭が上がりませんね...それで?」

「なんか、ズルヴァンを名乗る変人に助けてもらったとか。男の不審者は私を狙っていたとかなんとか...」

「なんで男はあなたを?」

「さあ、時期的になんかどっかからTSの情報を仕入れたから実験体として確保しようとしたんじゃないっすか?知らないですけど。」


 クラスメイトの手柄にして私の情報を出してあげた。

 イヤーさすが私。ちゃんと警察に情報を差し出す国民の鏡。


「なるほど?まあ確かにTSなんて珍しいし、現に実例があなた以外ありませんもんね。血液サンプルだけでもくれませんか?」

「注射痛いからヤ。」


 ちょっと血液はまずいかもだからちょっとだけ逃げさせてもらおう。


「ごく細の針だから痛みはないと思いますよ?」

「...」


 ...まじゅい。


「沈黙は了承だね?さあ、近くの病院へ行こう!!」

「.....................」


 /(^o^)\(オワタ―)


 ***


 車に揺られ、だいたい30分。


 嫌、正確には車には揺られなかった。

 高級車だからだろうか、驚くほど静かな走行だった。


 まあ、近くの病院についた。


 警察の権限だろうか、待ち時間なんて一切なく、速攻で採血のための部屋へ通らされた。


 もちろん、血が取られたらズルヴァンの正体がばれるから、少々偽装をさせていただこう。


【最適化】で血液を改造しよう。

 適当なエネルギー多いとか入れとけばTSの神秘として片づけてくれるやろ。



「じゃあ、ちょっとチクッとしますよぉ~~~」


 優しいお姉さんのような声だ。

 清楚系といったような姉とは違った、温かさのある声だ。私にそっちの趣味があったらおぎゃっていただろう。



 一瞬刃がつきたてられたような感覚を感じたのち、何かが吸われるような感覚が数秒続き、感覚がやむと、次はお姉さんの叫び声が出た。


 叫び声を聞いた夜目は焦った様子で採血室へ入ってきた。


 もちろんお姉さんは無事だ。


 叫んだ理由といえば......


「血が光っている...?」


 嫌、正確に言うと、光るどころか、血は生きたように、ファンタジーのスライムのような動きをしていた。


 ちょっと、エネルギーを込めすぎたようだ。

 やっちまったぜ。


「すみません。帰っていいですか?」

「いいわけないでしょ?」


 そうですよね...



 少し、嫌、少しというのにも短すぎるくらいだが、一瞬、夜目の視線は私の手、手にあるマメを捉えた。


 もちろん私は気づかなかった。

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