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スライム娘の恩返し~転生して錬金術師になった不遇外科医は尽くし系美少女と平和な生活を送りたい~  作者: 砂礫零
第7章 スライム娘の大事件

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第102話 そしていなくなった

{{◎△$§>∞……!!}} 「イリスさん!」 「イリス(ねえ)やん!」


 両親の呼びかけも、ミアとミリンの叫びも…… イリスの耳には、まったく届いていないようだ。

 引き続き、錬成進度がうわごとのように、その口から漏れる。


古代竜核(アンドゥラケルノ)、錬成中 ―― 錬成度…… 0%……  はぁうっ! 錬成度…… 0%…… ぷうううう! 錬成度…… ぷぁぁぅ……1%}


「イリス! 聞こえるか!?」


{ぷぅぅぅ…… 錬成…… 度…… 1%……}


 イリス…… 錬金釜に変身してもいないのに、なんで、錬成してるんだ?

 しかも、古代竜核(アンドゥラケルノ)だと ――!?


{錬成………… 1%…… ぷぁぁぁ……}


 イリスの全身が、苦しそうに震えている…… はやく、止めなければ。

 俺は、イリスがこうなってしまった理由を、考えた ――


「…… まさか、同期、とか……?」


「「{{同期????}}」」


 ショーグン・イエツネとその愛人オツタに変身しているイリスの両親、それに、竜神族のミアとミリン…… 8つの瞳が、俺に注目する。


「イリスのスペア心核は、もとの心核に同期して、活動をしているんだ。もとの心核が、静かに安置されている場合なら、その基本的な働きをシェアしているだけだが……」


 説明しているうちに、確信が深まってくる。


「もし、もとの心核が()()()()()()()を始めた場合、スペア心核も影響を受ける可能性は、おおいにある」


{{もしかして!}}


 ぷぴゅっ! ぷぴゅっ!

 イリスの両親が、同時にはねた。白いキモノの(すそ)がはだけるのもかまわず、イリスに駆け寄る……


{もう、ショービン様はスライム錬成釜を完成させたんでしょうか!?} {でもって、もう! 稼働させているんでしょうか!?}


「その可能性は高いよな……」


 認めたくは、まったくないが。

 ほかに整合性のある理由を思いつかない……


「ですが、古代竜核(アンドゥラケルノ)の錬成とは……」


 ミアが眉をひそめた。


「スライム錬金釜ならば、たしかに、なし得るかもしれませんが…… 負担が大きすぎるのでは」


「そのとおりだ」


 俺は、うなずいた。


「現に、かかっている負荷はそうとうのように見える…… おそらくは、本物の心核が、なんらかの力で無理やり駆動させられているんだろう。急がないと  「どういうことだ!? イリス(ねえ)やんの心核! とまっちゃうのか!?」


 ミリンが泣きそうな顔で俺をゆすぶる。


「なあ! リンタロー! どうなんだ!? そんなことには、ならんだろうな!?」


「ああ…… もちろんだ」


 もともと、ここオーエドに来たのは、イリスの心核を取り戻すためだ。

 ならば目的を、さっさと達成してしまおう。

 わけのわからないモノの錬成なんかに使われて、すり減り、壊れてしまう前に ――

 俺は、イリスの両親に確認した。


「さっき、ショービンとかいうボスはこの城のどこかにいる、って言ってたか? ……心当たりは?」


{それが} {まったく、わかりませんのです!}


 イリスの両親たちは、ショービンから指示を受け従う立場であるものの、その居場所はまったく知らないのだという。

 城のなかにいる、というのはショービンがイリスの両親を脅すために言ったことだそうだ ―― すなわち 『裏切ればすぐわかる』 と。


{でも、単なる脅しではないのです!} {たしかにショービン様は、城にいないとわからないことを、知っているのです!}


「なるほどな……」


 しかし、城の家臣にも見つかっていない、ってことは、ショービンは、よほどうまく隠れているのか……?

 俺はウィビー(異世界ア◯フォン)に聞いてみた。


「ヘイ、ウィビー。この城に 『あかずの間』 みたいな場所、あるのか?」


 もしあるなら、ショービンがそこに潜んでいる可能性は高いだろう。

 しばらくしてウィビーは、オーエド城のマップの上に赤いポイントを表示した。


シークレット・ルーム(あかずの間)、ノーねー! but、誰も入らない地下道、あるねー!〕


 ぷぴょっ! ぷぴょっ!

 イリスの両親が、はねた。白いキモノの裾、完全にめくれちゃってるな……


{そこ!} {龍穴(りゅうけつ)なのです!}


「龍穴だって?」


{龍穴は、ヤパーニョ皇国の鎖国結界を造られた、尊い龍がおわすところだそうなのです!} {もうすぐそこで 『大厳臥龍祭』 という神事が行われるのです!} {私たち、今年は自分が神事を行う、と宣言したのです!} {もちろん、ショービン様の命令です!}


 イリスの両親が、くちぐちに説明してくれる…… つまりは、ヤパーニョ皇国の守り神みたいな龍のいる洞窟が、いまウィビーが示してくれている 『龍穴』 なんだな。


「……ん?」


 なんかいま、ひっかかったぞ?


「なあ、ミア…… 古代竜(アンドゥラ)って、鎖国結界、造れそうなひと?」


「実際に会ったことはありませんが……」


 ミアが、ためいきまじりに答える。


「造れるでしょうね、確実に」


「で、そんなひとが、その実、この大陸そのものなんだけど…… みたいな話。ちょっとまえに、あったよな?」


「あの伝説か?」 と、ミリンが口をはさむ。


古代竜核(アンドゥラケルノ)を、1/3以上集めると、大地の巨龍が目覚める…… うんっ!? よもや!?」


 俺たちは、いっせいにイリスを見た。

 イリスの本物の心核は、この城のどこかで、まだ錬成を続けているようだ……


古代竜核(アンドゥラケルノ)、錬成…… 中…… うっぷぅぅぅ…… 錬成…… 度…… 11%……}


「―― いや、まさか、いくらなんでも、そんなバカなやつが、いるわけないよな?」


 俺はみんなを見回した。

 イリスの両親に、ミアとミリンの竜神族親子が、いっせいにうなずく……


{ですよね!} {そんなことしたって、マジで誰得、ですよね!} 「そうそう。寝言は寝てから言え、っていうんでしたっけ? そういうの」 「まったく! バカバカしすぎるぞ!」


 俺たちは、懸念を笑いとばそうとした。が。

 ―― 声をあげて笑えた者は、誰もいなかった。


== なろう版はここまでです ==


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※ネオページでのタイトルは『転生したらなんでもできるスライム娘が押し掛けてきた』です
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