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スライム娘の恩返し~転生して錬金術師になった不遇外科医は尽くし系美少女と平和な生活を送りたい~  作者: 砂礫零
第7章 スライム娘の大事件

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第100話 意外なところにいた

「怪しいやつら!」 「ご用だ、であえっ!」 「くせものだ……っ!」


 刀を手にした関所の役人たちが、次々と集まってくる…… だが。

 やつらがどれだけ強かったとしても。

 SUV ―― 広大な草原で満月のウェアウルフさえもぶっちぎったスーパーカーの、敵じゃないよな。

 ―― イリスとミア、ミリンが車に乗り込んだのを確認し、俺はアクセルを踏んだ……

 数十秒でもう、最高速度に達する。


 「待て……っ!」 「待てぇっ……!」 「者ども、道をふさぐのだ……!」


{ふっふーん! そんなの遅いのですよ!}


 イリスが楽しそうに役人たちを(あお)っているが、まさにそのとおり。


 ―― どんどん集まってくるお役人の叫び声を、あっというまに振り切って。

 俺たちは、関所を駆け抜ける ――


 ヤパーニョ皇国、本土側の門を出ると目の前は、濃い霧だった。

 霧のなか、走る車の音が、吸い込まれるように消えていく…… 明らかに、ただの霧じゃない。

 

「これが、ヤパーニョ皇国の鎖国結界です」 と、ミアが言う。


「くそ、前が全然、見えないな」


 この先にはすぐ、大きな橋がかかっていたはずだが…… 欄干(らんかん)らしき影がちらりと見えた、と思っても、すぐに流れてきた霧が覆ってしまう。


{なかに入ってほしくない、って言ってるみたいなのです……!} とイリス。

 鎖国結界だから、だろうな。


 ともかく。

 この霧のなかを車で走り続けるのは、どう考えても危険だ ――

 後ろからは関所の役人が追いかけてきているから、止まるわけにはいかない。

 しかし、ここで前から誰か歩いてきたら、確実に事故まっしぐら、だ……


「しかたないな…… いちかばちかで、転移使ってみるか……?」


「結界を抜けきらないと、危ないですよ、リンタロー」


「まあ、そうだよな……」


 それにここで転移のために車を止めると、すぐに役人たちに追いつかれてしまう。


「なら、とにかく、この結界から出るのが、先なわけだな!」


 偉そうな声とともに、ミリンの身体が()()て、膨らみはじめた。

 車体が、大きく揺れる…… 


「ちょ、ミリン! なにする気だ!?」


()に、まかせよ!」


 ミリンのセリフが終わらないうちに ――

 

 俺たちは、大きな龍の腕に抱えられるようにして、もやもやとした霧のなかを飛んでいた。

 なるほど…… 龍化したんだな、ミリン。

 ミアが俺の隣で軽く首をすくめる。


「そういえば、ミリンはまだ、ちびっこなので、狭いヤパーニョの空を飛ぶにはもってこい、でしたね」


『おや! ちびっこ、いうな!』


 金属をこすりあわせるような龍の声が霧に反響し、かすかにエコーがかかる……

 数分後。

 霧はすっかり晴れ、俺たちは再び、山の上にいた。

 ミョート岳はなにもない岩山だったが、ここは、岩のすきまに小さな植物が、色とりどりの花を咲かせている。 


{わあっ……}


 イリス、嬉しそうだな。


{ちっちゃいお花、たくさんなのです! かわいいのです!}


「イリス(ねえ)やんは、この花がすきなんだな? この花は、ミヤマリンドウというのだぞ!」


 人間の姿に戻ったミリンが、ドヤ顔で知識を披露する。

 俺も、足元を見た。イリスの瞳みたいな、淡い青紫の花だ。

 ミヤマリンドウっていうのか…… 前世の日本にも、ありそうな花だな。


「ということは、もう、ヤパーニョ皇国の本土に入ってるのか? いま俺たちがいるのは、リエンタ山脈のヤパーニョ皇国側…… ってところかな?」


「ええ、そのとおりです」


 ミアが険しい表情で、うなずく。


「問題は…… 私たちが街で情報収集するのが、難しくなってしまったことでしょうか」


「ああ…… 派手にやったもんな」


 S(スポーツ用)U(多目的)V()で関所をぶっちぎ………………ったうえ、ミリン()で空を飛んで逃げたら。

 ヤパーニョ皇国で神聖視されているミアとミリン(竜神族)はともかく、俺とイリスは、きっといまごろ、関所破りの大悪党にされていることだろう。

 人相書が全国に回っても、おかしくないよな……


「まあ…… こうなったら、まっすぐオーエド城に転移してみるしか、ないか」


== なろう版はここまでです ==


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※ネオページでのタイトルは『転生したらなんでもできるスライム娘が押し掛けてきた』です
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