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第97話 原脈同期


 王都中央市場。


 悲鳴が連鎖する。


 黒い球体は、石畳を溶かしながら沈んでいく。



視聴者:1,179,441,882

【沈むなああ】

【止めろ!】

【超転送!】



「退避しろ!」


 アルヴェルトの声が市場を震わせる。


 王都兵が駆け込み、民を誘導する。



 セリスが黒鎖へ踏み込む。


 一閃。


 鎖が断ち切られる。


 だが、次の瞬間、倍に増える。



「再生速度が異常……!」



 ミナが赤を展開。


 爆炎が黒鎖を焼き払う。


 しかし、焼けた端から再び伸びる。



視聴者:1,183,002,441

【無限増殖】

【コスモー!】

【原脈バフ入ってる】



 黒幕は動かない。


 仮面の奥の視線は、ただ沈みゆく黒球を見ている。



「地上の均衡は副次」


「本命は、干渉個体の確認」



 アルヴェルトが斬りかかる。


 黒幕の前に立つ。


 刃が走る。



 キィン――



 黒鎖が刃を絡め取る。


 だが、アルヴェルトは止まらない。


 腕力だけで鎖を引きちぎり、間合いを詰める。



 だが。


 黒幕の背後、地面から巨大な鎖柱が噴き上がる。



 原脈と直結した鎖。


 その密度は、戦場のそれとは別物。



 アルヴェルトの斬撃が、わずかに弾かれる。



視聴者:1,187,441,882

【硬い】

【完全体や】

【戦争の時と違う】



 黒幕が初めて、アルヴェルトを見る。


「干渉個体」


「だが危険度小」



 鎖が波打つ。


 王都の地下から、黒い脈動が広がる。



 一方。



 地中。



 黒球内部。



 レインは、蒼で内部を押し広げようとする。


 だが黒は吸収する。


 蒼を呑み込み、形状を最適化する。



「原脈と直結してる……」



 蒼を増幅する。


 だが、原脈側から“圧”が来る。



 ドクン。



 球体が脈打つ。


 レインの鼓動と同期するように。



視聴者:1,192,002,441

【飲まれてる】

【共鳴してる?】

【贄】



 地上。



 ミナが叫ぶ。


「レインが……遠くなる!」



 エルフィナが目を閉じる。


 黄を地下へ伸ばす。


 だが、途中で遮断される。



「解析できない……」


「主幹流路に直結してる」



 アルヴェルトが決断する。


「王城地下へ向かう」


「主幹流路を断つ」



 セリスが即応する。


「私はここを抑える」



 黒幕が、わずかに首を傾ける。


「無意味」



 鎖が一斉に拡散。


 市場全域が、黒い檻に覆われる。



 だが王都兵が民を逃がしきる。


 鎖は民ではなく、地面へ向かって伸びる。



視聴者:1,196,441,882

【狙いは地中】

【人間じゃない】

【石油かっ!?】



 黒幕の仮面の奥から、低い声。


「再置換閾値、上昇」


「局所補正では不足」



 その言葉に、アルヴェルトの目が細くなる。


「……再置換だと?」



 地中。



 黒球が、ついに主幹流路へ到達する。



 眩い蒼白の光が、黒を照らす。



 原脈。



 巨大な流れ。


 地底を流れる、光の河。



 黒球が、その上で停止する。



視聴者:1,201,002,441

【きた原脈】

【深層突入】

【光の鷹ちゃうん】



 黒幕の声が、地上と地中へ同時に響く。


「干渉個体」


「星の記憶を、観よ」



 黒球が、さらに収束する。



 レインの足元が、抜けた。



 落ちる。



 蒼の光が、闇へ吸い込まれる。



 地上では、鎖が一斉に停止した。


 黒幕は動かない。


 ただ、沈黙する。



視聴者:1,205,441,882

【レイン単独】

【深層編突入】

【次回、星の記憶】



 地底深く。


 レインが、初めて“星そのもの”に触れる。



(第97話・完)

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