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第78話 風を裂く者


 夜明け前。


 霧都ヴェイルの外縁。


 石造りの門を抜ける影。



 レイン。


 ミナ。


 そして、残響の先行部隊。



 街は静かだった。


 だが、静かすぎる。


 観測は消えていない。


 “見えない視線”が、まだ空のどこかにある。



視聴者:402,114,882

【もう追跡始まってる?】

【隠密編きた】

【でもどうせ暴れるんだろ】



 レインは歩きながら、気配を切っていた。


 蒼は出さない。


 呼吸も、重心も、普通の旅人。


 “核干渉者”は、いない。


 ただの男だ。



 ミナが小声で言う。


「……違和感、ある」


「あるな」


 レインは視線を上げない。


「戦争の匂いが薄い」



 普通、開戦の報せが走れば、街道は騒ぐ。


 徴兵。


 物資運搬。


 噂。


 だが――静かだ。



視聴者:404,882,441

【隠密開戦?】

【裏で動いてるタイプ】

【嫌な予感しかしない】



 その時。


 前方の丘の向こうから、煙。


 悲鳴。


 鉄の音。



 レインの足が止まる。


「……来たな」



 丘を越えた先。


 小さな村。


 燃えている。



 旗は――グランヴァル。


 黒と金の紋章。



視聴者:407,441,882

【あっ】

【テンプレきた】

【でも好き】



 兵は多くない。


 先遣隊。


 偵察兼制圧。


 戦争の“準備体操”。



 ミナの赤が、うっすら灯る。


「……どうする」


 レインは、答えない。


 その代わり、目が変わる。



 次の瞬間。


 彼は、消えた。



視聴者:410,002,441

【は?】

【消えた】

【あ、無双だ】



 音が遅れて届く。


 骨が砕ける音。


 鎧が裂ける音。


 空気が、横に裂ける音。



 グランヴァル兵が振り向く。


 見えない。


 次の瞬間、十人が地面に沈んでいる。



視聴者:412,882,441

【早送り】

【FPS視点かよ】

【残像しかない】



 レインは蒼を出していない。


 生成も使っていない。


 ただの“身体”。


 ただの“速度”。



 だが、その動きは――


 生成ダンジョン二年分。


 自ら作った兵士数百体との実戦。


 斬り合い、殴り合い、殺し合い。


 その果てに研ぎ澄ました“最短”。



 敵の剣が振り下ろされる。


 レインは半歩ずれる。


 剣は空を切る。


 そのまま肘で鎖骨を砕き、踵で膝を潰す。


 止まらない。



視聴者:415,441,882

【教科書みたいな最適解】

【技術で殺す系主人公】

【生成なしでこれ】



 ミナも動いた。


 赤は薄く。


 必要最低限。


 踏み込みの瞬間だけ、爆ぜる。



 槍兵の懐へ滑り込み、柄を折る。


 横薙ぎを回避し、赤を一瞬だけ纏って衝撃を増幅。


 相手が吹き飛ぶ。



視聴者:417,882,441

【赤の使い方うま】

【無駄に光らないの良い】

【修行の成果見せ回】



 数分。


 それだけで終わった。


 村は、燃え残った家と、呻く敵兵だけが残る。



 レインは、倒れた旗を踏みつけた。


「……戦争の匂いがしない理由が分かった」


 ミナが視線を上げる。


「なに?」


「これは“本戦”じゃない」


 レインは旗を見る。


「挑発だ」



視聴者:420,002,441

【前哨戦】

【誘ってる?】

【嫌な感じ】



 その瞬間。


 背後で、重い衝撃。



 丘の上に、影。


 白銀の鎧。


 長剣。


 風を裂くような踏み込み。


 異様に濃い“圧”。



 元S級《蒼天の牙》――レオンハルト。



視聴者:423,441,882

【出た】

【定期ざまぁ枠】

【リーダーwww】



「レイン……!」


 レオンハルトが吠える。


「探したぞ!」


 レインは、視線を上げる。


 感情はない。


「王都での恨み!」


 剣が唸る。


 地を切り、風を裂き、一直線に迫る。



 レインは避けない。


 片手で刃を受け止める。


 金属が悲鳴を上げる。


 地面が沈む。


 空気が歪む。



視聴者:426,002,441

【受けた!?】

【片手www】

【リーダー泣いてる】



 蒼が、一瞬だけ灯る。


 剣の“接触面”を――ずらす。


 力の流れを解体。


 返す。



 レオンハルトの体が、丘を転げ落ちる。


 鎧が削れ、剣が弾け、土煙だけが残る。



 レインは歩み寄る。


「俺は今、星を救う途中だ」


 レオンハルトの胸ぐらを掴む。


「邪魔をするな」


 投げる。


 丘の向こうへ消える。



視聴者:430,441,882

【容赦なし】

【説明より行動】

【定期便うめぇ】



 ミナが小さく息を吐く。


「……手加減した?」


「した」


 レインは淡々と答える。


「今は無駄に目立たない方がいい」



 だが。


 空の奥で、微かな揺らぎ。



《局所干渉値、上昇》



視聴者:432,882,441

【バレる?】

【観測来る?】

【ヒヤヒヤ】



 レインは、空を一瞥する。


「急ぐぞ」



 その後。


 街道沿いで三度。


 グランヴァルの部隊と遭遇。


 すべて、数分で制圧。



 だがレインは蒼を極力使わない。


 ミナも赤を抑える。


 干渉は、最小。



 それでも。


 強すぎる。



視聴者:437,002,441

【これで隠密は無理】

【普通に化け物】

【グランヴァル側びびる】



 夕暮れ。


 巨大な城壁。


 鉄の塔。


 赤い旗。



 レムナート王都。



 だが。


 城壁の外に、無数の軍勢。


 黒と金。


 グランヴァル本隊。



視聴者:441,441,882

【きたあああ】

【ガチ戦場】

【無双スイッチ押せ】



 ミナの拳が震える。


 城壁の向こうに、家族がいる。


 仲間がいる。



 レインは、戦場を見た。


 兵の動き。


 陣の厚み。


 空の揺らぎ。



「……正面は罠だ」



視聴者:444,882,004

【読んだ】

【冷静すぎる】

【IQ高主人公】



 その時。


 足元で、石が三度鳴る。


 合図。



 丘の陰から、残響の斥候。


「こちらへ」


 短い。


 無駄がない。



 崩れた岩の裏。


 草に隠された石板を持ち上げる。



 闇。


 冷気。


 鉄の匂い。



視聴者:448,441,882

【地下ルート】

【やっぱり】

【わくわくする】



 レインが空を一瞥する。


 未定義の残り香。


 まだ、見られている。



「先に入る」



 ミナが一瞬だけ城壁を見る。


 拳を握る。


「……待ってて」



 石段を下る。


 足音は殺す。


 灯りは最小。



 古い搬送路。



 レインの指が、石に触れる。


 微かに――脈。



視聴者:452,882,441

【反応した】

【下にある】

【深いぞ】



 通路は曲がり、降り、さらに狭くなる。


 地上の戦場の音が、遠のく。


 代わりに、地下の鼓動。



 重い鉄扉。


 内側から、静かに叩く音。


 合図が返る。



 開く。



 王都内部。


 薄暗い倉庫区画。


 避難済みの荷。


 緊張した空気。



視聴者:458,441,882

【侵入成功】

【正面突破しないの新鮮】

【嵐前の静けさ】



 ミナが足を踏み入れる。


 帰ってきた場所。


 守るべき土地。



 レインが最後に入る。


 鉄扉が閉まる。


 戦場の音が、完全に消える。



 地下へ続く、さらに深い階段。


 壁が淡く光る。



 レインが、低く言う。


「……下だ」



 空の奥。


 未定義が、わずかに脈打つ。



《追跡対象、都市内部へ移動》



(第78話・完)

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