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数分間しか、いれません!  作者: うちの生活。


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73/76

73 今度は⋯

 ドラゴンがブレスでが瓦礫を壊してこないとも言い切れず、先に進む事にして十数分後、暗い通路から少し広い空間にでた。


「少し明るい⋯?」


 全体が見える程度の明るさがある。どんな原理なのかは⋯⋯⋯考えるだけ無駄だろう。


「あ、あれ⋯」


 空間の中央付近に、前にも見たことがある石の台座があった。そこには何か書いてあったが読むことができない。


「サシャさん、なんて書いてんの?」

「ええと⋯」


『通路の先には先にすすむのはあちら→

ここは安全地帯⋯⋯⋯ではありません』


「ですって。⋯⋯ここ、安全地帯じゃないんですか?!えぇ?!」


 読んでくれたサシャさんが憤慨している。まぁ、わからなくもない。


「まぁまぁまぁ、まぁまぁまぁ。こんな何もないとこが安全地帯だったとして、サシャさんはそれで満足できるのかな?」

「⋯⋯は?!確かに。シャワーどころか、食べ物もなさそう⋯」

「そうでしょう?そのうちででくるって」

「⋯⋯でも、休みたいですー」

「それはそうだね」


 休みたい。それは騎士団の皆さんも同じだったようだ。そんな空気を読んだのか、ボブカットさんが提案する。


「安全かはわからないが、ここで少し休憩していこうと思うんだが?」


「賛成です!!」

「さすボブ!」

「あんたが団長!」

「やっとかよ⋯」


 お疲れだった騎士の皆さんとサシャさんが口々に喜ぶ声をだしている。


 王都によく似た町に入ってからここまで、ほぼ休みなく来ている。こちらとしてもその提案はありがたい。台座を背にして腰を下ろした。


「⋯⋯さてさてさーて、とりあえずエナドリでも飲もうかな」

「それはこっちのではなく、ニホンのですねっ?!」

「そうだけど⋯」

「くださいっ!!」


 いいよという暇もなく、奪われてしまった。せっかく冷やしておいたのに⋯。仕方がない。お茶でも飲んでおこう。


「その言い方だと、こっちにもエナドリってあるの?」

「これです!あげますよ!」


 サシャさんは持っていたエナドリを近藤さんに押し付け、近藤さんの手からスポーツドリンクを奪った。


「え?あ?俺の⋯⋯⋯じゃあ、飲んでみるか」


 木でできた水筒みたいなものの蓋をあけ、ゴクゴクと喉を鳴らして飲んでいく。


 おぉ、よく一気に飲めるなぁ⋯。


「⋯どう?飲んだことないんだよね」

「⋯⋯⋯⋯炭酸が抜けた、すっごく薄いエナドリみたいな味がする。あとぬるい」

「⋯⋯そう。ちなみに体力とか回復するらしいんだけど?」

「え?⋯⋯⋯だとしたら即効性はないのかな?実感ないけど。飲んでみる?」

「⋯やめておく」


 ⋯⋯うん。そんなの飲みたくねぇ。


 ただ、騎士の皆さんも同じような入れ物で飲んでいるところを見るに、これが普通なんだろう。


「⋯って、こっちのエナドリは回復薬的な⋯⋯?」


 近藤さんの呟きには反応しないでおく。自分でいろいろ正解を掴み取っていってほしい。なんのかは知らんけど。


「さっきのドラゴン、なんだったんでしょうね?」

「さぁ?倒さなくても進めたから良かったけど⋯」


 地図にあったびっくりマークはドラゴンだったと。⋯⋯⋯え、もしかして単なる注意喚起だったとか?!⋯だとしたら、自分から危険なとこに突っ込んでいった形に⋯⋯?


「⋯⋯⋯⋯知らん知らん」

「なんか言いました?」

「なんも」


 他にマークはなかったんだから仕方ないよね。うん。さてさて、またなんかあるかなぁ?


 誰に言うまでもなく、自分で自分を正当化してまたスマホのマップアプリを起動する。それを見てかボブカットさんが声をかけてきた。


「お、その板で地図が見れるんだったか?」

「そうですよ」

「それもあってここまでこれている。すごいものだな」

「こっちの人が欲しい能力ですよね。なんで俺にこんなのが⋯」

「神のみぞ知るってやつだな。⋯で、どうだ?この先は何かありそうか?」


 現在地から地図を拡大縮小してみるが⋯


「しばらくは何もなさそうですね。⋯⋯って、この先はすごく長い一本道みたいです。どこまであるかわかんないですね」

「迷う心配がないのはいいが、ただ真っすぐ行くだけというのも疲れそうだな⋯」

「先がわからないですからね」


 終わりがわかれば気持ち的にも楽になる。でも、いくら地図を動かしても一本道が続くばかりで何も表示されていない。


「真っすぐ⋯。じゃあ、突進を使えばいいですね!」

「え、この人数で?」


 全員で突進で進む姿を想像すると、子供の頃にそういう遊びをしたような⋯。そう思うとなんとなく恥ずかしい気がする。


「え、なにか?」

「い、いや。人が多いとうまくいくかなって」

「試せばいいんですよ!」

「⋯そうだね」


 全くもってその通りである。うまくいけば早く進めるし、皆の体力が温存できる。あとは自分の羞恥心の問題だけ。


 小一時間程度休み、そろそろ再出発する。


「はい、皆さん。このようにくっついてください」


 サシャさんの肩をミラさんが、ミラさんの肩を近藤さんが、近藤さんの肩をダヌさんが掴んでいる。ダヌさんが少し残念そうな顔をしている。


 そんなダヌさんの後ろに騎士団の皆さんが同じようにしてくっついていく。


「⋯⋯ムカデ競争⋯?」


 近藤さんの呟きに、あ、それだと思ったけど口にはださないでおく。


「さてと⋯」


『防御力上昇』


「ミラさん、盾貸してくれない?」

「ぐぬぅ⋯」

「ちゃんと返すから」

「⋯⋯くっ!」


 ミラさんに渋々貸してもらった盾を構えて⋯


「さて、皆さんくっついてますか?!離さないでくださいよ?!」


『突進』


「う、うぉ?!」

「わ、わ、わ」

「おぉ、これはいいな⋯」


「あ、ちゃんと進んだ⋯」

「さ、この調子で進みますよ!ユウジさん、どうぞ!」


 ドヤ顔に促されるのは癪だけど。


『突進』『突進』『突進』『突進』⋯⋯


 何もない一本道、魔物が出てくるかと思いきや全く出てこない。⋯出たところで、さっきのドラゴンより怖いものなんかないけども。


 ひたすらに突進を繰り返して進んでいく。


「ちょっと恥ずかしいって思ったけど、これはいいね!」


 近藤さんの意見に同意する。この人数でも問題ないなら、さっさと進んでしまったほうがいい。


「あー、このまま最後まで行ければいいなぁ」


 ⋯なんて思ったせいだろうか。


 突然、目の前の一帯が暗闇に覆われ始めた。突進の最中だから止まれるわけもなく暗闇に突っ込んでいく。


「わわ?!」

「うぉっ?!」

「キャーキャー!?」

「私の盾!?」


 突っ込んだ先は⋯⋯⋯⋯⋯会社だった。


「え、えーーー?!!」


 近藤さんがうるさい。いや、わかるけど!!


「佐藤さん!?ここ会社じゃん?!」

「うん。でも、どうせ本物じゃないよ」

「ってことは安全地帯?!」

「どうだかね」


 普段よく見る自分の部署であり、おそらく近藤さんの部署などもあるだろう。


 この光景にボブカットさん、テクノさんは落ち着いてるけど、他の騎士団の皆さんは驚いている。


「ここはなんだ?」

「あの薄いのは、まさかガラスか?!」

「騎士団の建物より、立派なんじゃ⋯」


 サシャさん達が社内を覗いてた窓もあり、そこから見える外の景色も再現されている。


「え、本当に会社じゃないの?!」

「違うと思うよ。スマホ見てみたら?」

「あ⋯⋯⋯使えないね。え、だとしたらなにこの再現度⋯」

「ね、どうなってんだろね⋯」


 そこで突然、部署内にある全てのパソコンが急に起動し始めた。もちろん何もしていない。


「え、なになに⋯」

「パソコンまで動くんだ⋯」


 普通のパソコンと同じように起動するまで時間はかかるようだ。身構えて少し待っていたら、全てのパソコンの画面に同じ文字が表示された。


『今度はサウルスだ!!』


 ⋯⋯⋯は?サウルス?⋯⋯え?え?


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