50 なんだかんだ
「報告します!!」
慌てているようで、騎士が勢いよく扉をあけた。どうしたんだろうか?
「うん?何の報告だ?」
「魔物の洞窟の件です!」
「あー⋯また増えたのか?」
「この間増えたと報告のあった辺境の二つのうち、一つがなくなったようです!」
「なに!?」
魔物の洞窟をなくす事は可能。ただ、とてつもない時間がかかるし、それなりの人員も必要だ。国中に魔物の洞窟があり、ゆっくりとはだが確実に数が増えている以上、現実的には外に出てきた魔物を対処するので手一杯だ。それもそのうち対処しきれなくなり、人間が生活できる範囲が減ってしまうかもしれない。
そんな状況だというのに⋯なくなっただと?
「その報告は正確なのか?」
「教会からの連絡であり、信憑性は高いと思われます。ただ、確認の為、人員を派遣したほうが良いと考えます!」
「⋯そうだな」
誰かが攻略したのか?
そんな事ができる人物⋯もしくは集団なんて考えられない。⋯村人が総出で?いやいや、そんなことはできないだろう。
自然になくなったのか?
そんな事があるとは聞いた事がない。⋯もしや、知らないだけで今までもあったんだろうか。場所や規模によっては⋯。
そもそも魔物の洞窟ではなかったのか?
いや、騎士団の人間がある程度中まで入って確認しているはず。⋯それが誤った判断だったのか?
⋯どうなっているのか。正確な情報を探らねば。もし、本当になくせるなら⋯。
「最初にその洞窟を確認した人間を含め、何名か確認に向かわせろ」
「はっ!早急に手配いたします!」
入って来た時と同様に慌てて出ていった。
「辺境で一体なにが起きているんだ⋯」
ーーーーー
『床がっ !!??』
『キャアッ!!??』
『ヒィーハァッ???!』
『うおおおおっ??!!』
『『『『やばい!落ちるーっ!!!!』』』』
⋯⋯あー、ごめん。最後にそんな目に合う必要はなかったよね。ごめん。見ていた私も思わず、落ちる?!なんて思ったけど、そういう風に設定したのも私だね。本当にごめんなさい。そう思っていても伝える気はないけども。思うのは自由だよね。
「クリアしたって事は、サシャの世界の人には難しくても、ユウジの世界の人には簡単なのかな?」
⋯いや、違うか?
地図があるかないか。
そこかもしれない。地図がなければ、ユウジ達もこんなに早くクリアは出来なかっただろう。
今後のダンジョンには、大雑把なものでもいいから案内図でも用意しておこうか。そうでないと、クリアされずに増える一方だ。人間にとって、ダンジョンというある程度の脅威があれば国と国の戦争を抑制できるかなって思ってたけど、このままだと国そのものがなくなりそうだ。それにダンジョンの数が一定になった時、なんかが出るような設定をした気もする。
「⋯⋯⋯なんだったかな?魔王的な?大氾濫?大災害?⋯⋯⋯なんだったかな?思い出せないなぁ」
⋯自分のことだけど、サシャとは違った困ったキャラになりそうだと思っている。神なのに。
『⋯キタキタキタキターッ!!ビバッ!異世界っ!!ありがとーーっ!!』
「あれ、サシャ?⋯ではないね。声が違うもの。え、またこんな人なの?」
ユウジの同僚か⋯。徐々に異世界交流が広がっていくね。それはありがたい。でも、あの世界の人の能力設定はどうしたものかなぁ。元々想定していなかったから困ったなぁ。とりあえず???にしちゃったけど、ずっとそのままってわけにはいかないよねぇ。位階があがらないと交流できる時間が少ないもんね。
『はいっ!うっひょおーー!!!』
⋯ユウジが何ともいえない表情をしている。
いや、やっぱりもう少し様子を見ようかな⋯。接点少ないもんね。
なんかユウジ⋯ごめん⋯頑張って⋯。




