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職業訓練学校の新設と聖女現る!

今回は国からのもう一つの願いである技術学校のお話。

 アルメリア王国で始まった新たな試み。学校建設は一斉に始まっているのだが、もう1つ国からお願い事があった。そう技術を教える学校だ。


「蓮見君。講師は誰が行うのだね?」


「それなんですが、私は勿論、来栖と草薙は確定です。後は王都から来ている人間等も、ピックアップしてますよ」


「そうか。しかし建屋は何処に建設するんだ?」


「今建設中の学校の並びに土地を買収するそうです」


「成程な。国から予算も出るのであろうな」


「ええ。住人もきちんとお金が入るので、特に立ち退きを渋る事も無いようです」


 今回の技術を教える学校は、専門教育の機関としても期待されている。名称も『アルメリア職業訓練専門学校』という事で決定。実際、加工や建設、その他社会に出て役立つ内容が計画されているんだ。講師となる人材の育成も含めて信頼雑貨に一任されている。


「そう言えば、うちの新入社員達の様子はどうだ?」


「うちに入って来た、レビンとサダムは真剣に取り組んでますよ」


「そうかマナ-講習も行っているし、そろそろ研修も終わりだな」


「ですね。他の部門からも真面目にやっていると聞いていますよ」


 今回、入って来た8名の新人は研修も真面目に出席し、しっかりと知識を吸収できそうだ。貴族教育を受けて来たので、心配する声もあったんだが。



◇◇◇



 所変わってこちらは食堂。ちょうど研修を終えた新入社員達も昼食の時間だ。


「ああ、お腹が減ったよ。皆は何を食べるんだい?」


「あら? レビン。何か雰囲気が変わったわね」


「セシルさんこそ、少し明るくなられましたね」


「レビン、その喋り方は辞めなさい。私達は歳も同じだし、ここは身分など関係ないのよ?」


「わかっていても癖で。分かりました! 気を付けます!」


「ほら、また言ってる」


 レビンが丁寧に喋るには訳があった。同じ学院に通っていたが、公爵の娘と子爵の息子では身分差があった為だ。信頼雑貨では出自での差別はしない。同時期に入った新入社員として教育している。


「レビンは何も変わってないですわ。私なんてシスタ-もお友達ですのよ!」


「フランソワ。君は特別だよ。僕は緊張しちゃって」


「あら? ロイドは昔から奥手ですわ。もっとお喋りした方が宜しくってよ」


 喋っている姿を見て、静香と速水は笑っていた。最初見た時はどうなる事かと思っていたが、どうやら心配は無い様だ。その時、速水の腕を引っ張る者がいた。


「ちょっと速水様。早く座りましょうよ♪」


「セ、セラフィア様⁈ わ、わかってますって!」


「あら速水様? セラフィアって呼んで下さいな♪ 皆と立場は一緒ですのよ?」


「そ、そうだなセラフィア......。座ろうか」


 ああ、やりにくい。新入社員と言っても一国の王女様だしなぁ。彼女はフランソワと共に営業部に入って来た。俺が帰って今回の話を聞き、どうも気に入られたようなんだが。隣の中村さんの目が怖いよぉ-。そんな時、騒がしく入って来たマリアさんとトミ-神父に助けられた。


「じゃじゃじゃじゃーん♪ お・ひ・る♪ お・ひ・る♪」


「にんにんにん♪ 風の様に参上でござる♪」


 もう突っ込むのは止そう。きっとまた田村が余計な事を教えたんだろう。


「ちょっと待ってぇな。2人ともそないに走らんでも」


「田村、二人と何かしてたのか?」


「速水か。今日は1号店で物売りしてたんや。それでたまには食堂でお昼っちゅう話になってな」


 それで走って来たんだな。フランソワや他の新人とも仲良くしてる様だ。こんな風に賑やかなお昼を楽しんでいる時、息を切らせて男爵の遣いの方がやって来たんだ。



「し、失礼します! こちらに速水殿は居られませんか!!」


「は、はい! 速水は私です!」


「よ、良かった! 申し訳ありませんが、直ぐに私と共に男爵邸までお越しください!」


「え? すぐにですか? わかりました!」


 俺は驚いたが、遣い方の勢いに負けて返事をしてしまった。何だろうな?



◇◇◇


 


 男爵の御屋敷までは馬車で移動した。まぁ歩くよりは早いけど、何事なんだろうか? そう思っていたが屋敷に到着すると、理解した。この行列と雰囲気は......。


「は、速水君! す、すまないが直ぐに応接室へ!」


 男爵自らお出迎えされ、応接室へ走った。もう誰か想像はついてるんだけどさ。


「あら速水様♪ お早いご到着ですね♪」


「ア、アナマリア様! 本日もお美しゅうございます!」


 平静を装うつもりが、何を口走っているんだ俺は! 口に出してから失敗したことに気が付いた。


「うふふ。速水様に言われると恥ずかしいですわ♪」


「す、すみません! ちょっと気が動転してしまい」 


 チラッと周りを見ると、司教と思われる方ともう1人の男性の目が痛い。男爵夫人は笑いを堪えているし、男爵は直立不動だ。


「こちらにお座りになって下さいな。今日はお話に来ましたの」


「はい! 失礼します!」


 突然やって来たファリス教のトップ、『聖女アナマリア』。彼女の目的は何なのだろう?


 この後の話に速水は驚かされる事になる。そしてこの事は、国中のファリス教徒と民衆に語り継がれる事となるのだ。

想像通りやって来ましたアナマリア様。彼女の目的はいったい何なのだろう?

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