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新しいアルメリア王国に向けて

国の会議に出席させられる速水。さてどうなりますか......。

 応接室で待ちぼうけの間、出されたお菓子やなんかを摘まんでいた。どうしてこうなる? 王国会議に出席とか大丈夫なんだろうか? なんて興味半分、恐怖半分で待ってたんだが、その時間も終わりを告げる。


「皆さまが集まられましたので、こちらへお越しください」


 女性の案内で会議室へ案内された。扉を開けると大きな机を囲む様に皆が座っている。上座には国王の姿も見えた。


「速水君! こっちへ来たまえ!」


 サダラ-ク公爵が声を掛けてくれたので、空いていた隣の席に着席した。


「ではこれより緊急の会議を始める!」


 スチュワ-ト宰相が始まりを告げる。次に発言したのは国王だ。


「皆、突然の招集に答えてくれてありがとう。今日はこの国の行く末に関わる問題だ」


「国王、では私から説明致しましょう」


「スチュアート、頼む」


「本日、貴公らに集まって貰ったのは、先ず教育機関を新設する事に決まった報告だ」


「宰相殿! それが何か問題なのですか? 学校など既にあるではありませんか!」


「エルモンド卿、今度新設するのは、庶民の為の学校だ」


「庶民の? 何故なのでしょう? 彼らに教育など必要ですか?」


「うむ。そう言う意見が出る事は分かっておる。だがなその考え方ではこの国に発展はない」


「発展が無い? ですが今の所、何の問題も聞いておりませんが」


「そう、何も無いのだ。彼らは自身の考えも持たない。いや持てないと言った方が良いな」


「それの何処が問題なのでしょう。我らに守られ決まった税を治めれば平穏があるではありませんか?」


「本当にそうか? エルモンド卿は直に住民の声を聞いたのか?」


「そ、それは......」


 俺は黙って聞いていた。やはり選民意識の高い貴族はそう考えるだろう。自分が良ければ良いのだから。だがその考えでは新たな物も生まれず、発展も見込めない。発言はしたいが、この場では無理だろうな。


「少し宜しいでしょうか? その件について私は、ここに居る速水君に興味深い話を聞きました」


「サダラ-ク卿、それはどの様な話なのだね?」


 そこでサダラ-ク公爵が、俺から聞いた一揆の話や革命の話、そして教育が及ぼすこの国への影響などを話して行った。聞きながら苦い顔をする貴族も居たが、興味深く聞く貴族も居る。その様子を見て、案外新しい意見を取り入れようとする貴族も居るんじゃないか? と思った。


「興味深い話をありがとう。今の話を聞いて確信に変わった。教育改革はするべきだ!」


「うむ。細かい部分の話も聞いてみたい。速水とやら少し話を聞かせてくれないか?」


 国王がおもむろに俺に対し話しかけて来た。断る訳には行かず、俺は知っている範囲で話をした。


「先程の話にも合った通り、教育により発展を促す事は間違いありません。何故なら貴族教育では考えつかない可能性が生まれるからです。その発想が新たなシステム、新たな発見を生みだすかもしれません」


「そうだな。ここ数年、我が国の財政も横ばいだ。飢饉となると重税すれば良いと言う考え方で、何名死んだ? 現状、貴公らの所有する領地については、全てを任せて来た。だが街が大きくなった等と言った話は一度も出ておらん」


「国王様の仰る通り、定例の報告でもそう言った話はありませんでした。しかし近頃、ある街が頻繁に出て来るようになった。皆も知っているだろう? グランベルク近辺の事は」


「ええ。私も実際に見に行き、街の発展ぶりに驚かされました」


 こう発言したのは、ハ-モニック公爵だ。下水工事の時街に来てたしね。


「彼らの持つ技術と知識は、高い教育から生まれたものと聞いた。そして彼らは貴族でも何でもない」


 それを聞いていた一部の貴族が唸る。反論しようにも、何をどう言えば良いか分からない様子だった。


「では採決を取る! この議題に反対の者は居られるか?」


 結局、教育機関の設立に対し反対する者は居なかった。まぁ多少反対されても、宰相と国王は強行しただろう。そしてこの話には続きがある。


「では引き続きこの教育機関についてなのだが、建物は国で各街に建設。そして教師となるのはファリス教の神父とシスタ-だ。既に全面的に協力を得られることになっている!」


 この宰相の発言に会議場がどよめく。ファリス教の存在の大きさがここでもわかるな。


「一体どのような方法でファリス教を動かしたのでしょうか? にわかには信じられません!」


「ゼットバ-グ卿、動かしたのはそこに居る者だ。なぁ、速水君」


「え、ええ。直接、アナマリア様にお会いしまして了承を得ました」


 更にどよめきが起こった。どれだけビックリされるんだよ? そんなに凄い事か?


「静粛に! この後、彼を伴ってファリス教総本部へ同行する予定だ」


 宰相のこの発言により、ざわついた会議場は静かになった。ちょっとそれも聞いてないんですが? そしてこの議題の他に、例のカレンダ-についても話し合われた。この案には集まった貴族が多いに賛成した。国王も関心した様子で、出来るだけ早く施行できるように定めるという事になった。この会議から2ヶ月後に新たな年表が告示されるのだが、その話はまた後日。


 やっと会議は終わったが、まだ帰して貰えそうにない。何度でも言う、どうしてこうなった!! 

会議は無事に終わったが、まだ帰れない。次話はアナマリア再登場!

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