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王都へ向かう速水と国からのお願い 後編

続きも足早に。

 宰相との話は続く。ファリス教との連携は国としてもしたい。しかしこれまでの関係性から、中々動けない様なんだ。


「国の考え方も変えて行く必要を感じます。宗教に対する考え方は、我々とは違うようですね」


「うむ。それについてはこの国の歴史もあるのでな。速水殿に何か考えがあるのだろうか?」


「一度話をしてみないとわかりませんが、グランベルク教会とは懇意にさせて頂いております。そのおかげで、下水工事の開始時に司祭様も来られたんです」


「それは私も聞いている。司祭様が動くなど、滅多にある事ではない」


「これは聞いていないのでわかりませんが、教会としても我らとの関係を深めたいんじゃないかと」


「そういう考え方もあるか。ならどうする?」


「私が一度教会本部に顔を出してきます。宰相のお考えも伝えてきますよ」


「中々の行動力だな。話の中身次第では、国王にも協力を考えてもらおう」


「そうして頂けると助かります。実際、孤児院ではシスタ-が教えていますし、教会主導なら貴族も何も言えないんじゃ無いかと思いますよ」


 事実として教育に関しては教会主導の方が良い。学校開設は簡単な物じゃないし、社員が多方面へバラバラになるのはちょっとね。技術を教える学校なら考えなくも無いんだけど。


「わかった。市民の教育に関してはその方向で頼む。後は技術者と研究に関してなんだが」


「そちらはグランベルクの街に、派遣してもらえるなら可能だと思います。実際、職人たちは集まって来ていますし」


「そうか。その件も含め調整が必要だな。改めて時間が取れれば良いのだが......」


「では私も一度会社と相談します。決定権を持つ人間とお話頂く方が良いかと」


「そうだな。今日は時間を取ってすまなかった。教会の件よろしく頼む」


 2時間程、城で話をしたよ。宰相が国の行く末を考えている事は分かった。俺は城を出た後、適当に食事を取り教会本部へ向かった。教会本部は城からすぐ近くなんだよ。




◇◇◇



 アルメリア王国ファリス教総本部~


「失礼します。私、信頼雑貨株式会社の速水 慎一と申します」


「信頼雑貨......『幸運の君(ラッキ-ロ-ド)』⁈」


 本部受付で教会の方に声を掛けたのだが、反応がおかしいよ? そんなに有名なの? 暫く待たされた後、応接室と思われる部屋へ案内された。


「お待たせしました。私、アルジェンテ・アナマリアと申します」


 部屋に来られたのは、見るからに高そうな衣装を着た女性。まるでモデルの様に美しい方だった。暫く固まってしまった俺だったが、何とか初期に戻った。


「し、失礼しました。私、信頼雑貨株式会社の速水 慎一と申します」


「そう緊張なさらないでください。私も『幸運の君(ラッキーロ-ド)』とお会いできて光栄です」


「そ、そんな。私共は普通の人間です」


「ファリス教では貴方達を神聖な存在と考えております。ファリス様の遣わせた者として」


 ファリス教の人間にその様に思われていたとは、全く知らなかった。言われてみるとファリス様と言われる女神が存在するなら、今の現状に納得する部分もあるのだが。


「神聖な存在ですか......正直に申し上げて、そのような実感はありません」


「ふふふ。正直な方なのですね。ですが実際にこの世界の方ではありませんもの」


「あはは。そうですね。この世界の方から見ると、異質な存在になりますよね」


「お話がそれました。今日はどう言った事なのでしょうか?」


「すみません。今日伺ったのは、この国が抱える問題に協力して頂けないかと......」


 ここで本題である学校の話をした。この国が抱える問題なので、協力して欲しいと。終始笑顔で話を聞いていたアナマリアさんは話を聞き終わった後、静かに話だした。


「お話は分かりました。それではご協力させて頂きます」


「え? 即答何ですか? 教会でお話合いとか大丈夫なのでしょうか?」


「あっ、申し上げておりませんでしたね。私がファリス教の代表者でございますのよ」


 えええええ!!! 俺はビックリしすぎて開いた口が閉まらなかった。まさかの超大物だったよ。


「失礼しました! まさか代表の方とは知らずに」


「ビックリさせてしまいましたね。貴方達とお会いするなら、私でないといけませんから」


 それから学校の話は進んだ。建物は国に建設してもらい、教師はシスタ-と神父が。この時ファリス教の教えも布教する事は、条件として言われた。国の宗教なので問題は無いだろう。こうして驚く出会いもありながら上手く話は付いた。教会本部を後にする時、「またお会いしましょう」と言われドキドキしたことは内緒だ! 



◇◇◇



 教会を出た後、本来の目的である流通管理組合の王都支部に向かった。色々ありすぎて頭が混乱だよ。


「お疲れ様です! 本部の速水 慎一です」


「あら、かなり時間が掛かりましたね」


 王都支部を運営するのは、スミスさんと言う女性と他に5名いる。王都だし建物も大きいんだ。


「それがですね。城から始まり......」


 俺は王都へ着いてからの経緯を皆に話したんだが、皆一様にビックリだったようだ。


「宰相様に聖女アナマリア様ですか?! それは凄すぎです!」


「本当だな。それだけの人物と会えるなんて、流石は速水さんだな」


「ええ-? 宰相様は分かるけど、アナマリアさんって聖女?」


「アナマリア様は、ファリス教で最も有名で人気にある方ですよ? まさか知らなかったんですか?」


「俺達でさえ知ってますぜ。速水さんって疎いんですか?」


「そ、そうなんだ。全く知りませんでした! なんかすみません!」


 支部の皆から呆れた顔で見られたりしたが、とりあえず王都の支部への挨拶は済ませた。まさかそれ程の人物と会うなんて想定は、全くしていなかったんだが。


 今日は王都で1泊して、明日、公爵様の館へ訪問してから帰る予定だ。これ以上は何も起きないでぇ-




聖女登場! まさかの大物連発でございました。もう何もないはず......。


次話では新入社員ちゃんと出します(土下座)

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