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これからの信頼雑貨が進む道

今後の会社の方針とは?

 フランソワ、レビン、ロイドの3人を信頼雑貨に迎え入れた訳。これについては、サヨコさんの日記が関係する。『この世界が求める物を成した時』、という一文を俺達なりに解釈したんだ。今後がどの様な方向へ進むにしろ、他の街に拠点を出す必要がある。それならこの国の人間を育てたいと考えたんだ。


「大塚君。それで他の貴族から連絡はあったのかね」


「専務。今日までに5名の受け入れを打診されています」


「そうか。その5名もこの国を担う存在になって貰うしかあるまい」


「そうですか。ではその様に親書を出しておきます」


 3名を受け入れてから1週間、他の貴族から同じような打診は来ている。事前に連絡があったのは、こちらとしても準備が出来るので歓迎だ。現在猛スピ-ドで、宿舎の建築も進んでいる。



◇◇◇



 その頃、会議室では3名と何故かマリアさん、トミ-神父が新人講習を受けていた。


「はい。今日のマナ-講習はここまでにします」

 

 講師は経理部の花崎さんだ。ビジネスマナ-を学ぶなら、彼女が一番適任だ。


「それにしても、フランソワはきちんと教育されているわね」


「母がとても厳しかったのですわ。マナ-は淑女のたしなみだと言われましたの」


「そうね。商売を行う上でもマナ-は大切よ。それに比べて男子は......」


「すみません! 僕は人が苦手でして」 「俺も堅苦しいのはちょっと」


「良い? どんな相手にもマナ-は必要よ! 出来ないは許されないわ」


「「はい! もう一度復習しておきます!」」


「くくく。怒られてるし!」 「ほんとでごじゃる!」


「そこの2人! あんた達は落第!」


 ロイド君は人見知りで、レビン君は雑な性格。フランソワは意外だったが、令嬢として教育されていた。マリアさんとトミ-神父については、お察しだ。


「それじゃあ30分したら、今度は私が商品について教えるからね」


 商品知識に関しては、中村さんが担当する。来た翌日から、午前中は座学が中心。午後からは各配属部署へ実地研修。約2週間、毎日このスケジュ-ルで行われる。俺もこの午前中は暇なら見に来ていた。


「速水君は男子を見てあげてね」


「はい。ビシビシ行くからな!」


「お手柔らかにお願いします」 「早く終わって工場へ行きてぇ-」


「それじゃあ私は戻るわね。また明日もよろしく!」


「花崎さん。お疲れさまでした!」


「やっとかいほ-だ! 自由だ!」 「やっほいでごじゃる!」


「ん? 何か言った? 2人共、明日は今日より厳しいからね!」


「そんなぁ-」 「怒らせたでござる-」


「あはは。千鶴、それぐらいで大丈夫よ」


 花崎さんも半分冗談だ。中村さんもそれが分かっているから、笑うのを堪えていた。俺は2人に商品について講義した後、管理組合へ向かった。



◇◇◇



 アルメリア流通管理組合本部~


「お疲れ様。何か新しい情報ありました?」


「速水さん。お疲れ様です。そうですねぇ、レ-ル工事の進捗具合でしょうか」


 ジュ-ンさんは、思った以上に優秀な女性だ。この管理組合では、男性2名、女性1名を職員として雇った。俺の不在時はジュ-ンさんが全て代行してくれている為、業務については安心している。


「もう王都まで繋がったんだよねぇ。それ以降も進んでる?」


「組合の情報では、王都から2つ向こうの街まで進んでいるようです」


「へぇ、かなりいいぺ-スだな。うちの職人が行ってるし、指示も上手いんだろうな」


 駅になる建物、そしてトロッコが走るレ-ルが着々と出来上がっている様だ。


「あ、草薙さん見かけた? 工事は終わったはずなんだけど」


「午前中にみえましたよ。多分、入れ違いで会社に戻られたんじゃないですか?」


「そうか。工場に顔出してないからさ。ありがとう」


 良かった。草薙さん街に帰りたがってたし、心配してたんだよね。シルバが終わったらフィリップスだなぁ。今度は誰が行くのやら。


「そうだ、ジュ-ンさんにも教えておくけど、うちの商会に貴族の子達が入社したんだ」


「そうなんですか?! 何でまた」


「彼らも色々あってね。キチンと仕事を覚えてもらって、将来的には他の街の支店を任せる予定なんだよ」


「という事は、出身地に支店と言う事ですか?」


「うん。本人には言って無いけど、良い形で里帰り出来ればと考えてる」


 社の方針では各貴族の出身地に支店を出し、それを任せる形を取りたい。理由は2つあって、1つは里帰り。もう1つは、出身地なら家の協力も得やすいからだ。上手く行くかは本人たちの力も関わってくるので、キッチリと指導したい。


「まだハッキリと日時は決まって無いけど、王都の支部に挨拶に行くよ」


「そう言えばまだでしたね。では日程が決まりましたら教えてください」


 俺は王都までトロッコで向かう。1人なら乗るスぺ-スもあるって聞いてるしね。初日は途中の街に泊まって次の日には王都に着く。2日間の日程で着くけど、スピ-ド的にはそれ程早くない。品管と工場部が色々と改良を考えている様なので、今後に期待だな。

出来るなら別の形でも親元に帰してあげたい。喜ぶかは分からないが。


次話では速水は王都へ。そしてまた新たに仲間が増えます。

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