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この出会いは今後を左右する?

待っていたのはあのお方

 ゼットバ-グの街に到着した俺達は、子爵の遣いの方に案内され屋敷に向かった。屋敷に到着すると、明らかに身分の高い者が乗る馬車があった。そしてその馬車の持ち主を速水たちは知っていた。


「ようやく到着したか! 待ちわびたよ」


 そう言って爽やかに登場するサダラ-ク公爵。そしてその隣には公爵と仲良さそうな男性もいた。


「公爵様お久しぶりです。お元気そうですね」


「速水君か。会えて嬉しいよ」「ジョルジュ! 私の紹介もしてくれよ?」


「ああそうか! 隣にいるのは、リアン・ハ-モニック公爵だ」


 それを聞いた俺達は、本当に焦った。まさか公爵様が2人も居るとは思わなかったからな。慌てて皆で挨拶を済ませた。


「君達の事はジョルジュから聞いているよ。是非とも色々話を聞きたくてここまで来てしまったんだよ」


 ハ-モニック公爵は聞いていたイメ-ジとは違い、とても優しそうだった。サダラ-ク公爵との関係も見るからに仲の良い友人で、とても敵対しているようには見えない。ゼットバ-グ子爵とライアン男爵も少し困惑している様だ。俺達の疑問はこの後の食事の際に、解消されたんだが......。




◇◇◇



 皆で食事を摂った後、応接室に改めて集まった。


「疲れているところすまないね。ジョルジュは言い出したらきかないから」


「リアンには言われたくないよ。君の方が話を聞きたいんだろ?」


「お二人とも仲が宜しいのですな」


 沢田専務が良いタイミングで聞いてくれた。


「ああそうか。君達は私とリアンが、仲悪いと思ってたんだね?」


 サダラ-ク公爵から王都での会合の話を聞いた。国王様が俺達を保護すると言い出した経緯、ハーモニック公爵との関係性を楽しそうに説明してくれた。二人とも血筋は現国王に連なる家系であり、その為に昔から家同士が仲悪い事。そのせいで敵対関係になってしまっていた事なども聞いたんだ。


「まぁ私達二人は、学校も同じで幼い頃から遊んだ仲なんだ」


「ジョルジュは昔からこんな感じだが、俺はどうも親に逆らえなくてな」


 ハ-モニック公爵は自虐気味にそう話した。今は昔の様な関係に戻ろうとしている様だ。いがみ合っていた派閥も徐々に交流して行っているらしい。


「そうそう。君達の作っている時計は素晴らしいよ。正確に時間が分かると効率的な仕事が出来る」


「故障などは有りませんか? 今は更に正確な時計も開発中です」


「蓮見君だったね。今送ってくれている水時計も重り時計も、しっかり動いているよ。あれ以上の物と言うと、最初に貰ったあの時計の様な物かい?」


「電池時計に近い物は、作れそうなんですよ」


 ハ-モニック公爵も時計に対して興味があった様で、蓮見さんに色々と質問をしていた。


「それにしても、あの馬車は何なんだい? 色々と気になる物がいっぱい付いてるんだけど?」


 ここからは馬車に対しての質問ラッシュだ。ガラスの有用性とゴム製品について説明をすると、資金を集めるから馬車以外の物も作って欲しいとお願いされた。公爵様のお願いなので、最優先で作る事になるだろう。因みにハ-モニック公爵からも馬車製作の依頼を頂いている。名刺は既に手元に届いていた様で安心した。


「下水道工事の方も順調な様だね。グランベルクが終わったら順に請け負うのかい?」


「はい。ただ私達が全ての街に出向くのは無理なので、職人を育てながら進めています」


「それはそうだよね。しかし惜しみなく技術を教えているけど良いのかい?」


「私達だけで出来る事は、限られてます。欲をかいて良い事などありませんよ」


 技術的な事は、隠さない方針。製品は売るけど、技術は伝えて行くべきなんだ。そうじゃないとこの国が発展しないからね。


「サダラーク卿とハ-モニック卿にお願いがございます。実は......」


 ここで公爵二人に、化石燃料を探している事を告げた。燃料問題を解決出来ないとこれからを考えると辛い。


「ふむ。燃える水か。聞いた事がある様な気がするんだが......」


「ジョルジュもか? 私も何か聞いたような気がするんだよなぁ」


 二人とも何か知っているのだろうか? 暫く沈黙があった後、ハ-モニック公爵が声を上げた。


「ああそうか! 俺が聞いたのは燃える土だ!」


「リアン! そうそう! 燃える土だ!」


 それを聞いた蓮見は、二人に声を掛けた。


「お二人とも、それは何処の話ですか?」


 二人から聞いたのは、ルヴァン山脈で噂されている燃える土の話。蓮見さんは何やら納得した顔でその話を聞いた後、俺達に説明してくれた。


「話を聞く限りその燃える土の正体は、天然のアスファルトだ。可能性的にかなり高い」


「アスファルトって天然にあるんでっか?」


「ああ。現在日本で使われている物とは違うが、アスファルトとして使用はできる」


 この話はすぐにパルマ達行商人にも伝え、手配する方向で話を進めた。必ずしもアスファルトが有用であるとは限らないが、道路以外にも使い道のある素材である。思わぬ情報を得る事が出来たのは、公爵達との関係があってこそだ。


 この話の後も、夜が更けるまで色々な内容を語り合った。ワクワクした顔で話を聞く公爵2人。この出会いが今後にもたらす物は......。

思わぬ情報をゲット。アスファルトは天然に存在するんですね。次話は公爵達との話も終わり、次の街へ移動します。

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