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雑文ラノベ「王立魔法学校高等部の優等生」  作者: ぽっち先生/監修俺
出会い編
8/52

魔法は誰でも使えます

ナンキン・ジャンパーの襲撃後は、ジャックが警戒範囲を広げた為魔物の奇襲はなかった。逃げ出さない魔物はロベルトとジャックが簡単に仕留める。しかし、慎重になったロベルトたちの歩みは遅くなった。結局何も無ければ4時間と言っていた帰路を、僕らは倍近い時間を掛けて外に出た。その間僕は役割が無かったので魔法について考えていた。


基本魔法とは魔力を媒体とした事象の具現化だ。だから何か新しい魔法を産み出す時は想像力が必要になる。しかし、こんな魔法があったらいいなと思いついても、それをどのようにして具現化するか考えられなくては魔法は発動しない。また、当然ながら媒体となる魔力がなくても同様だ。


でも魔力って基本そこら辺に普通にあったりする。ただ、その濃度が場所によって偏っているのだ。100の魔力が必要な魔法は、当然100の魔力がなくては発動しない。そして100の魔力って結構レアなのである。魔力はこの世界に満遍なくあるらしいけど、それでもその濃度は平均すると大抵10程度らしい。


因みにこの10とか100という値は適当だ。単に判り易く数値で表しただけである。自然界にある魔力量を測定するのは難しいらしい。量自体を測るのも大変らしいが、ある場所で測った魔力量が常にその値を維持する訳でもないからだ。


そう、自然界の魔力濃度とは増減するものなのだ。まぁ、その変化は緩やかなものなので2、3日では変わらないらしい。それでも年間を通して測定すると結構な幅で増減があるのだそうだ。


それでもあまり魔力を必要としない生活魔法などを使う分には不便を感じない程度の魔力は常にある。うんっ、絶対ではないけど、仮に魔力が薄まったとしても1週間もすれば元に戻る事が多いから、人々は気長に周りの魔力濃度が回復するのを待つだけだ。


でも、高濃度の魔法を使う者たちはそんな自然界に漂っている魔力量に頼っていては魔法を発動できない。そこで魔法使いは自身の体内に魔力を溜め込む。これは意識せずに出来てしまう者もいれば、鍛錬して修得する者もいる。どちらにしても大抵の人間は自身の中に魔力を貯められるのだ。


しかし、その貯められる量には個人差がある。残念ながらこの貯められる量に関しては、鍛錬ではどうこうできるものではないらしい。だから幸運にもこの魔力を貯められる量が多い者たちは自然と魔法使いの道へと進むのだ。所謂持って産まれた才能というやつである。


もっともこれにも抜け道があって、体内備蓄魔力容量が少ない者でも高濃度の魔法を発動させることは可能だ。何故なら魔力は別に体内だけに備蓄出来る訳ではないからだ。その魔力を溜め込む入れ物として代表的なのが魔石である。


魔石は基本ダンジョン内から採掘してくる。というか、ダンジョンとは魔力が高濃度に充満している場所の事だからだ。


魔石とはその名の通り魔力を溜め込んだ石の事だ。ぱっと見は色の付いたガラスのようなものである。聞いた話では魔力の強さによって色が違うらしいが僕はよく知らない。魔法中学で見せられた魔石はサンプル用のイミテーションである。それでさえ、魔石の特性によって色は色々変わるから色だけで判断しては駄目だと教えられた。


そして僕が今まで見た本物の魔石は青か赤だけで、どちらも魔力出力に大差はなかった。もっともこれは日常的に使えるように出力調整が施された加工品だからだろう。だから原石とは別なのだ。


そんな原石とはダンジョン内の岩石中に含まれるクリスタルコアというモノを核にして、それに周囲の魔力が吸着されて魔石となるそうだ。魔石となったクリスタルコアは岩石内の圧力差によって低圧側、つまりダンジョン内に広がる空間の方へ長い年月をかけて移動して行き、めでたく壁まで到達した物を僕ら人間が壁から剥がしたり、床から拾ったりして持ち帰る。


その時も、魔石は裸では存在せず卵形の岩石の中に存在する。だから僕たちはそれらをマジカル・エッグと呼ぶ。そしてその中に入っている魔石がどの程度のモノなのかは割ってみないと判らないらしい。だからといって、ダンジョン内でマジカル・エッグを割ってはいけない。何故なら割った途端、エッグ内の魔石がダンジョン内に充満している魔力に反応して大暴走をするからだ。


故にマジカル・エッグは外部の然るべき処置を施した場所で割らなくてはならない。そこら辺が魔石探しの難しいところだ。大きなマジカル・エッグを見つけたからと言って意気揚々と持ち帰ったはよいが、いざ割ってみたらちっこい魔石だったなんて事はざらである。それでも人々は、どこならどれくらいのランクの魔石が取れるかを経験で知っていて、熟練した者たちは高い確率で高濃度の魔石を持ち帰る。


そして持ち帰った魔石はその程度によって加工され色々な用途に使われる。それこそ考え得る全ての事に魔石は使われている。家庭内でも料理の熱源は魔力コンロだし、夜間の照明だって魔力灯だ。お金持ちの家は暖房、冷房も魔力コンディショナーで快適な環境を体現しているし、食べ物を保管する備蓄庫も魔力で低温を維持している。


そんな便利な魔力だが、魔力は所詮エネルギーだ。加工して出力を調整されたアイテムなら簡単に扱えるが、生の魔力を扱うのは難しい。だから魔法学校などという専門の教育機関があるのである。昔は師弟制度で受け継がれていたが、今では魔法学校で魔力の扱いを覚えるのが普通だ。そしてその難易度によって魔法はランク分けされている。


そして先ほど僕が無意識に行なった魔法の並列作動は、魔法高校レベルで修得する技である。まぁ、魔法書と睨めっこしながら独学で修得する事も出来るのだろうけど、ちゃんとした指導者から教えられた方が断然修得に掛かる時間は少なくて済む。だけど教えられたからと言ってみんなが覚えられる物でもないのが魔法の難しいところだ。


結局魔法って誰でも扱えるけど、ある程度以上の魔法は操れる者が限定される。つまり魔法使いとは才能の有る無しが如実にそのレベルに反映される、選ばれた者のみが高みに立てる身も蓋もない職業なのだ。


もっともそんなんのは高位魔法使いだけの悩みであって僕ら1級レベルには関係ない。僕らの仕事は魔石のマジックアイテム化であり、如何にして魔石を日常生活に活用してゆくかを開発する事だ。強度が必要な開発なんて国家レベルの事業だ。普通の平民たる僕には関係ない。


だけど、先ほどの件は僕に不安を覚えさせる。あれ~っ、もしかして僕って才能あるの?もしかして転移魔法の影響で覚醒しちゃった?うまくいけば2級になれたりしちゃう?おおっ、そうなたら僕の人生安泰じゃんっ!独立してバカスカ稼いでお嫁さんも貰えちゃうじゃんか!


ああっ、神さまありがとうございます!これからは真面目に働きます!いや、今までだって真面目に働いていたつもりですけど、倍働きますからっ!どうか、この能力が本物でありますように!


僕は心の中で神さまに祈った。魔法中学では大した成績を残せず不貞腐れていた僕だったけど、僕って実はやれば出来る子だったのかも知れない。ただ、やり方を知らなかっただけなんだ。うんっ、きっとそうだよ!やっほーっ!来たぜ、僕の時代がっ!


「アルベール、外に出たわよ。何ぼーとしてるの?」

僕はローザの声で我に返る。おっと、考えに集中し過ぎて周りを全然警戒していなかったよ。うわっ、6時間も考え事をしながらダンジョンを歩いていたのか。如何にパーティに守られながらとはいえ、僕って随分神経が図太かったんだな。

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