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雑文ラノベ「王立魔法学校高等部の優等生」  作者: ぽっち先生/監修俺
王立魔法学校 魔剣総戦編
36/52

魔剣総戦ってどんな事をするの?

さて、その日の晩はジャックの下宿にパーティのみんなが集まっての作戦会議となった。僕も嫌々ながら出席する。そして軽い食事を取りながらジャックの説明が始まった。

「と言う事で、試合の日時は1週間後の9月21日土曜日の正午だ。場所は西の大規模魔法試験場を学校側から借りた。」

西の大規模魔法試験場・・、げーっ、王立イーストリバー魔法学校で一番広い場所だよ。どんだけ派手にやらかすつもりなんだ?


「かぁーっ、とうとうユリウスが全面戦争を仕掛けてきたかぁ。」

ロベルトがビールの注がれたコップを片手に嬉しそうに答える。だからなんで嬉しそうなんだよ!怪我人が出るかも知れないんだぞ!後、お酒は20歳になってからっていう決まりを知らんの・・、あっ、これは別の国のルールだった。ミクテグラ王国にはそんな規則なかったね。


「いや、伝え聞いたところによるとユリウスは消極的だったらしい。ただメイファンに言われてしぶしぶサインしたんだとさ。」

ほうっ、レオンも結構事情通だね。ローリーみたいな情報屋が知り合いにいるのかな。


「あーっ、メイファンね。ユリウスって彼女には頭が上がらないって噂だもんねぇ。」

レオンの言葉を受けてレイチェルが補足する。因みに彼女が飲んでいるのはレットベリー酒だ。あれは甘酸っぱくて僕も好きです。でも僕は今回はお茶です。酔っ払う訳にはいかないからね。


「いや、それを言ったらユリウスが可哀想だろう。誰だってユリウスの立場になったら同じようなもんだと思うぜ?」

「あはははっ、それもそうね。でもユリウスにはあれくらいの危険物を背負っていた方が丁度いいのよ。メイファンが護衛に付く前の彼ったらそれはもう我侭だったんだから。メイファンのお陰で彼も漸く大人になったんだわ。」

へぇー、そうなの?そう言えば僕ってまだユリウスには面識がないな。いや、別に会いたいとは思わないけどさ。


「そうだよなぁ、まず雇い主の孫を簀巻きにして井戸に放り込む護衛なんて聞いた事がないもんな。」

「あーっ、あれね。あれはユリウスも相当堪えたでしょうね。親に泣きついたら逆に怒られたって噂だし。」

んーっ、僕はみんなの話を横で聞いていてなんだかデジャブ感を感じた。あれぇ~、これってなんだか覚えがあるぞ?僕もよく孤児院でシスター・ミッシェルに吊るされていたなぁ。まぁ、そうなった原因は大抵僕にあるんだけどさ。


「ユリウスの親御さんも注意した時にメイファンから『死の恐怖は子供を大人に脱皮させます』とか言われて、逆に親御さんの甘やかしを嗜められたらしいわ。」

「げーっ、雇い主にそこまで言うのかよ。容赦ないな、メイファンも。」

「まぁ、ユリウスのご両親もちょっと思うところはあったんでしょうね。だから形だけの始末書を書かせただけでお咎めなしにしたんですって。」

「あーっ、内務大臣のじいさんからも怒られたらしいな。ハーウェイ家の恥にならぬようちゃんと躾けろって。」

「ユリウスも、彼は彼で頑張っていたんだけどね。ただ、そのがんばりがすぎて時々爆発しちゃうのよねぇ。良家のお坊ちゃんも大変だわ。」

「はははっ、ロゼッタに家柄の事を言われたらユリウスも立場がないな。」

そうだね、家柄からしたらロゼッタの家ってこの国でベスト4に入るもんな。世が世なら一国のお姫さまだぜ?僕なんか側にも寄れないよ。いや、声を掛けることすら叶わなかっただろうね。


「さて、そうゆう訳なんで試合までの一週間、放課後は訓練を行ないたい。特に狙われるであろうアルベールは集中して逃げる特訓だ。」

はははっ、特訓ってそっちですか・・。まぁ、僕がハイクラス相手にまともにやっても勝てる訳ないからね。


「あのぉ、そもそも『魔剣総戦』って具体的に何をやるんですか?」

僕はジャックが話を切り上げそうになったので慌てて質問する。大体それを聞きたくて今回僕はここに来たんだ。ジャックたちは知っているのかも知れないけど僕は初めてなんだからちゃんと教えて欲しいぜ!


「あーっ、そうか。アルベールは『魔剣総戦』は初めてだったな。1学期に別のグループが1回やっていたから知っていると思っていたよ、すまん。」

あーっ、そうなんだ。結構頻繁に行なわれているんだね。みんな結構暇なの?僕なんか勉強が忙しくて毎日があっぷあっぷなんだけど・・。


「なら、みんなもおさらいと思って聞いてくれ。まず向こう側の参加者は以下の6人だ。」

ユリウス・ハーウェイ  総合魔法学科2年

ローレンツ・モルデラン 魔法学科ハイクラス3年

ラインハルト・ハイド  剣術学科3年

ライアン・ブルンネル  魔法学科ハイクラス2年

ルーカス・ネメシス   魔法学科ハイクラス2年

メイファン・カルティア 一般参加


「ちょっと待ったぁーっ!」

僕はジャックが提示した相手の名を聞いて抗議の声を挙げた。

「なんでメイファンさんの名前が出てくるんですかぁ!彼女、ここの学生じゃないでしょう!」

全く冗談じゃない!ハイクラス相手だって勝てる気がしないのに、メイファンまでいるなんて聞いてないよぉっ!いや、今聞いちゃったか・・。でもジャックはそんな僕の抗議に淡々と答えた。

「うんっ、彼女は一般参加として出場する。これは過去にも例があるから別に大騒ぎする事でもない。」

大騒ぎするわーっ!僕は彼女の機嫌を損ねているんだぞーっ!簀巻きにされて井戸に放り込まれるのは嫌だぁーっ!

そんなジャックの説明に肩を落とす僕にロゼッタが優しく声を掛けてくる。

「アルベール、諦めなさい。大丈夫、死にはしないわ。メイファンだってそこまではしないでしょう。・・多分。」

ロゼッタ・・、全然慰めになってないよ・・。後、最後に多分って言うのは止めて下さい。不安になります。


「さて、こちらの参加者は7人としておいた。みんな異議はないよな?」

そう言ってジャックは学校側へ提出した名簿の控えをみんなの前に出す。ううっ、本当に僕の名前が載っているよ。しかも一番最初だ・・。

アルベール・ドレステン 魔法学科ノーマルクラス1年

ジャック・イエーガー  総合魔法学科2年

ロベルト・ニコラス   剣術学科2年

レオン・ブリッツ    剣術学科2年

レイチェル・ガードナー 魔法学科ノーマルクラス2年

ローザ・グリムス    魔法学科ノーマルクラス2年

ロゼッタ・ストローン  魔法学科ノーマルクラス2年


「ううっ、ジャックさん。なんか人数が向こうより多いんですけど?なんだったら僕は抜けましょうか?」

僕は無理と思いながらも精一杯の抗議を試みる。でもジャックの返事は僕を落胆させた。

「ああっ、気にするな。参加人数に制限はないんだ。それに相手と人数を合わせる規則もない。1人対100人でも試合は成立するんだ。」

げーっ、それってどんな熱血格闘漫画の設定ですか?イジメですか?イジメですね!今、僕イジメられてますよねっ!教育委員会に告発してもいいですよねっ!・・、でも教育委員会ってなんだろう?


「さて、次に競技内容だが、知っての通り魔剣総戦はギブアップ制だ。先に全員がギブアップした方が負けとなる。戦い方も制限がない。ひとりに全員で掛かってもいいし、魔法科と剣術科が一対一で戦ってもいい。ただ、魔法に関しては広域魔法の使用は今回も禁止としておいた。これは過去の試合にに順ずるものだ。あれを使うと試合会場がめちゃくちゃになるからな。剣術側もAランク以上の魔法剣術は禁止だ。熱くなって使ったりするなよ、ロベルト。」

「あーっ、俺は大丈夫だけどラインハルトはどうかなぁ。あいつって普段は冷静だけど、一太刀浴びると血が頭に昇って廻りが見えなくなるタイプだからなぁ。」

ロベルトがなんか怖い事を言ってくる。はははっ、これは詰んだな。僕の人生は終わった・・。ローレンツたちは絶対全員で僕を潰しにくるよ。う~んっ、なんでこんな事になっちゃったんだろう?あっ、僕がローレンツの面子を潰したからか・・。それもなんだかなぁ。


さて、残念ながら『魔剣総戦』って僕の想像していたのと大分違うらしい。頭に風船を載せて、それが割れたら負けなんていうお遊びではなかった。ガチンコの戦闘だよ。軍隊の模擬戦だよ!いや、そもそも模擬戦じゃないよっ!ど本気の戦いじゃないかっ!はいっ!試合が始まったら真っ先にギブアップしていいですかっ!いや、駄目と言われたってギブアップしますっ!なんでこんなところで命を賭けなきゃならないんだよっ!なんか間違っているぞ、魔剣総戦っ!


その後、ジャックは僕の心の叫びを無視してメンバーそれぞれに役割を振り分ける。

「相手の動きはメイファンがどう動くか判らんので、相手の先を取ってこちらから攻めるしかない。なので動きとしては、俺とレイチェルでユリウスを潰す。これによってメイファンもアルベールだけに構っていられないはずだ。ロベルトはラインハルトを押さえろ。ロゼッタとローザはローレンツたちをかく乱。レオンはアルベールを餌にメイファンがこちらに集中できないようにしてくれ。まっ、計画としてはこんなフォーメーションだが、いざ試合が始まったらその場の判断としよう。魔剣総戦の勝利条件は最後までギブアップせずに立っていた者の人数だ。つまり勝てなくても逃げまくっていれば試合的には勝利となる。だからがんばって逃げまくれよ、アルベール。」

くっ、僕はメイファンの餌ですか・・。さっさとギブアップして逃げるつもりだったのにそんな事言われたら出来ないじゃないかっ!ああっ、メイファン!前回の事は謝ります。どうかビンタくらいで許して下さい!何だったらおみ足を舐めてもいいです。犬と蔑まれても構いません!どうか、命だけはお見逃しをっ!


「んーっ、メイファン相手かぁ。10分・・、いや5分持つかなぁ。」

僕の気持ちも知らずに、レオンがなんとも頼りない事を言う。こらこらっ!レオンは仮にも剣術学科の2年ではトップなんだろうっ!もっとがんばらんかいっ!勇者ラディアンの血筋の名が泣くぞっ!

でもロベルトがそんなレオンよりもっとひどい事を言う。

「そうだよな、そもそもメイファンがユリウスの危機に際して援護に向かうとは思えんしな。あーっ、そう考えるとなんかユリウスが可哀想に思えてきた。」

はははっ、メイファン。あなた本当に護衛なんですか?うんっ、会った事はないけど本当はユリウスって可哀想なやつなのかも知れない。

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