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雑文ラノベ「王立魔法学校高等部の優等生」  作者: ぽっち先生/監修俺
出会い編
24/52

夏だ!海だ!女の子の水着だっ!

その後、とうとう飛行船は海岸へ到着した。船長はこの巨体をいとも簡単に砂浜へ着陸させる。うんっ、さすがはプロである。鮮やかなもんだ。でも今の僕はそんな事に興味は無い。だってロゼッタたち女の子が船内で既に水着に着替えているんだもんっ!


ぐはっ!さすがに目の前では着替えてくれなかったけど、思春期の男の子としては、扉一枚隔てた場所で女の子が着替えているというだけでご飯3杯はいけるぜっ!


まぁ、孤児院の男の子たちはゴンドラ内にスペースがないので僕の前で着替えているがお前たちなどどうでもいいんだ。だから恥ずかしそうに着替えるんじゃないっ!孤児院ではみんなで一緒に風呂へ入っているだろうがっ!


ロベルトを見習えっ!すっぽんぽんになって着替えているぞっ!いや、それはそれで少し駄目な気がする・・。ロベルトさん、子供たちの教育に悪いんでもう少し恥じらいってやつを見せて下さい。


さて、そんなお着替えタイムも済み、晴天の砂浜へ子供たちは飛行船のタラップから我先にとダイブする。馬鹿めっ!日に焼けた砂浜は熱いんだよ。ジャックが注意していただろうに。もう忘れたのか、しょうがねぇなぁ。


「あちっ、あちいぞ!ぐわっち、あち、あちち!」

はい、実は先頭を切って飛び降りたのは僕でした。おかげで足の裏を火傷したかも知れない。でも大丈夫っ!大量の水がすぐそこにあるからっ!ほんの20歩も走れば冷やせるからっ!


僕はぴょんぴょん跳ねながら波打ち際へ向かって走り出す。でもここにも罠は待ち受けていた。打ち寄せる波に足を取られ、思いっきり転びました。


「ぐはっ!なんだこの水は!しょっぱいを通り越して塩辛いぞっ!」


うんっ、まぁ海水なんだから当然だね。でも僕も海は初めてでさ。知識としては知っていたんだけど、こんなにしょっぱいとは思わなかったよ。


「大丈夫?アルベールお兄ちゃん。」

孤児院のちびっ子が浮き輪を持ち、且つ、ちゃんとサンダルを履いて僕に声を掛けてくる。くそっ、かっこ悪いところを見せてしまった・・。年長者としての威厳が揺らいでしまう。


「なんのこれしき何でもっ、うわっ!」

僕はどうって事ないと言おうとした途端、また引き波に足をすくわれ盛大にコケた。うんっ、もう駄目かも知れない。僕の威厳は地に落ちた・・。


「アルベールぅ~、そこは離岸流が強いから泳ぐなら向こうの方にしなさいってロゼッタが言っているわよ~。」

砂浜にパラソルを設置しながらレイチェルが僕に声を掛けてきた。でもレイチェル、そうゆうのはもっと早く言ってくれ。後、なんか履く物を下さい。やっぱり砂浜が熱いです。


その後、僕はロベルトたちが張ったテントでくつろいだ。お子ちゃまたちはベゼルとレオンの監視の下波打ち際で大はしゃぎだ。ほらほら、引き波は足をすくわれるから危ないんだぞ。僕が実践して見せただろう?


「ふふふっ、子供たちったら海は初めてなのに夢中ね。小さい子は怖がって泣くかと思ったけど安心したわ。」

僕の隣でシスター・ミッシェルが、波と追いかけっこしながら遊んでいる子供たちを見ながら嬉しそうに話し掛けてくる。


「シスター・ミッシェルは泳がないんですか?」

「んっ、もう少ししたらね。思ったより揺れなかったけどやっぱり緊張していたみたい。」

「あーっ、そうですね。でもシスター・レベッカは大丈夫みたいですね。子供たちに混ざって大喜びで相手をしています。あっ、モルガンを放り投げやがった。荒っぽいなぁ。」

波打ち際ではシスター・レベッカが小さい男の子たちを打ち寄せる波に向かって放り投げて遊んでいる。まぁ、これはスキンシップの一種だ。放られた子たちも大喜びしているよ。


「あの子は若いから。でもちゃんと加減しています。だから大丈夫よ。」

「はははっ、歳に関してはシスター・ミッシェルだって大して変わらないでしょう?」

「んーっ、まぁそうなんだけど・・。」

僕の問い掛けに何やらシスター・ミッシェルは歯切れが悪い。そんな会話を聞いていたロゼッタが僕に注意する。


「アルベール、女性にとって強い日差しは大敵なの!さぁ、シスター・ミッシェル。これをお使いになって下さい。」

そう言うとロゼッタは荷物の中から小瓶を取り出しシスター・ミッシェルへ手渡した。ああっ、日焼け止めね。うんっ、女性は大変だ。でもシスター・ミッシェルが躊躇していたのはその事だけじゃないんだけどね。


「あら、ありがとうございます。でも、なんてゆうか・・、日焼けもそうなんですけど、私は肌を晒すのにちょっと抵抗があるんですよ。」

「そうですか?でも折角海へ来たのですから。あっ、もしかして泳ぐのが得意でないのですか?」

「う~ん・・、そうではないのですが・・。まぁそうですね。隠しても仕方ないですし泳ぎましょうかね。」

そう言うとシスター・ミッシェルは全身を隠していた上着を脱ぐ。でもその肢体を見てロゼッタは絶句した。なんとシスター・ミッシェルの背中に大きな刀傷があったのだ。お腹にも2箇所小さくない刺し傷が見て取れる。腕や太ももにも無数の傷痕があった。


「シスター・ミッシェル・・、その傷って・・。」

ロゼッタは思わず聞いてしまう。


「船内で着替えた時はシスター・スカーレットが隠してくれましたから見えなかったと思いますけど、私の肌はちょっと人様にお見せできるようなものではないのです。」

驚いているロゼッタにシスター・ミッシェルが説明する。うんっ、僕は知っていたけどロゼッタは驚いただろうね。


因みにシスター・スカーレットとはシスター・レベッカの事だ。僕ら孤児院の子供たちはシスターたちをファーストネームで呼ぶけど、シスターたちはお互いをファミリーネームで呼ぶので慣れないとちょっと困惑する。まぁ、慣れればどうと言う事はないんだけど。


さて、シスター・ミッシェルの傷痕は彼女が戦士だった証だ。僕らの国、ミクテグラ王国は過去に4つの王国が合併してひとつになったという経緯がある。まぁ、合併と言えば聞こえは良いが要はチカラによる征服である。そして勝ち残ったのが旧ユーロピア王国で、現王都『イーストリバー』は旧ユーロピア王国の王都である。因みに僕らの住んでいるウエストキャナルは旧チャイニア王国の王都だ。南にあるサウスバレーは旧アラビニア王国の王都で、北にあるノースマウンテンは旧シベリウス王国の王都だ。


そんな経緯があるから今でも昔の国境付近ではあちこちで軋轢が生じていて小さな戦いが絶えない。大抵は軍が出動して鎮圧するのだが、小さな村や軍が駐屯していない場所では軍が到着するまで時間が掛かる。なので地区事に旧領主たちなどが自警団とかを組織して対応しているのだが、困った事に自警団自体が隣の自警団と揉めたりするから厄介なのだ。


シスター・ミッシェルはそんな自警団を渡り歩く戦士だった。つまり傭兵だね。魔物を相手にする冒険者パーティの戦士とはちょっと色が違うのである。だから体に付いている傷も対人間用の武器によるものばかりだ。


まぁ、傷だらけだからと言ってシスター・ミッシェルが駄目戦士だったと思ったら考えが甘い。ちょっと戦闘経験のある戦士に会ったら、自分はミッシェル・デイトナの知り合いだと名乗って見るがいい。みんなびびって丁寧な対応をしてくるはずだから。そう、シスター・ミッシェルはおっかないのである。


「さて、アルベール。久しぶりに競争でもしますか?」

「えーっ、やってもいいけど何も賭けませんよ。」

そう、シスター・ミッシェルは、昔から何かと言っては僕と競争して僕のおやつを取り上げたのだ。そして、今のところ戦績は100戦全敗くらいかな。当然負けてるのは僕の方だ。


「それじゃ闘志が湧かないでしょう?勝負には対価が必要なのですよ。」

「シスター・ミッシェル、戦場の常識を日常に持ち込まないで下さい。」

僕はやんわりとシスター・ミッシェルの挑発をかわす。そう、すでに勝負は始まっているのだ。試合前に相手の動揺や欲を挑発しベストなコンディションを崩す。正々堂々などという言葉は戦場にはないのである。


でもやはりシスター・ミッシェルは上手だった。構える僕の心の盾をあっという間に撃破した。


「あなたが勝ったら私の着替えを手伝わせてもいいですよ?」

「是非ともやりましょうっ!すぐにでも!」

僕はシスター・ミッシェルの言葉に一気に心に火が着いた。そう、男たる者戦わねばならぬ時があるのだ。そしてそれは今であるっ!


だが、そんな純情な男の子を挑発し釣り上げようとするシスター・ミッシェルの言葉に反応した訳ではないのだろうが、場の空気が読めない事では定評があるロベルトが割り込んできた。


「おっ、なんか競うのか?なら俺も混ぜてくれよ。って・・、何か凄い傷ですね。シスター・ミッシェル。それってどこで?」

ロベルトが太陽の日差しの下に晒されたシスター・ミッシェルの肌の傷痕に気付いて、これまたKYな事を聞いてきた。


「ロベルトさん、これは僕とシスター・ミッシェルの真剣勝負なんです。すいませんが部外者はご遠慮願います。」

「なんだよ、いいじゃねぇか。う~んっ、この傷は危なかったんじゃないですか?もうちょっとずれていたら内臓をやっちゃうところでしたね。」

ロベルトは僕の言葉を気にする事無く、シスター・ミッシェルの腹の傷に見入っている。こらっ!女性の肌をそんなに真剣に見るんじゃないっ!失礼なやつだな!


うんっ、ロベルトは純情鈍感無自覚キャラだから欲目はないんだろうけど、見られる女性からしたらやっぱり失礼だよな。でも何故かシスター・ミッシェルは気にしていないみたいだ。


「あら、判るの?」

「そりゃ勿論。急所の位置を把握しておくのは剣士として当然の事ですから。」


「へぇ~、魔法学校の生徒さんだからそっち系ばかりなのかと思っていたら違うんだ。」

「はははっ、イーストリバー魔法学校は剣術科もあるんですよ。俺はそっちです。」


「あら、それは失礼しました。ならアルベールをこてんぱにした後でひと勝負しましょうか?」

「おっ、いいですねぇ。実戦の刃の下を掻いくぐってきた本物ってやつを見せて下さい。」


「あなた結構やれそうだから手加減出来ないわよ?」

「おっ、言いますねぇ。望むところです。それじゃとっととアルベールを負かしてきて下さい。俺は向こうで準備しておきます。剣は片刃ですか?」


「短剣をふた振り。」

「おっと、これはまた手強そうな得物を使う。これは油断ならないな。」


「ふふふっ、ただ単に重い剣を振り回せないだけですわ。」

「う~んっ、益々怖いですな。」

シスター・ミッシェルとロベルトは僕を放って次のアトラクションの賭け引きを始める。これにより、僕とシスター・ミッシェルの勝負は前座扱い、またはシスター・ミッシェルにとっての準備運動になってしまった。くそっ、ロベルト!あんた本当に空気を読まないなっ!


「ではアルベール、始めましょうか。種目は・・、そうですね。この流木に結んだリボンを先に取った方が勝ちでいいですか?」

そう言うとシスター・ミッシェルはテント内で椅子代わりにしていた流木を指差す。


「はい、それで結構です。」

僕の返事にシスター・ミッシェルはかばんの中をごそごそしてリボンを探す。しかし、何故か取り出したのは神々しくも輝く彼女のパンツだった。


「う~んっ、なんかリボンがなかったからこれにしておきましょう。」

いやいや、シスター・ミッシェル。この場合タオルでいいんじゃないですか?そんなに僕を挑発したいんですか?


しかし、僕の心の声を聞けないシスター・ミッシェルは、さっさと男の子にとっての聖布たるパンツを流木に結びつける。そして、気合一発、流木を海の方へと投げ飛ばした。


うんっ、まるでハンマー投げだね。しかも、距離的には競技に出れば優勝を掻っ攫えるんじゃないかな。海って距離を推し量るものが無いから判らないけど50、いや70メートルは飛んでいるよ。げろげろだ。


そんなシスター・ミッシェルを、ロベルトが口をぽかんと開けて見ている。はははっ、ロベルト。だから言っただろう?シスター・ミッシェルはおっかないって。


さて、僕らの戦いはシスター・ミッシェルのスーパーパフォーマンスで幕を開けたが、残念ながらこの程度の事は織り込み済みだ。100回以上シスター・ミッシェルと競ってきた僕には揺さぶりなど効かないのである。と言うか僕の視線は遠く海原に漂うシスター・ミッシェルのパンツに釘付けだ。う~んっ、勝利のご褒美として、あれも副賞にならないかな?あっ、そうなるとシスター・ミッシェルはノーパンで帰る事になるのか?いや、換えのパンツくらい持ってきているよな?うんっ、残念っ!

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