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2、りふぉーむ?

 重たい薪を持って帰宅したとき、家の前に見知らぬ馬車が止まっていた。貴族の乗るような派手な装飾が施された外装だった。玄関先で、母親と見知らぬ背の高い男の人が真剣な表情で話している。

 『すいません、中に入ってもよろしいでしょうか?』恐る恐る男の人に話しかけた。

 『これは失礼した、ここのご子息さんかな?君の母上とちょうどお話があって寄らせてもらったんだ』にこやかに愛想のいい感じだ。

 そして、軽く会釈をして中へ入り暖炉の側に薪を下ろした。男の人とまだ何かを話しているがよく聞こえはしない。話してる内容は気になるが、自室にもどった。

 部屋の本棚から読み込まれてる古そうな本を手に取り、椅子に座り読み始めた。手にした本は魔法のことや、薬草のことが書いてある。ところどころに線が引いてある。よほど勉強していたんだろう。

 傷を治すもの、毒を消すもの、魔力を回復させるもの多種多様な薬草が交易で入ってくる。家の近くの森でも薬草は手に入る。家の倉庫にも吊るして保管してある。母親がおそらく摘んできたものだろう。解毒草や薬草などある。

 馬車が走り出す音がして、母親がドアをノックして入ってきた。

 『ありがとう、アル。実は、話しておかなければならないことがあるの』真剣な表情で言いにくそうにしているのが見て取れる。

 『あのね、近いうちに王都にいかなければならなくなったの。しばらくの間、留守にするからなんかあったらゲラルドさんの所にいってね?』少し悲しげな表情を浮かべながら母親は部屋から出ていった。

 数日後、母親は普段とは違う綺麗な服を見に纏い王都へと向かっていった。家の中は静まり返り、重苦しい空気が漂っている気がした。

 誰もいない生活は慣れている。前世でも1人暮らしをしていたから、たいていの家事はこなせる。ただ、スマホやテレビなどはこの世界にはない。この家に娯楽があるとすれば本くらいなものだ。母親を見送った後、近くの森に足を運んだ。

 [初心者の森]そういわれる所以は、冒険者を目指す者が、鍛錬をしたり採取や狩猟の基礎をここで覚えさせられるのだ。低級の魔物も出るが、めったには出てこない。食料となる獣類とかがほとんどだ。木の実や薬草、果物も少しは自生する豊かな森だ。

 ここで、試したいことがある。魔法。アニメのように詠唱すれば発動するのか、念じれば出るのか謎だったからだ。ギルドで魔力があるのはわかっている。だがどう使えばいいのかわからない。

 目を閉じて、体内に魔力を感じながら炎をイメージしてみる。発動しない。

 やはり、呪文を詠唱しないとでないのか、それとも適応する属性があるのか、色々試してみる。炎、水、風、雷、土。どれも発動する気配がしない。

 しばらく悩みながらやってみたがうまくいかず、時間だけがいたずらに過ぎていった。

 気づいたら、すでに夕方。何時間くらいやったのだろう。空腹も忘れるほど没頭していたみたいだ。集中力が切れたと同時に、空腹感が一気に押し寄せてくる。少し疲れた感じで、家へと戻った。

 母親が作り置きしてくれたスープを飲み、少し硬くなったパンをたべた。

 夜になり、魔法について書かれている本がないか、家中にある本を読み漁っていった。基礎魔術のことが書かれている本が見つかり、発動条件など書いてある部分がないかと、隅々まで見ていった。

 とあるページに魔法を発現させる文章があり、指でなぞりながら、読んでいく。内容によると、杖などの媒体を通して魔力を集中させると発動する物、また特定の魔法は呪文詠唱すると発動する物、固有スキルで発動する場合もあるらしい。

 明日にでも試したいと、胸を躍らせながら眠りについた。

 翌朝、さっそく昨日読んだ本の通りに杖の代わりとなる枝を拾ってきて、試してみる。

 すると、枝全体が光りはじめて魔法が使えた。小さいながら、水が出せたのである。大きさにして、10センチ程度の水球。

 次は炎だ。枝の先にライターくらいの小さい炎が灯る。成功だ。雷も同様で、先端がパチパチいう程度。

 何時間もやって成功しなかったのが急にできるようになると嬉しいものだ。多少なら岩の表面を砕けるような衝撃波というべきか、風の魔法も使えるようになった。覚えた魔法で、森の中で色々試してみる。

 砕けた岩石に水をまぜて、コンクリートのようなものができないだろうか。そう、前世ではリフォーム工事をやっていた経験があったからだ。今住んでいる家を少しでも綺麗にできないかと思った。

 ささやかながら、母と呼ぶ人への感謝のしるしとして。住んでいる家は、よくみるとあちこちに劣化が見られる。石畳の床に段差ができたり、ドアも擦れてかけている箇所もある。

 まずは床。均一になるように、魔法で精製したコンクリートのようなものを敷き詰めていく。壁もレンガ造りなので、その上から床と同様に均一に塗るように壁を仕上げていった。魔法で精製してるため、敷いたとこはすぐに硬化していく。 

 2時間くらい経った頃、一通り壁と床が出来上がった。見違えるくらい綺麗になりまるで新築のような仕上がりになり、快適な部屋へと生まれ変わった。耐火性の壁と断熱効果も付与できたと思う。

 倉庫も穴の空いている箇所を補修し、同じように仕上げた。ついでに一部増築をし、備蓄できるスペースを新たに増やしたのである。

 それからも、机を新しく作り替えたり、使いにくそうにしていたキッチンまわりを改装して、もはや別の建物になった。作業のしやすい広いキッチンまわり、大きくなった窓からは、日が差し込みリビング全体が以前より暖かく、明るくなった。せまいトイレも大きくし、ゆったり座れるほどに。収納するスペースも増やして、食料品を保管できるスペースも作った。

 前世のハウスメーカーとかがよくやる、モデルハウスみたいになった。

 一週間ほど経った頃、母親が帰ってきた。当然驚いていた。あれこれ見たり触ったりして興奮している。まるで、子供が新しいおもちゃを買ってもらったときのように。

 



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