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62. ◆ライバル宣言……?

 活動地域をコークスローに移してから二週間が経過した。


 魔物狩りは極めて順調……のはずだが、魔物の異常発生はやむ気配がない。現状のままでいいのか、セプテトに問い合わせたいところだが、あいかわらず呼び出しても返答がない。何をやっているんだか。


 仕方なく、今日も今日とて魔物狩りだ。もちろん、魔物寄せの香を使って。ただし、きちんとファントムスタイルで活動している。初回のときのように、実力を抑える必要がないので気は楽だ。


 ただ、ちょっと困ったこともある。そう、今の状況のように。


「助太刀する……って、またお前か、ファントム!」


 湧き出す魔物の相手をしていると、取り決めに従い助勢に駆けつける探索者が現れる。しかも、なぜか名乗ってもいないのにファントムという名が知られているのだ。おそらく、同時期にアースリルから移動してきた探索者から伝わったのだろうが……あまり嬉しい状況ではないな。


「ご苦労なことだが、助力は必要ないぞ」

「はっ、いけ好かねえ野郎だ。だが、一応取り決めだからな。お前に必要がなくても勝手にやる」


 何度か遭遇したことのあるヒュムの探索者は、吐き捨てるようにそう言うと、パーティーメンバーとともに魔物を駆逐しはじめた。なかなかの連携だ。


 まあ、勝手にやる分には俺も気にしない。ジンヤのときならともかく、ファントムとしてなら好きに動けるからな。足を引っ張るのでなければ、放置でいい。


 彼らとしても、取り決めがある以上、渋々ながら参戦せざるをえないのだろう。ファントムの格好で何度か異常発生への対処を手伝ったことがあるからな。


 もちろん、これは本当の異常発生でないので、彼らが参戦する必要はない。それどころか、別のところで異常発生が起こる可能性もあるので、彼らにはこちらに関わってほしくないという思いすらある。できるだけ彼らと関わりがないところで狩りをしたいところだが……これがなかなか難しいのだ。


 魔物寄せの香による狩りは極めて効率が良いが、遠目からでも魔物が群がっている様が確認できるのでどうしても目立つ。アースリル周辺ならば人のいない不人気狩り場で使えば問題なかったのだが、コークスローの近場には人の少ない狩り場というのがそもそもないのだ。経験を積んだ探索者ともなれば、ある程度なら、どんな魔物でも対応できるからだろう。そんなわけで、魔物寄せの香による狩りの最中に他の探索者が参戦してくるというのが、日常になりつつある。


 戦い始めてから二時間ほどが経過した。


 この間に、新たに参戦するパーティーもいれば、撤退するパーティーもいる。マナの回復手段がなければ、長時間戦い続けることはできないので当然のことだ。ついでに言えば、戦闘の長期化は士気にも影響を与える。


 まあ、士気に関しては、逆に奮い立たせる存在もいるようだが。


「黒豹のコマタ、参戦! 私が来たからには、もう安心ニャ!」


 ここ数日で聞き慣れた声が、後方から響く。ピュトンの探索者コマタが率いるパーティー『勇猛なる黒豹』が駆けつけてきたらしい。


 彼らの参戦で探索者たちが沸き立つ。“黒豹の!”とか“待っていたぞ!”という声が上がった。彼らは……というかコマタは、コークスローでは人気の探索者なのだ。なんというか、マスコット的な意味で。


「おい、黒豹! 語尾が猫だぞ!」

「だ、誰が猫ニャ! あ、違う! 今のは違う!」

「遊んでる場合じゃないぞ!」

「遊んでなんかないニャ! あ゛あ゛~~!?」


 コマタはコークスローで活動する探索者の中ではベテランでなかなかの実力者らしいが……なぜか、多くの探索者たちからおもちゃにされている。


 まあ、探索者たちの気持ちはわからなくもない。コマタの姿は黒猫そのもの。小柄な体でちょこちょこと走り回る姿を見ると和むのだ。ついつい揶揄いたくなるのは仕方がないことだろう。


 だが、ここは戦闘領域。いつまでも遊んでいるわけにはいかない。その辺りは慣れたもので、パーティーメンバーがうまいことコマタを持ち上げて、戦闘に向かわせているようだ。完全に操縦されているな……。


「よっと!」

『ルゥも、よっと!』


 襲い来る小型恐竜のような魔物を粉砕。と、同時に背後から迫る邪悪な妖精といった感じの魔物に向けて、葉っぱ手裏剣が放たれた。宿環のルゥルリィによる攻撃だ。大っぴらに姿を現していないが、周囲の探索者にバレない程度にはペルフェもルゥルリィも攻撃に参加しているのだ。それでも、思いっきり戦えないのは少々不満のようだが。


「ふぅん、さすがファントムねぇ?」


 そんな中、興味深いという口ぶりでシャスカが声をかけてきた。近寄ってきたのは知っていたが、どう対応したものかわからず放置していたのだが……。


 いったい、何の用事だというのか。面白がって観察しているような気配があるが……これがなかなか厄介だ。敵意があるのなら退ければいいが、そうでないので対応が難しい。あまり積極的に話したくもないしな。何が原因で“ジンヤ”と同一人物であるとバレるかわかったものではない。


「ずいぶんと余裕があるみたいだな。そんなに暇なら、もっと積極的に狩るといい。選び放題だ」

「あら、邪険にしなくてもいいじゃない。まあ、大した用事でもないんだけどね」


 話しかけてくるなと遠回しに伝えれば、そんな言葉が返ってくる。一応、用事があるらしい。魔物の相手をしながら耳を傾けていると、クスリと笑ってシャスカが言う。


「うちのボスからだけど、“コークスローの勇者はこの私だ! お前には負けない!”だそうよ。ライバル視されてるみたいね。ご愁傷様」

「は? いや、ちょっと待て、おい!」


 全く身に覚えのない因縁に抗議しようとしたのだが、対峙していた魔物を処理したときには、すでにシャスカは踵を返していた。


 いやいやいや!

 俺はマスコットの座を争うつもりなんかないぞ!


▽▲▽▲


久しぶりにフルステータス

なんか忘れてたら教えてください……。


名  前:ファントム(偽装)

戦闘職業:ファントム(偽装)

    :     (偽装)

レベル:23

――――――――――――――

生命: 991/ 991

マナ: 824/ 824

筋力: 441 魔力: 385

体力: 411 精神: 370

器用: 482 抗力: 390

敏捷: 489 幸運: 500

スキル:

【盗む Lv21】【幻惑 Lv16】

【格闘 Lv18】【剣術 Lv19】

【槌術 Lv23】【杖術 Lv41】

【鉄拳 Lv14】【強撃 Lv17】

【暗殺 Lv18】【突撃 Lv15】

【鉄壁の構え Lv16】【跳躍 Lv17】

【登攀 Lv16】【足捌き Lv18】

【潜伏 Lv15】【看破 Lv29】

【暗視 Lv17】【▼生命活性 Lv14】

【消費マナ軽減 Lv42】【火魔術 Lv17】

【水魔術 Lv16】【光魔術 Lv15】

【闇魔術 Lv15】【土魔術 Lv14】

【風魔術 Lv48】【操砂術 Lv16】

【▼念動 Lv9】【▼獣力解放 Lv17】

【▼咆哮 Lv18】【解錠 Lv10】

【罠解除 Lv10】【従者強化 Lv16】

【毒耐性 Lv10】【▼渇水耐性 Lv8】

特性:

【痛覚耐性++】【頑強+】

【状態異常耐性++】【精密動作+】

【魔術威力UP+】

職業特性:

【近接攻撃+++】【盗賊技能+++】

【守護者の心得】【魔術技能+++】

【法術技能+++】【魔攻ブースト】

【破邪】【気配察知+】

【サブ職業付け替え可】

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