表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/109

44. ◆上々の成果と予想外の出来事

「ギザ……ガ……」


 山岳地帯の奥地におけるボス格魔物――禍々しい悪魔の親玉が、恨めしげに睨み付けてくる。が、その口から漏れる声にすでに力はない。強敵だったが、レベルドレインとスキルドレインで弱体化した挙げ句に、すでに満身創痍だ。


「とどめだ!」

『あいよ!』


 剣で斬りつけると、親玉はカッと目を見開き……光の粒となって消えていった。後に残るのはクレアテ結晶体とユラユラと揺らめく炎のようなものを内包する青い宝石だ。これが目的の“悪鬼公子の呪宝”なのだろう。


「「メェェ」」

「邪魔しちゃ、め!」

「「メェェ!?」」


 空気を読まずに突っ込んでくる山羊をルゥルリィがまとめて蔦で縛り上げている。レベルが上がってきたのか、彼女の蔦攻撃も威力を増しているようだ。


 山羊たちが動けないうちに、ドロップアイテムを拾い上げて、インベントリに収納する。小悪魔の弓兵どもは親玉が倒された時点で撤退したようだ。山羊も先程の戦いでかなり数を減らしているはずなのだが。




「終わったか。魔物寄せの香は途中で効き目をリセットできないのだけが面倒だな」

『インベントリっていうのには入らないの?』

「一度使いはじめたら入らないな。あいかわらず、よくわからん」


 山羊たちを根絶やしにしたか、魔物寄せの香の効果が切れたか。ようやく、魔物襲撃が落ちついてきた。オンオフできないのが、魔物寄せの香のデメリットだな。


 とはいえ、短期間でボス格狩りを成し遂げようと思えば魔物寄せの香はチート級アイテムと言っていい。使いはじめて二週間ほどで、俺が担当するボス格魔物は一通り狩れたのだから間違いはない。


 その上、狩り効率も段違いだ。香のブースト効果で一日の討伐数はかなり増えた。さすがに四桁には届いていないとは思うが……断言しきれないくらいの勢いで狩っているのは確かだ。


 調子に乗って、他の探索者がいる近くで香を使ってしまったことは、少しだけ反省している。ただ、ボス格ドロップを狙う関係上、仕方がなかったのだ。迷惑料代わりにクレアテ結晶体は譲ったので問題ないと……思いたい。


 とまあ、多少のトラブルはあっても、キョウヤ解放にむけてのドロップアイテム採集は極めて順調だ。一方で、コウヘイたちやハルヨシさんたちは、やや手間取っているらしい。セプテトに聞いた限りのボス格の出現条件は伝えたが、やはりそれを満たすのが難しいようだ。魔物寄せの香についても提案してみたが、良い反応は得られなかった。それどころか、苦笑いで聞き流されてしまう始末だ。解せぬ。


 魔物寄せの香を使うと、おそらく宝箱の出現率も増える。絶対、お得なはずなんだが。実際、この香を使って二週間で良装備が幾つか手に入った。


 今の俺の装備はこんな感じだ。



武器:清浄の青刃

体 :魔術師の戦衣

  :精霊鉄の鎖鎧

  :(宵闇の外套)

頭 :黒鉄の鉢金(or 怪人の白面)

腕 :ドライアドの宿環

  :(白鬼長の籠手)

脚 :軽業師のブーツ

装飾:インベントリ・チャーム

  :ガーディアンリング



 このうち、魔物寄せの香のおかげで新規入手したのは三つだ。



【清浄の青刃】〈アーマニア:ペルフェ〉

◆分類◆

武器・剣(長剣)

◆攻撃性能◆

物理補正:C 魔法補正:E

◆特殊効果◆

不浄なる者への攻撃にプラス補正



【魔術師の戦衣】

◆分類◆

防具・体装備(軽装)

◆防御性能◆

物理防御:E 魔法防御:D

◆特殊効果◆

マナ消費が僅かに軽減



【精霊鉄の鎖鎧】

◆分類◆

防具・体装備(標準)

◆防御性能◆

物理防御:D 魔法防御:D

◆特殊効果◆

精霊との親和性が向上



 清浄の青刃が強かったため、ペルフェは乗り換えを決断した。白鉄の長剣も存在値とやらが蓄積したおかげか少しだけ強化されていたのだが、それでも単純に清浄の青刃が強かったのだ。


 存在値は武器自体に蓄積されるらしく、乗り換え先に移すことはできない。しかし、スキル自体はペルフェが習得したものなので、そのまま使えるようだ。また、アーマニアが抜けても強化された増分はそのままらしい。白鉄の長剣の攻撃性能は物理補正Eだったのだが、現在はCまで上がっている。


 これを利用すれば色々な武器を強化しつつ、状況によって乗り換えるという手も使えそうだ。まあ、あれもこれもと手を出すと、俺のスキルレベルもペルフェの強化も進まないので、今のところ試すつもりはないが。


『僕たち強くなったよね! もうちょっと強い敵と戦ってもいいんじゃない?』

「たしかになぁ」


 二週間、魔物寄せの香まで使って全力で敵を倒し続けた。その結果、上がったレベルはたったの2だ。これは決してのんびりとしたペースではない。というより、異常なハイペースだ。転生したてならともかく、レベル20台くらいになると、一年で5も上がればいい方らしい。


 ただ、俺たちにはまだ余裕がある。そういう意味ではもっと強い魔物と戦った方がレベルアップ効率は間違いなく良い。


「ま、貴族の件が片付いたら、アースリルを出るのもいいかもしれないな」

『おぉ! それで、いつ片付くの?』

「……もうぼちぼち挑戦してみるか」


 ステータスに差がありすぎると、ドレインがうまく通らないので、貴族探索者に仕掛けるのはできるだけレベルを上げてからにしようと考えていた。だが、アースリルでは短期のレベル上げは限界に近い。ならば、一度挑戦してみてもいいかもしれないな。


 今夜にでも試してみるかと思いつつアースリルに戻った俺は、予想外の話に戸惑うことになった。どうやらキョウヤが解放されたらしい。それ自体はめでたいのだが……。


 いったい、どうしてそんなことになったのか。奴らは何を企んでいるんだ?




名  前:ファントム(偽装)

戦闘職業:盗賊

レベル:22

生命: 485/ 485

マナ: 455/ 455

筋力: 225 魔力: 225

体力: 188 精神: 194

器用: 281 抗力: 188

敏捷: 284 幸運: 281

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ