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109. 一応、スキルも集めていた

 ペット化には失敗したが〈心を盗む〉はまあまあ使える。狩り場の情報を聞き出せたように、魔物視点での情報は何かには利用できそうだ。もし、格上とまではいわずとも、同格の魔物にも通用するならば戦力としても使えるだろう。仮に戦力とならなくても囮くらいにはなる。かわいそうだと考える必要は無い。奴らはあくまで魔物。魅了したところで、奴らとの絆が育まれることはないのだ。……ないのだ。


 まあ、〈心を盗む〉の利用方法についてはひとまず置いといて、魔物たちから奪ったスキルを見てみよう。



【強襲】<スキル結晶体 lv21>

自身の生命力を消費して放つアーツの威力が上昇する



 このスキルは説明を見る限りパッシブっぽいが、同名のアーツも使えるようになり、そのアーツ自体が生命力を消費するタイプだ。相手の防御を一部無視する強烈な一撃を放つ効果である。ノーベイ周辺の敵には使う必要もないが、強敵と戦うときには有用そうだ。


 生命力を消費するといえば、肉斬骨断があるが、あれには適用されるのだろうか。もし、適用されるのなら、火力が凄まじいことになりそうなのだが。


『適用されないと思うよ。あっちは生命を消費するんじゃなくて、反動でダメージを受けてるだけだから』


 というのが、ペルフェの見解だ。ついでに言うと、武具に宿っている状態のアーマニアには生命力がない。代わりに耐久値があるのだが、こちらでは生命消費発動型のアーツを使うことができないらしい。


「つまり、ペルフェが【強襲】を取得しても意味が無いということか?」

『んー、それはいいじゃない。余ってるんだから、僕も使うよ』

「はあ? まあ、構わないが」


 よくわからんが、本人が使いたいらしいのでペルフェにも習得はさせた。白い虎から幾らでもとれるので、欲しければいつでも確保できるからな。



【雪原の戦士】<スキル結晶体 lv23>

雪原環境において体力と敏捷を利用するあらゆる判定にプラス補正



 このスキルも白い虎から奪ったスキルだ。ノーベイ周辺では実に使えるスキルである。説明から判断するに、能力値自体が上がっているわけではないようだが、少なくとも雪原での移動は苦にならなくなった。ただ、残念ながら寒さへの耐性には関係していないようで、ルゥルリィは相変わらず寒そうにしている。



【放電】<スキル結晶体 lv15>

生体エネルギーを電気へと変えて放出する



 こちらは白い鳥から奪ったスキル。ハクライが使っていた雷撃も、このスキル由来のようだ。雷魔術ではなかったらしい。


 レベル15の段階で使えるのは同名のアーツのみ。レベルアップで増えるのか、それとも威力が増えるだけなのかは不明。〈放電〉はわりと自由度が高く、電気を(まと)ったり、雷撃のように飛ばしたりもできるようだ。だが、電気を纏っているときには自分もダメージを受ける。なので、専ら遠隔攻撃手段として使うことになるだろう。


 さて、威力はどうか。その辺りの魔物に試し打ちした結果は。


「おお。なかなかだな」

『やっぱり僕は使えないね』

『ルゥの、弱い……』


 俺とペルフェとルゥルリィ。三人とも習得したが、その評価は三者三様だった。


 俺の評価としては中々使い勝手がいい。元の威力はおそらくファイアボール程度だが、発動速度が速く連射もできる。マナの代わりに生命力を消費するアーツのため、強襲の効果が適用され威力が上がるのもいい。牽制の遠隔攻撃としては十分に使える。調子に乗って連発し、生命力を減らしすぎないように気をつける必要はあるが。


 生命を消費するアーツなのでペルフェにはそもそも使えない。強襲と同じだ。じゃあ、何故習得したのだとは思うが……まさかコレクター魂か? まあ、なんとなく集めたくなる気持ちはわからないではない。


 ルゥルリィにとっては使い勝手がいまいちのようだ。実際、俺の放つ雷撃と、ルゥルリィのそれとでは威力がかなり異なる。ステータス差があるのは事実だが、それにしてもダメージ差が大きい。


 おそらくだが、アーツの威力が魔力依存ではないように思えるな。そのせいで強襲の効果がのっても、あまりダメージが出ないようだ。まあ、ルゥルリィには葉っぱ手裏剣がある。そちらが優秀なので、余計に〈放電〉に魅力を感じないのだろう。弱点の関係で雷属性が必要でない限り、出番はなさそうだな。


 残りの新規スキルは二つ。どちらも、巨大スライムから得られたスキルだ。


【体色変化】<スキル結晶体 lv22>

体の色を変えて、風景に溶け込む

発動時は発見されづらくなる

※種族適性により習得不可


【溶解液】<スキル結晶体 lv21>

強力な溶解液を生成する

※種族適性により習得不可



 俺たちが戦った森では、こびと、虎、鳥とスライムが出現したのだが、このスライムが一番の強敵だった。どんな原理か知らないが、気配察知にも反応がなく、突然現れてのしかかってくるのだ。攻撃に移った時点で気配察知に引っかかるのでのしかかりの餌食になりはしなかったが、少しひやりとする場面もあった。ダメージはともかく、巨大生物に取り込まれるなど、ぞっとしない。


 おそらく、気配察知を無効化していたのは【体色変化】のスキルの効果だろう。暗殺なんかのスキルと組み合わせれば強そうだが、誰も習得できなかった。珍しくペルフェにも習得できない。まあ、単純に体の色を変えるだけならペルフェは自由自在なのだが。変幻自在ツールの効果もあるし、俺の【偽装】スキルなら装備品の見た目を変えることができるからな。


 【溶解液】も俺には習得不可。胃液だって溶解液の一種なので習得できてもおかしくはないと思うんだがな。


 とはいえ、習得できなくて正解だったかもしれない。


『うわぁ!? ひっかかった! 耐久値が減っちゃったよ……』

「思ったよりもヤバいスキルだな……」


 魔槌状態のペルフェが溶解液を生成したところ、どばどばと流れる溶解液は哀れな虎を溶かすとともに、跳ね返りでペルフェ自身をも溶かした。そのせいで、一気に耐久値が減ったようだ。変幻自在でツールに戻れるペルフェはともかく、俺にひっかかっていれば危なかったかもしれない。


 そして、このスキルはルゥルリィと相性が良かったらしい。


『ルゥ、強い!』

『うわぁ』

「つ、強いのは確かだな……」


 ルゥルリィは生成した溶解液を自らが操る植物の先から出せるらしい。しかも、ペルフェとは違い、溶解液がかかっても植物たちは溶ける様子がない。そのせいで、蔦や草木の防壁で捕まえてから溶かすという恐ろしい戦法を編み出してしまった。蔦を自力で振りほどけないとほぼ死は免れない。


 とても強いんだが……なんか、グロい。溶けかけた魔物と、そのそばでニッコリと笑みを浮かべる少女という対比がまた何とも狂気的だ。まあ、相手は魔物だし問題ないということにしておこう。



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