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心夢見て宇宙《そら》を翔《ゆ》く  作者: 赤羽道夫
第3話 灼熱地獄の漂流船
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Act 3

 修理に時間のかかるアルンとマーヤを残し、早々にメンテナンスを終えたゲイスンとワシェンゴは、次のお宝の獲得に必要な装備を調達するため街の商社を当たっていた。

 リストにある物品は多岐にわたったが、さすが辺境一の大都会だけあってなんでも手に入った。

「高温環境用の作業機なんか、よく手に入ったもんだな」

 宇宙港に運ぶ手続きを終え、ゲイスンは上機嫌だった。

「たしかになんでもすぐに手に入るが、どれもこれも値段が高すぎる」

 クルマを運転しながら、ワシェンゴは不服を言わずにはいられない。費用がかかればかかるほど、貯蓄は減り人間になれる夢は遠くなる。

「そりゃ、しかたないぜ。こんな辺境宙域じゃあ、ものがないのをいいことに足元をみやがる。運送費や管理費がかかるっていうのもあるだろうがよ」

「問題は、それだけの費用を使って、果たして採算がとれるのかということだ。今度のお宝が高く売れなければ大損だ」

「かといって銀河中央じゃ足がつきやすいしなぁ。アルンのことだ、ちゃんと計算してると思うが……」

「ゲイスン!」

 だしぬけに、なんの前触れもなく鋭く叫ぶワシェンゴに、リクライニングシートを大きく倒してふんぞり返っていたゲイスンは飛び上がりそうになった。

「なんだよ、いきなり……」

「いま、すれ違った路面電車にZ0G‐KKBが乗っていた」

「なんだと? ほんとうか?」

 ゲイスンは信じられない。

「ああ、間違いない」

 力強くうなずくワシェンゴ。

「おれたちを追ってきたのか……それとも偶然、イーア市に来ただけなのか……」

「とにかくアルンに知らせよう。Z0G‐KKBが聞き込みをしていたら、我々のことはすぐに知られてしまうだろう」

 辺境とはいってもイーア市は大きい。捜索には時間がかかるのが普通だが、Z0G‐KKBはその常識を破って、驚異的な早さでもって対象にたどり着くのだ。それは長年やってきた回収屋の嗅覚と呼ぶべきものだろう。

「そうだな──」

 ゲイスンはアルンに通信し、呼びかける。

「おい、アルン。聞いてのとおりだ」

 いちいち言わずとも会話履歴を参照してもらった。

「わかった、すぐに戻ってきてくれ。出発する」

 まだ修理の最中だったが、アルンは決断した。

「だがまだ注文した物資が届いちゃいねぇだろ?」

「おれの修理も終わっちゃいねぇがな。だがここで捕まるわけにはいかないだろ?」

「そりゃまぁ……」

 正論すぎて、ゲイスンは言葉もない。しかし気を取り直し、

「わかった、残りの買い物をすませたら超特急で戻る」

 と言った。

「頼んだぜ」


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