44日目 New Lover
「ねー香、もう真っ暗だし帰ったら??」
香は奏海の病室に来ていた。
「・・・帰りたくない」
「・・・香ぃ~・・・」
その時である。
「奏海!!」
「奏ちゃん!!」
秀と佐久良が息を切らして駆け込んで来た。
「な、な、ななな何ですか2人で・・・!」
「奏海、この際ハッキリしてほしいんダ!」
奏海には何の事だかさっぱりわからない。
「奏ちゃん、佐久良とも付き合ってるって本当!?」
「え!?」
「奏海!!2股はダメダ!!本命のオレだけにしとケ!?」
「何言ってんだ!!本命は俺だ!!」
「ストーーーーーーップ!!!!」
香がストップをかけた。
「それって奏ちゃんが2股かけてるってこと??」
「 秀 の勘違いダ!!」
「佐久良の勘違いだ!!」
息があってるんだかあってないんだか。
「私は秀先輩だけですよっ」
「エ・・・?」
佐久良の動きが止まった。
「どこでどうなっちゃったのか知りませんけど、私は佐久良先輩のこと、友達としか思ってないし好きでもないですから!!」
奏海さん、キッパリ言っちゃいました。
「うそだロ・・・?」
「嘘じゃありません」
ガーーーーーーーーン
「そ・・・そんナ・・・」
ふらふら~・・・・
佐久良は今にも倒れそうな勢いで去って行った・・・
「奏ちゃん、よく言ってくれた・・・」
秀は感動している。
「だって、私が好きなのは秀先輩だけですから!!」
「奏ちゃん・・・」
2人がいい感じのところで―――
「itがコイビトってやつでござるね~!?」
ロビィ出現!
「ロビィ!!!」
香が抱き付く。
「Oh!?」
少々驚き気味のロビィ。それにしても・・・
(記憶を失ってまで私と秀先輩の邪魔するのね・・・!?)
奏海は思った。
「ロビィ!本当に私のこと忘れちゃったの!?」
「S、Sorry~~~~~~~~~!!」
2人は延々それを繰り返していた。
「もっかいタライでも落としたら戻るんじゃないかしら?」
「なるほど・・・」
あろうことか秀まで納得してしまっている。
「Sorryでござるーーーーー!!」
「先生!!205号室の炉火井さんがいません!!」
巡回に来た看護師がロビィが病室を抜け出していることに気が付いた。
「なんですってぇ!?」
その知らせを聞いた響は慌ててナースステーションを飛び出した。
「あんのバカ!!仕事増やすんじゃないわよー!!」
んで病院の外で・・・・
ド ン ッ
「「ぎゃっ」」
響はふらふら歩いていた佐久良にぶつかった。
「あなたは確か炉火井の・・・・」
「うぅ~~~~看護婦さぁ~~~ン!!!!」
佐久良は響に抱き付いた。
「え、え、え~~~!?」
響は22歳。佐久良は16歳。
6歳の歳の差恋愛が始まろうとしていた―――
「炉火井さーん!!!炉火井さーーーーん!!!!」
ナースステーションの看護師総動員で炉火井捕獲大作戦が行われていた。
しかし炉火井は奏海のところにいる。
灯台下暗し、とでも言うべきであろうか。
「炉火井さーーん!!・・・はっ!!!!三上さん何やってんですか!?勤務中ですよ!?」
「ち、ちがうの!これにはワケが・・・!」
「看護婦すぁーーーン!!!」
傍から見たら響と佐久良が抱き合っている様に見えるのだ。
「どんなワケがあるっていうんですか!!イチャイチャして!!!」
「だからー・・・」
「三上さン・・・?奏海の姉さんカ・・・?」
気づいていなかったのか、佐久良よ。
「え、えぇ・・・私は奏海の姉だけど・・・」
「美人だナァ・・・・」
「えっ」
響は“怖い”とか“ガサツ”だとかはよく言われるが、“美人”と言われたのは久しぶりである。
「あなた、お名前は?」
「八幡山佐久良でス」
「へぇ、ステキな名前ね!」
響は佐久良を気に入った様である。
一方、佐久良は名前に関して“長くて覚えにくい”とか“変”などと言われることは今まで多々あったものの、“ステキ”と言われたのは初めてである。
「響サン!!!」
「はい!?」
「オレと付き合ってくださイ!!!!!!!!」
「ハイッ!!!!」
お~~~~っと何という展開だー!?
「響ぃ~~~!!」
「佐久~~~!!」
ある意味最凶・・・ではなくて最強のカップル誕生である。




