43日目 Bifurcation
「香!香ってば!!待ってよっ・・・香!!」
奏海はやっとの思いで香の腕をつかんだ。
「奏ちゃん、私どうすれば良いの??私やだよ、ロビィの中から私が消えちゃうなんて・・・!」
「香・・・」
香の目からあふれる涙を奏海はどうすることもできず、ただ親友に胸を貸す。
「私は1日たりともロビィの唇を忘れたことは無いのに!!!」
(!?)
唇。確かに今、目の前の親友はそういったのだ。
(もうそんな仲になってたの!?唇だなんて・・・Shameless!!)
しかし、やることやってんじゃんロビィ。
「奏ちゃ~~ん」
(唇・・・唇・・・・くちびる!!!!)
奏海の顔は真っ赤になり、同時に怒りが満ちてきた。
(私の親友を泣かせるなんて許さないんだから!!)
「奏ちゃ~~んロビィがぁあ~~~うわぁん!!!」
香は泣き崩れ、涙が止まらない。
「うぅうぅ~~~・・・奏ちゃん、これ見て・・・」
香は泣きながらポケットから何かを取り出した。
「こ、これって・・・!!」
香が取り出したものは白く輝く小さなダイヤのついた輪っか。香の細い指に似合いそうな―――
「指輪!?」
まさかとは思うが・・・これを香に送ったのは・・・?
「私・・・これをもらった時のこと・・・忘れない・・・・・ロビィが忘れても・・・!!」
やっぱり!!ロビィは香に指輪を贈っていたのだ。やることやってんじゃん。しかしいつの間に・・・
「いいか、ロビィ。まずお前の名前は炉火井多可志という。OK?」
「そんで彼女の名前が比良山香といウ。OK??」
秀と佐久良は必死でロビィに記憶を吹き込もうとしていた。
「N~~??彼女というのはWhatでござる?」
言葉の意味から教えないといけないのか・・・?
「だかラー!恋人だよ、コ・イ・ビ・ト!」
「Nn~~????」
とにかく、日本語すら危うい様子だ。
「コイビトとはWhatでござる?」
・・・恋人とは・・・・・・・・・・
「佐久良、どう説明すれば良いんだ??」
「・・・オレもわかんネー」
「Whatでござるぅ~~!!!」
3人は“恋人”について悩みだした。
(俺と奏ちゃんの関係を説明すれば良いんだよな・・・?)
(俺と奏海のコトだよナ・・・?)
(Whatでござるぅ~~~)
3人は悩んだまま夜は更けていく・・・
(つーかダイヤよねこれ・・・小さいけど本物のダイヤよね!?)
奏海は香が取り出した指輪を見て、驚きを隠せない。
「ロビィが・・・私に似合うだろうって買ってくれたの・・・・高かったのよ・・・10万円もしたのよ・・・」
(10万!?諭吉さんが・・・10人!!!!)
忘れていたが、ロビィは金持ちのボンボンなのだ・・・
「旅行に行く約束だってしてたのに・・・・」
「りょこ・・・旅行!??!?一体どこに!?」
奏海は激しく動揺している。
「・・・ハウステンボス・・・・」
!!( ゜д゜)ギャース!!!!
「ふ、ふ、2人きりで??」
「うん・・・」
ガ━━(;゜Д゜)━━ン!!
奏海はもう失神寸前である。
「それなのに・・・ロビィ・・・うぅうぅっ・・・!!」
「ハハ・・・・ハ・・・・ハ・・・・・」
奏海と秀が付き合いだしてもうすぐ半年になろうとしていた・・・
「Whatでござるぅ~~!!」
空の色は既に濃紺。ロビィの部屋で3人はまだ唸っている。
「だかラー・・・」
「俺と奏ちゃんのことだって!!今から奏ちゃんを連れてくるから!」
秀は思い切って病室を飛び出そうとした。
「ちょっと待テ!!コイビトってのは俺と奏海のことダロ!?」
「はぁ!?」
ここで初めて佐久良の勘違いが明らかになるのだった・・・
「What~~~!?奏海ってWhoね~!?」
ロビィは今も1人混乱中。
「とにかく奏ちゃんを連れてくる!!」
「とにかく 奏海 を連れてくル!!」
秀と佐久良は同時に病室から飛び出した。
「Oh~??」
1人になったロビィは泣きながら部屋を飛び出して行った“香”という女の子について考えた。
「Nー、可愛い子でござったの~・・・」
あの子と自分は一体どんな関係だったのだろうか・・・
「Nn~~Meは何かとても大事なことをForgettingでござるか~・・・?」
早く思いだせ、ロビィ!!!
「奏海は俺のコイビトダーーー!!」
「違うつってんだろーーー!!」
未だ暴走する佐久良を必死で止めようと秀は叫んだ。
2人は言い合いをしながら走っている。が、奏海の姿は見当たらなかった。
「大体佐久良!!お前いつから奏ちゃんと付き合ってんだよ!?」
「1か月くらい前だヨ!!」
「はぁ!?」
佐久良は一歩も譲らない。佐久良が言うには“かなちゃん事件”の頃から付き合っているらしい。
「それはただの勘違いっていうんだぞ!」
「何言ってんだヨ!!」
「俺と奏ちゃんこそが付き合っててだなー・・・」
「奏海と付き合ってんのはオレダーーー!!!」
これではまるで奏海が・・・
「「二股!?!??!?」」
そんなバカな。佐久良のせいで奏海にあらぬ疑いがかかってしまった。
なんか勢いがあって書いてて楽しかったです(笑)




