37日目 Tantalizing
「秀先輩ってばほんとに腹立つ!!!!!!!!」
香は1人怒っていた。泣き止んだらどんどんどんどん怒りがこみあげてきた様だ。
「奏ちゃんのことも少しは考えろっつーの!!!!!」
バフッ
部屋にあったクッションを壁に投げつけた。
「アメリカでもなんでも行っちゃえばいいのよ!!奏ちゃんにはすぐに新しい恋人ができるわよ!!!」
確かに奏海はモテる方なので、すぐに新しい恋人ができるかもしれない。
「でも奏ちゃんは秀先輩が好きなのよねー・・・」
どうにか2人を元に戻せないものだろうか。
香は考えた。
「うーん、うーーーん・・・・・」
しかしなかなか良い案が思いつかない。
「ただいまー」
「あ!都!ちょーど良いところに!!!」
香はちょうど帰宅した同室の京野 都を無理やり自分のベッドに座らせた。
「実は奏ちゃんが・・・・」
香は一部始終を都に話した。
「え、伊吹先輩やっぱり留学するんだ!」
都は中等部のバスケ部なので秀の留学の話を知っていた。
「確か都ってバスケ部員だったよね?」
「あ、うん、そーだけど・・・」
「何か良い案ない??」
「う、うーんと・・・?」
都は頭をひねったが全然思いつかない。
「ねー、もうあきらめたら?そもそもバスケで留学なんてすっごいことなんだから!」
とんでもないことを言い出した。
「何てコト言うの!?」
「いやだって私三上さんのこと良くしらないし・・・・伊吹先輩の留学の方応援したいっていうか・・・」
都は奏海や香とは別のクラスだった。
「もう~~~~。はぁー、ロビィもアテになんないし・・・」
香は再び悩み始めた・・・
コンコンッ
「奏海ー、サクラだけどー。入ってもいいカ?」
ロビィに鳴らない笛(笑)を渡した後、佐久良は奏海の部屋に来ていた。
ガチャ
「あー、あと何がいるんだっけ??えーと・・・」
ドアを開けると奏海と同室の愛知が旅行カバンに何やら詰め込んでいた。
「奏海イル??」
佐久良は愛知に話しかけた。
「あー、えっと・・・・(いつもロビィ先輩たちと一緒にいる人か・・・)」
「あぁ、ワリーワリー!俺は八幡山佐久良!ロビィ・秀の親友で、奏海の恋人(予定)だゼ!!」
愛知は不審な目を佐久良に向けたが、奏海や香がいつも一緒にワイワイやっているのを何度も見ていたため、それ以上は突っ込まなかった。
「何やってんノ?旅行?」
佐久良は愛知が持っている大きなカバンを指差す。
「あーえっと、三上がまた倒れちゃって、すごい熱で入院になっちゃったんで私が荷物用意してるんですよー」
なんと・・・!秀たちがそれぞれに悩んでいる間にエラいことになっていた。
「何だッテ!?どこの病院だヨ!?俺も行くゼ!!!」
佐久良はラッピングされたヒモ笛と帯タイツを握り締めて言った。
「でも面会できないですよ、今は・・・」
「良いカラ!」
佐久良は愛知に病院の名前を聞くと、一目散に走り出した。
(奏海っ・・・・!!!!)
箱からはみ出した帯タイツがひらひらと揺れていた―――
『プルルルル・・・・』
「はいっ、もしもし・・・あ、愛知ちゃん」
愛知は奏海の入院を知らせるべく香に電話をかけていた。
「え!?うん、わかった!私もすぐ行くね!!」
香は愛知からの電話を切った後、速攻ロビィに電話した・・・・(余計なことを・・・)
『プルルルル・・・・』
「Hey!ThisはTakashiのTelephoneだよー!・・・OH!!Kao~ri!What??
・・・・OH!??!?ThisはReallyかい!?NO~~~~!!!SoonにShuにもTellするよ!!」
奏海の入院は伝言ゲームの様にどんどん伝わっていく。
『プルルルル・・・・』
『はいもしもし』
「Hey!Shu!!!Terribleだよ!!」
『今度は何・・・?』
秀は少し嫌気が差している様だ。
「Oh!!Attentionするんだよ!NowからMeがSpeakすることを・・・!」
いいから早く言えって・・・
『え、奏ちゃんが?』
「Yes!!Terribleだろ!!MeとTogetherにHospitalへ・・・」
『でも・・・俺が行ったらまた熱が・・・』
どうやら見舞いに行くことをためらっているらしい。
「What!?YouはCute GirlのことをLoveじゃないのかい!?Ohー!ItなShuなんてMeは・・・Meは・・・・・!!!」
ロビィは少し震えながら言った。
「Dislikeだよ!!!!!!!!!!!」
プツッ・・・・プー・・・プー・・・・
「ロビィ・・・」
突然切れた電話を見つめ、秀はつぶやいた。
今行かないと後悔するかもしれない。
でも・・・
―――ピンポーン ピンポピンポピンポピンポーーーン
「はーい・・・!?」
「Hey!MeはNowのShuはDislikeだからMeがLikeなShuにGo Backしてもらうよ!!」
ちょっとカッコイイじゃないか、ロビィ。
「えっ・・・・」
「MeとTogetherにCome!!!」
ロビィは腕を引っ張って秀を連れ出した。
「お、おいっ・・・離せよっ・・・・」
秀の意見を無視して引っ張るロビィ。
「離せ・・・おい・・・離せって!!!!!!!」
「What?」
ロビィは秀の腕を離した。
「俺・・・行かないから」
今更何を言うのか。病院はすぐそこだというのに。
「何を言うとんねんグチグチと!!!!お前も男やろ!!!彼女のこと大事とちゃうんか!」
なんと。ロビィが関西弁を話しているではないか。
「それを今更なんだんねん!!!しっかりしなはれしっかりし!!」
どっかで聞いたことあるぞ、ソレ。
「ろ、ろびぃ・・・今関西弁・・・」
初めて見る親友の姿に秀は驚くばかりだ。
「頼んまっせー!頼んますーー!!!!」
ロビィは秀の襟首を引っ掴んで病院へ入って行った。
「離せっ!!!」
「えぇい!!だまっとれ!!!!」
どんどん人格が変わっていくロビィだった―――




