34日目 Where is True Love?
「これでいいんだ・・・」
秀は中庭で1人ぽつりとつぶやいた。
「これ以上奏ちゃんを傷つけるわけにはいかないんだ・・・」
もう1度自分に言い聞かせるように言ってから、ふと顔を上げた。
向こう側の窓にはパジャマ姿で走る奏海が見えた。
「奏ちゃん!?そんな・・・」
さっきまで寝ていたはずなのに。
そしてその後ろには奏海を追いかける香が。
「誰か足りないような・・・」
秀は少しだけロビィのことを気にした。
しかし今はロビィのことを考えている場合ではない。
今会えば離れられなくなってしまう。
出発はもう3日後に迫っていた。
それまで避けなければ。何としても、奏海には会ってはいけない。
「秀センパーーーーーーーーーーーーーイ!!!!!」
奏海は必死に走る。
「奏ちゃん、寝てなきゃダメよっ」
「イヤっ、秀先輩!!!!」
「奏ちゃん!」
奏海は香を振り切ってひた走る。
しかし、目の前にとてつもなく大きな障害物が。
「Hey!MeをForgettingするなんてVery bad!!MeはThis StoryのHeroなのに!!」
ロビィはForgettingされたことを根に持っている。
つーかお前はHeroじゃねぇっ!!(作者つっこみ)
「Yoっ、Yo!!YouはMeをForgettingだよ!?Understandかい!?」
某ゲッ○!のポーズでロビィは奏海に迫る。
「どいてください!!」
奏海は未だかつてないレベルでロビィを睨んだ。
「Oh!??!?!?What!??!?」
ロビィはたじたじである。
「どいて!!秀先輩に用があるんだから!!」
奏海はロビィを突き飛ばすようにして、再び走り出した。
―――が。
「ロビィMagic!!!!!!!!!!!!」
ピタッ
奏海の足が廊下にへばりついた!!あの恐ろしい技を使ったのだ。
「お、何だこの段ボール!?」
秀と同室の米原 島は帰ってくるなり山積みにされた段ボールに驚いた。
「おかえりー。さすがにそろそろ荷造りしないとマズイからさ・・・」
秀はいそいそと自分の荷物を段ボールに詰めていく。
「そっかー。急に留学決めたんだもんな。がんばれよ」
島も一緒に荷造りを手伝った。さすがにルームメイトに留学することを秘密にしておくわけにもいかず、秀は島だけには事情を話していた。
「そういやさー、さっき帰ってくる時に炉火井と女の子2人が廊下で何かやっててさー」
「え!?」
多分奏海たちのことだ。
「女の子1人がパジャマでさー。“足が動かないー”とか言っててさー」
(まさかロビィMagic・・・?)
秀はだんだん不安になってきた。奏海が心配だ。
「あの後どうなったんだろー。炉火井がさー“Forgetting-!!”とか叫んでたしさー?」
島は腕組をしながら考えている。
(奏ちゃん・・・大丈夫かな)
「いい加減にしてください!!」
「No!!!YouがMeをPriorityするまでMeはNot Moveさ!!!」
ロビィと奏海はまだ争っていた。
「この変な術、解いてくださいよっ!!」
「Wha~~t??」(発音:うわぁ~っと???)
ロビィは聞こえないふりをしている。
(もうっ!!やっと寮の中まで来たっていうのにー!!!)
高等部男子寮を入れば秀の部屋はすぐそこだ。
しかし今はとてつもなく遠く感じられる。
「おいっ、さっきからうるせーぞ!人の部屋の前で何やって・・・奏海?」
「あっ・・・・大宝くん」
「Oh!!Taiho!!!YouもCute GirlにMeをPriorityするようにSayしてPlease!!!!・・・・Nn????You達はKnow合いかい??・・・・Nn???Whatしたんだい??」
ロビィですら気づく、このただならぬ空気。
「あーえっと・・・その・・・奏海は俺の・・・・元カノなんだ」
「・・・・・Wha・・・・!??!?元Sweetheart!??!?」
「久しぶり、奏海。元気だった?」
「う、うん、まぁ・・・・・・う・・・・・」
熱のある中走り回った奏海は次の瞬間、大宝の腕の中に倒れこんでしまった―――
「島!やっぱ俺、ロビィを見てくるよ!」
「おぅ、確か、入り口入ってすぐの廊下だったぜ~」
秀は部屋を出て、辺りを見渡した。
そこにはなんと、奏海と抱き合った形になっている大宝が・・・
「奏ちゃん・・・」
「Oh、Shu!!・・・・・Ha!!!!!Misunderstandだよ!!!Cute GirlとTaihoが元Sweetheartで・・・・Ohっ」
ロビィは余計なことを口走った。
「元・・・恋人・・・」
「No~~~~~~~~~~~!!!Shu~~~~~~!!!!」
“オーマイガー”と言わんばかりに頭を抱え込むロビィ。
「秀ぜんばいーーーー」
奏海は秀にロビィMagicを解く様に懇願した。
「あ、うん、1・2・3、ハイ!ゆっくり足あげて~・・・」
「Oh-・・・」
技(?)が解かれてロビィはつまらなさそうだ。
「HA!!!それよりShu~~!!!!」
「ロビィ!奏ちゃんに謝れよな!」
「Oh???」
どうやら秀は頭に来ているらしい。
「Oh??O~~~h・・・Sorry・・・」
とりあえず謝るロビィ。
「よし、それでいいんだ。じゃ。」
秀は去ろうとした。
「ちょっと!!!」
「え??」
香が叫んだ。
「奏ちゃんの元Sweetheartよ!?Whyに何もSayしないの!?」
「Oh~~!!!Kao~ri・・・Thisは・・・」
「だって俺・・・・奏ちゃんの彼氏である資格なんてないから・・・」
(そんな・・・)
奏海は目の前が真っ暗になりそうだった。
「・・・は!?」
香は秀の言葉にキレそうになっている。
「だから―――」
――――ばっちーん!!!!!
香の平手打ちが秀の頬を直☆撃!
「わ、わわわわわわわわわWhat!???!?!?Kaori!??!?」
「香・・・?」
「痛って・・・」
「奏ちゃんの気持ちはどうなるの??」
「香、私はいいから・・・」
「良くないでしょ!!!!!!!!!!」
香は腰に手を当て、秀の前に仁王立ちした。
「1人で勝手に決めつけて、奏ちゃんの気持ちは!?結局自分のことしか考えてないじゃない!!!」
香の目からはぽろぽろと涙が零れ落ちる。
「Oh、Kao~ri・・・」
「香ちゃん・・・」
「私はっ!!奏ちゃんも秀先輩もみんな大好きだもんっ・・・!!」
「Oh!?」
ロビィは微妙にヤキモチを妬いている。
「香、私もういいから・・・・・」
奏海は4人に背を向け、自分の部屋へと歩き出した・・・




