31日目 complexity
「奏海!待てヨ!!」
「佐久良先輩・・・」
2人は公園のベンチに腰掛けた。
「俺は“かなちゃん”じゃなくて“奏海”だけを見てるゼ。お前泣いてばっかりじゃねーカ。もう秀には任せらんねぇヨ・・・」
佐久良は奏海を真剣に見つめる。
「佐久良先輩・・・でも私・・・」
「良いんダ。奏海が秀を好きなことは知ってル・・・だからすこしずつ・・・ナ?」
今日の佐久良はいつもの佐久良とは一味違う。
―――ガサッ
「え?何・・・?」
草村の向こうで何かが動いた。
「誰かいるのカ!?出てこいヨ!!」
佐久良が草村に向かってファイティングポーズをとる。
「・・・・フフフフ・・・・」
怪しげな笑いとともに、沖島女学院の制服を着た女子が顔を出した。
「佐久良くん!!フィアンセの私をお忘れですの!?」
「え、花子!?!??!?」
草村から出てきたのは、滋賀 花子、佐久良のフィアンセである。
「私というものがありながらそんな子に告白してー!!!もうーーー!!!ムキーーー!!」
花子は佐久良に噛みついた!
「ギャーーーー!!!!」
佐久良の悲鳴が公園に響く。
「・・・佐久良先輩、フィアンセがいるのに私に告白したんですか・・・?」
奏海は佐久良を白い目で睨む。
「違ウ!違うゾ!!信じてくレーー!!っていうか離してくレ!!花子!!」
「佐久良くんからプロポーズしてくれたのに!!大きくなったら結婚しようねって!!毎日一緒に遊んで、愛もはぐくんで・・・・!それなのに・・・!!そんなっ!!!」
ぶわーーーーーーーーーーーっ
花子は泣き崩れてしまった。
「最低・・・・・」
ポツリとつぶやいた奏海の声が佐久良にも届いた。
「なんだヨ!!俺に相談もしないで沖島に進学したのは花子だロ!?一緒にフジヤマの高等部に行こうって言ってたのニ!!!だから俺は今奏海との愛を育んでるんダ!!」
「育んでません(キッパリ)」
佐久良は拳を握って、
「これから育むんダーーーーーーーーーーー!!!」
力いっぱい叫んだ。
もうわけがわからない。
「ひどい!!佐久良くんは花子のこと嫌いなのねー!?」
「・・・いやっ、そういうわけじゃ・・・!」
「ひどいっ、ひどいわ・・・・!」
「佐久良先輩・・・・」
「ふ・・・・2人とも好きダーーーーーーーーー!!!!」
佐久良は勢いに任せて問題発言をしてしまった。
「「最っっ低!!!!!!!!!!」」
二兎を追う者は一兎をも得ず。
「待ってくレーーーーーーーーーー!!!!」
佐久良はただの女たらしだった・・・・
「先生、私やっぱり外部受験します。」
“カナちゃん事件”から数週間。
秀とはあれから会っていない。
もしかしたら一度離れてみた方が良いのかもしれない。奏海はそんな風に考えていた。
「そうか・・・残念だなぁ。でも先生は三上がどんな進路を選んだとしても応援するぞ!」
「先生・・・ありがとうございます!」
「OH!!!!!!!!!!!!!」
「「!?」」
どうやら隣の部屋にロビィがいるらしい。
「ロビィ先輩・・・ですかね???」
「あーバスケ留学の再勧誘じゃないかな??なんだか伊吹くんもキャンセルしたとかで・・・」
「えっ!?」
ホッとした様な・・・奏海は複雑な心境だった。
(でももうあまり関係ない・・・かな)
「と、とりあえず外部受験の件、推薦で進めておくから、志望校決まったら教えてくれ」
「はい、失礼します」
「OH!!!!!!!!!!!!!」
こちらは奏海が隣の部屋にいるとは知らないロビィ。
なんと赤穂と話していた。バスケ留学の件ではない様だ。
「だからあんたのレポートが教授に褒められたんやって~」
「Meの!?Reportが!?!??Ohっ、ThatはKaoriにHelpしてもらった!!」
どうやら先日、香と一緒に仕上げたレポートが付属大学の教授の目に留まったらしい。
「あんた社会科のセンセにならへん?」
「What!???!??!?」
ロビィの夢は教師になること・・・しかし体育教師・・・
「Oh!!ThatはNOだよ!!!!」
右手を前に突き出し、はっきりと断った。
「まぁまぁ、そう言わずにちょっと考えてみてーな」
「O、O~~~h・・・」
ガラガラガラ・・・
ロビィは少し悩みながら進路指導室から出てきた。
廊下の先に奏海の姿が見える。
「Oh!きゅ~~~~とが~~~~~・・・・・N???」
飛んで行って声をかけようとしたところ、先に誰かが奏海の肩を叩いた。
「Whoだい??」
ロビィはこっそり後を付けた。
「oh・・・WhatをSpeaking?」
少し遠いので会話までは聞こえない。ただ1つわかるのは奏海の話し相手が中等部の男子生徒だということ。
「Cute Girl・・・HeはWhoだい・・・?Oh~~Shuは・・・Shuは・・・」
「ろびぃくん??」
「WAO!!!!!!!!」
日野がロビィの肩をつついた。
(そうだ、日野さんにConferenceしよう!ShuのBrotherだし・・・Ohっ)
「Hey!!日野Sa・・・・」
「あーーーーーー奏海ちゃんだーーーーーおぅ~~~~~~~~~い!!!」
(OHっ!!!!!!!!!!!)
日野は大きく手を振りながら奏海の方へ駆けていく。
(No!!!!!!!!!!!!)
ロビィの思いとは裏腹に日野はどんどん奏海に近づいていく。
「あっ、日野先輩こんにちはー」
「どうもー」
奏海と話していた男子生徒は日野に頭を下げた。
「Hey!!!Cute Girl!!!!!HeはWho??!??!?!?」
やはり気になるロビィは遠くから叫んだ。
「!?ロビィ先輩いつからそこに!??!?」
「ロビィ先輩じゃないですか!!!!」
男子生徒がロビィを見て目を輝かせた。
「Oh・・・Youは・・・確か・・・」
「はい!中等部バスケ部の小谷 竜王です!!」
どうやらロビィの知っている人物だったらしい。遠すぎて顔がはっきり見えなかったらしい。
「Oh~Youだったのかい~!Non Non!!」
ロビィは首を横に振った。
「YouはMeの親FriendのSweetheartとWhatをSpeakingしてたんだい!」
すごい顔で竜王に詰め寄るロビィ。
「えっ・・・福祉科について・・・俺も外部受験で福祉科のある学校受けようと思ってて・・・」
「Oh???HereのWelfare科にComeするんじゃないのかい??」
「うちの学校に福祉科ができても1年目っていうのはちょっとなー」
「そうそう」
竜王の意見に奏海は頷く。
「Nー・・・MeはGoodだとThinkだけどね」
ロビィはあごに手を当てて考えた。
「ロビィくん、奏海ちゃんたちの人生を邪魔しちゃいけないよ」
日野はつぶやいた。
「Oh、But!!ShuにはWhatとSayするんだい!?ShuはStudy abroadをRefuseしたっていうのに!」
「えぇ!?伊吹先輩が!?」
「しゅーが!?」
竜王と日野が声を上げた。
「OHっ、日野さん!YouはShuのBrother!ShuにもっとよくThinkするようにSayしてPlease!」
ロビィは日野に詰め寄った。
「え!?伊吹先輩のお兄さん!?」
竜王はまた驚いた。
「ろびぃくんー!しゅーはどこにいるのー!」
日野が秀を探しに走り出そうとしたその時。
「失礼しましたー」
秀が目の前の教室から出てきた。
「しゅーーー!!」
「Shu!!!!!」
「伊吹先輩!」
「・・・・」
3人が秀に駆け寄る。
「バスケ留学断ったって・・・?」
日野が切り出した。
「あーうん・・・・外国へ行くほどの自信なくってさー・・・」
「OH!!!Shu!!Cute GirlがOther high schoolをTake an examinationだって!!」
(・・・・!!ロビィ先輩のおしゃべり!!)
「いやぁ、一緒のトコ受験しようぜーなんて話しててぇ~」
竜王が誤解を招く発言をした。
「What!?YouはCute GirlをLoveなのかい!??!?」
「やだなぁロビィ先輩ってば!先輩“も”三上Loveなんですかー??」
「OH!?ThatはNot!!MeはKaori Onlyだよ!!」
「かおり・・・・?香!?」
竜王がまたまた驚いた。どうやら何かあるらしい。
今まで黙っていた奏海が口を開いた。
「竜王くんは香の元カレですよ、ロビィ先輩」
「Oh??Whatだって??Now、StrangeなThingがHearできたけど・・・?」
「だから、竜王くんは香の元カレなんですってば。」
「・・・・・・・・!?」
ロビィ衝☆撃!
「O、O~~~h、Cute Girl、そうHeartをUseしないでくれたまえ。何度もSayしなくてもOKだよ、oooh」
ロビィはぎこちないスキップで去って行こうとする。
「待てよロビィ!香ちゃんに元カレがいても不思議じゃないだろ」
秀はフォロー(?)を入れた。
「Oh??Meは何もThinkしてないよ??OH??ItよりShu!!WonderじゃないってWhatだい??」
「え、だってほら香ちゃんって可愛いし・・・」
フォローのつもりだった。
「What!?!?」
「何だとう!?!??」
「秀先輩!!!!!!!」
「しゅーー・・・・」
ロビィ、竜王、奏海、日野は秀を睨んだ。
「Oh??Ta・Tsu・Oくん??YouがWhy、HereでAngryになるんだい?NowはCute GirlにLoveなんだろう??」
「う・・・・・」
どうやらまだ少し香に未練があるらしい。
「“う・・・・”とはWhatだい!?Oh、Oh、Ta・Tsu・OくんYo~~!」
ロビィは竜王に絡み始めた。
「あれ??みんなそろってどうしたの??」
向こうから香がタイミングよくやってきた。
「Oh!!!!KAORI!!!!!TatsuoとBeforeにSweetheartsだったってReallyかい!?」
「ちょ、ロビィ落ち着いて(汗)」
ロビィはすごい剣幕で香に迫る。
「NowもTatsuoはKaoriにRegretがあるんだよ!」
「え?」
香は竜王を見た。
「なななななななななな何言ってんですか!!!俺は今三上が好きで・・・・はっ」
竜王は勢いで告白してしまった。
「えーっと・・・小谷くん・・・・・(汗)」
奏海は戸惑っている。
「No!!!!!!!!Cute GirlはMy親Friend、ShuのSweetheartだよ!!!!」
「てかたっちゃん、未練・・・?」
「Oh・・・Tacchan・・・????OH・・・・Meは・・・Shockだよ・・・」
ロビィは凹んでしまった。
「Meは・・・Meは・・・・!!!!!!!!!」
ロビィは影を背負いながらそのまま走り出してしまった。
「あ、おいっ、ロビィ!!!」
秀はロビィの後を追った。
(秀先輩ったら・・・私を小谷くんにとられてもいいわけ!?)
複雑に絡まる関係の糸は、いつになったらほどけるのだろうか―――




