11日目 Contrary
イエズス会病院は町の中心にある、新しい病院である。
「多可志はどこですか!??!?」
秀は看護師にロビィの病室を訪ねる。
「たかし・・・?」
「炉火井多可志です!!!!」
「えっと・・・(これろびいって読むんだ・・・)503号室ですね。そこをまがって・・・」
秀はすでにいなかった。
続いて奏海がやって来た。
「炉火井多可志さんのお見舞いに来たんですけど・・・」
気持ち悪いくらいに落ち着いた奏海は看護師に尋ねる。
「503号室です。そこをまがって・・・」
奏海は音も立てずに消えていた。
「多可志ーーーーーーーー!!!」
秀は503号室の扉を開けて、親友の名を叫んだ。
「秀先輩、しーーーっ!!!!」
香が口の前に人差し指を立てて、秀を見る。
どうやらロビィは眠っているらしい。
「Oh・・・Shu・・・Sorry・・・・・Meは・・・・Foolだ・・・」
ロビィはうなされながら寝言を言っている。
「炉火井ーーーーーーーー!!!(怒)」
続いて奏海が飛び込んできた。
「「しーーーーっ!!!」」
香と秀は揃えて人差し指を口の前に立てる。
「・・・Meの親Friendは・・・Shu Only・・・」
ロビィは激しくうなされている。
「ロ、ロビィ!!!目を覚ましてくれロビィ!!俺もっ!親Friendは多可志Onlyなんだ!!」
秀は涙を浮かべながらロビィの身体を揺すった。
「秀先輩っ!!」
香は慌てて秀を止めた。しかし・・・
「Wake upだ、多可志!!多可志はKIMOくない!!本当だから!!!!」
(めちゃくちゃだわ、秀先輩ー!!)
奏海はここまで秀を追い詰めてしまったロビィにますます腹が立ってきた。一発殴ったら目を覚ますんじゃないかと思うくらいだ。
「秀先輩、落ち着いてくださいよーー!!」
ロビィは倒れてからの香は、ロビィ語を使っていないので、普通の女の子に戻っていた。
「香ちゃん!!!多可志をこんな目に合わせたのは俺だ!!多可志にもしものことがあったら・・・!」
そう言っているとまたロビィが寝言を言いだした。
「Oh~~~~Grand motherがSee・・・・Oh??Thatは・・・・Flower畑・・・」
「「「GoしちゃNO~~~~~~~~~~~~~~!!!!」」」
秀と香と奏海までもが思わずそう叫んでしまった。
「Nn・・・・?」
3人の思いが通じてか、ロビィが目を覚ました。
「Oh??HereはWhereだい?」
「ロビっ・・・・・」
「多可志ぃいぃいいいぃぃぃいぃ!!!!!!!!」
香が抱き付くより先に秀がロビィに抱き付いた!!
「OH!??!?!??!?Shu!??!??!?」
ロビィに先ほどのKIMOIショックがよみがえる。
「多可志!!!俺っ!!!俺ぇ~~~!!!!」
「Oh・・・・・Meは・・・・」
なんだかとても複雑のようだ。
「ロビィ先輩」
そんな2人をよそに奏海は仁王立ちして言った。
「秀先輩ってばすっごく、すっっっっっっごく心配してたんですよ!!早く治らなかったら私が許しませんよ!!!!」
すごい剣幕だ。
「O、Oh・・・Cute Girl・・・Understandだよ・・・MeはNowすぐにSpiritになるよ!」
「ロビィ!!!!!!!!!」
香はロビィに抱き付いた。
「Oh~~~~~~~~~~っ、Kao~~~~ri~~~!!!」
「ロビィーーーーーーー!!よかったよぉおぅうぉぉおぉ・・・」
「OHOHOHOHOHOH、MeのKao~~~~ri~~~!!!」
香とロビィは涙を流して抱き合っている。
「出ようか、奏ちゃん。」
そんな2人を見て、秀が提案する。
秀と奏海は外に出た。
「奏ちゃん・・・あの・・・さっきのことなんだけど・・・」
秀は先ほどの奏海の大胆発言のことを持ち出した。ロビィが倒れた直後の“私がいるじゃないですか”発言である。
「あぁ・・・・あれはえーっと・・・・気にしないでください。秀先輩弱ってたし、励まそうと思って、言っただけなんで。別に本気じゃないし・・・・」
奏海は明らかに強がっている。
「奏ちゃん・・・ゴメン。」
「あ、あ、あ、謝らないでください!!私別に気にしてませんから!!!」
奏海はそう言い残して走り去った。
(奏ちゃん・・・・・)
秀は走って行く奏海の背中を見ながら、自分の不甲斐なさを恥じていた。
数日後。
奏海は担任の白洲に呼び出されたので、学園の中心にある職員棟に向かった。
「失礼します。中等部の白洲先生はいらっしゃいますか」
「おう、三上、呼び出してすまないな。こっちへ座れ」
白州は自分の隣の席の空いている椅子を引っ張り出して奏海を座らせた。
「失礼します。高等部1年伊吹です。奥羽先生はいらっしゃいますか」
そこに偶然、秀がバスケ部顧問の奥羽を訪ねてやってきた。フジヤマ学園の教員室は学園全体で共同になっていて、ワンフロアを形成している。
「秀先輩・・・・」
「あっ、奏ちゃん・・・」
2人は気まずそうに目を合わせた。
「おー、伊吹、こっちだこっちー!」
秀は奥羽に呼ばれて、行ってしまった。
「・・・で、三上。例の件はどうするんだ?」
白州は奏海に問いかけた。
(例の件・・・?)
かろうじて聞き取れる、奏海と白洲の会話を秀は耳をダンボにして聞いていた。
「はい・・・やはり外部を受験しようと思っています」
(外部受験!?)
季節は秋。中3の奏海は受験生真っ只中である。外部受験の話も、あっておかしい話ではない。しかし、フジヤマ学園は初等部から高等部までのエスカレーター式。わざわざ外部を受験する生徒は少ないのだ。
「そんな!?俺たちHigh school LifeをTogetherする約束だったじゃないか!?」
ガタンッと音を立てて秀は立ち上がった。
「してませんよ!!!・・・ていうか盗み聞きしないでくださいっ!!」
奏海は精一杯否定してしまった。秀は大きなShockを受けている。
「まぁまぁ伊吹。盗み聞きはよくないぞー!?というか、先生の話を聞いてくれ・・・」
奥羽は秀をなだめると何やら神妙な顔で話し始めた。
奏海も、秀と奥羽の会話の内容が気になったが、自分の将来の相談を優先させた。
教員室の外ではすっかり元気になったロビィが秀を待っていた。
「Oh!Whatだったんだい??」
ロビィは奥羽に呼び出された理由を知りたがっている。
「ロビィ・・・実は・・・バスケで有名な監督が誘いに来てるらしいんだ・・・」
秀に引き抜きの話が来たらしい。
「AbroadへGoするのかい?ShuがいなくなったらOur teamは・・・!Oh!?」
「まだわからないけど・・・」
「Wow・・・バスケットBallのため・・・MeはAidするよ、Shu・・・」
なんだか切ないロビィだった。
「Oh、そういえばCute GirlのVoiceがしたけど?」
秀はハッとした。
(そうだ、もしかしたら奏ちゃんに会えなくなるかも・・・)
しかし秀にはどうしようもできない問題であった。
中等部3-F。
「奏ちゃんおかえり」
教室で数人と固まっておしゃべりをしていた香は、奏海が戻ってきたのを確認すると、駆け寄ってきた。
「先生、なんだって?」
「うん、ちょっとね・・・」
奏海は外部受験の話を香にもまだできずにいた。
「うーん・・・?そういえばさっき秀先輩が来たよ?」
秀は職員室で聞いた話を確認するべく、奏海を訪ねてきたらしい。
クラスの女子たちが色めきだっているのはそのせいだったらしい。
「さっきの先輩かっこよかったね~!!」
「高等部バスケ部の伊吹先輩だって~!!」
秀は大人気のようである。
最近、ロビィのせいで存在がうすーーーくなりがちな秀だが、彼はイケメンの部類に入る端正な顔立ちをしている。
「高等部バスケ部といえばロビィ先輩よ♪」
秀のことで騒いでいる女子達に香が首を突っ込んだ。
「ロビィ?」
知らない女子達は首を傾げた。そりゃそうだろう。普通に中等部で生活していればロビィなんて知らないはずだ。
・・・そう、“普通に”生活していれば・・・
「Shiらないの?ロビィ様のことならWaたしに聞いてくださいな!」
んん?この声は・・・
「近江さん・・・?」
「Aら??」
フジヤマ学園高等部の制服を着たフジ子がそこにいた。
「何やってんですか!?」
「Waたしのロビィ様の話をしている子たちがいたからKiたのよ!」
奏海はなんだかすべてがどうでもよくなってきた・・・
「香、私、秀先輩のところへ行ってくる・・・」
「待って、MeもロビィのところへGoしたいからTogetherしましょ♪」
そうして2人は高等部へ向かった・・・
さて、次話でノート1冊目が終了です。
なかなか秀と奏海は仲直りできないでいますが、どうなるんでしょうねー!?




