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異世界で大航海!?  作者: フェル
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目指せ海賊団結成!? まずは拠点確保からでしょ

 五助さんが離れに通される。

「おはようございます、フェルさん。」と五助さん。


「おはようございます。お待ちしていました。」


「で、実際には何をしましょう。」と五助さんが問います。


「船と人と商品を扱って貰います。皆が揃ってからまた詳しく話しましょう。まずは、工房にいきますよ?」


「お供します。」と五助さん。


「おリョウさん、工房まで出かけてきます。何かあればご連絡お願いします。」


「承りました。いってらっしゃいませ。」とおリョウさん。


 工房に到着。忙しそうに働いているおトキさんの姿も見えた。

「おはようございます、航海者のフェルです。こちらは仲間の五助さんです。」と工房の方に声をかける。


「お、おはようございます。」いきなり振られた五助さんは少しどもる。


「おはようございます。今日はどのようなご用件でしょうか?」と工房の主人が対応してくれる。


「布団と枕についてご相談があります。」と切り出すフェル。


「はぁ、どういった件でしょうか?」


 船倉より羽毛1樽を取り出し工房の主人に見せる。


「鳥の羽です。これを使って布団を作ってほしい。鳥の羽は軽く 良く空気を含むので暖かい そして 柔らかいんだ。 それを使う。」


「面白そうな話だな。で いくついるんだ?」


「大雑把に要件を述べると 下に引く布団、長さ6尺、幅3.5尺程度かな、これは堅めのがいい。上にかける布団、長さ4.5尺、幅3.5尺これは鳥の羽で頼む。枕は硬め~少し柔らかめのがいい。どうだろうできそうか?材料として鳥の羽は10樽ほど置いていく。不足があれば言ってくれ。で 代金だがいかほどになりますか?」


「フェルさん、大体、こんな感じかな。決まってないのは、、、布団の布はどうするね。」


「素材に綿生地や絹生地って扱いありますか?」と主人に尋ねる。


「いいや、在庫はないな。」


「石塚屋から融通可能か相談してきます。直ぐもどりますね。」とフェルが言う


「お待ちしています。」と工房の主人が応える。


 急いで戻るフェル。石塚屋番頭さんに素材の相談をする。

「番頭さん、先日話があった生糸ですが若干 融通してほしいです。」


「今ならば生糸10樽ほどならば都合つきそうです。」


「言い値ですべて買わせてください。」


「毎度ありがとうございます。で、今度は何を始めるのですか?」


 生糸10樽を絹生地8樽に加工する。

「これだよ。」と絹生地を見せるフェル。


「はぁ~。相変わらずお見事ですな。で 絹をお売りいただけるので?」


「いやいや、工房でもうひと工夫入れますよ。番頭さん、楽しみにしておいてね。」急いで工房に戻るフェル。五助も急いでついていく。


「行ってらっしゃいませ。」お辞儀をする番頭さん。


 そして工房に到着。

「すみません、戻りました。」


「お帰りなさい。いかがでしたか?」と工房の主人が確認する。


「鳥の羽10樽、絹生地8樽までは用意できました。他に入用なものは任せします。できれば布団と枕を何組か作ってほしい。代金は銀貨1000枚でどうだ?」


「とりあえずそれをお預かりしときます。試行錯誤がございますので不足時はご相談とさせてください。石塚屋さんにご逗留で良いですね。」


「石塚屋のお世話になっている。週に一度は連絡を取るようにします。不在時には伝言を頼みます。帰港し次第、お邪魔しに来きます。」


「鹿島や石岡でのお塩について聞き及んでますよ。」


「まじかw」少し照れるフェル。やっちゃってる感があるのかも。


「ハハハ。」と工房の主人はほほ笑む。これは新しい寝具になりそうだ。儲け話に笑顔が絶えなそうだった。


「数日したらまた戻るのでその時に出来具合を見に寄ります。」


「はい、またのお越しをお待ちしています。」


「おトキさん、明朝、待ってるね」と軽く声をかけるのも忘れない。

 軽くお辞儀するおトキさんの姿があった。


 石塚屋に戻る道中、「五助さん、どうだろう。寝具って面白そうだろう?」


「よくわかりません。ムシロで十分の気がしますが?」


「そうかも知れない。そうでないかも知れない。あるとことには需要があり、思わぬところで商機になるんだ。」単にムシロになれないフェルというか、中身の遠野だった。


「へぇ。」半信半疑の五助であった。


 石塚屋に戻ると旦那様とばったりあった。

「フェルさん、丁度、人をやりに行くところでしたよ。」


「ただいま戻りました。で、何でしょうか?」


「岡部様、小瀬様、甚八さんがお越しです。どうぞこちらへお越しください。」


「はい」と返事をし、五助を伴い奥の間に入る。


「フェルを連れてまいりました。」と石塚屋の旦那が断りを入れる。


「入ってください」と小瀬が許しを置く。


「お久しぶりです、岡部様、小瀬様、甚八さん。」とフェルが挨拶をする。横で控える五助。


「おはようございます。フェルさん。製塩の件は石塚屋さんから伺ってるよ。石岡の方からも話が届いている。お力を見せて頂き満足している。」と岡部が言った。


「恐縮です。で、本日の御用向きは?」と先を促すフェル。


「フェルさんの配下に甚八を入れてほしい。」と続ける小瀬。


「え、見回りの伍長さんですよね。」


「まぁ、そうなのだが。小瀬は何かと仕事があり、警護衆の任にあるもので適切な人員であり、フェルさんと知見があるのは甚八と思い。この人選になった。」と岡部が説明する。


「これはお目付けでございますかな? 承りました。 配下の者には船、商い、荒事の三拍子がないと務まりません。宜しいですかな? 甚八殿。」


「河育ち故、船には自信があります。警護衆なので荒事にも。ただ商いはチョット。」と正直に話す甚八。


「商いについては石塚屋さんにもご相談にのって頂けるでしょう。すべて一人でしょい込むこともないかと、仲間には五助さんもおトキさんもいますから、それに交易経路は自由に設定するものでもなく、岡部様、小瀬様とご相談の上でとなりましょう。」と受け答えするフェル。


「そうですね、石塚の町として敵の街と堂々と交易されるのは困ります。」と答える岡部。


「で、如何しましょうか?」と率直に岡部に問うフェル。


「正直に申しまして、大掾は佐竹に属しています。が常陸国の中で、佐竹に属するのは長倉、真壁、大掾、佐竹北家、佐竹東家を中心としています。私、岡部も小瀬も大掾の流れを組みます。一方で下野国の宇都宮、常陸国の小田は敵と言えば敵ですな。フェルさんが仰っていた烏山は那須であり味方とも言い難いですよ。」


「血縁関係や味方・敵が良く分かりません。まず烏山の位置からして塩が入手困難でしょう。那珂川を経て塩を持ち込めば儲けになります。また生命線を支えてくれる味方ならば逆に攻めて来ないとも言えるはず。烏山とは和を持って富国強兵が望ましいかと思います。」フェルが問いかける。


「はい、それも策なれど、上那須と下那須の両家の戦いで下那須が統一したばかり、いまだ疲弊しています。これぞ攻める機会とも取れませんか。」と岡部が答える。


「攻めますか?じゃあ、甚八さん、いきますか?」と軽いノリで聞くフェル。


「滅相もない。」と逃げ腰の甚八。


「相手が疲弊している時こそ、攻めるのも手、手を差し伸べるのも手と言えましょう。ただ和を持ち交易のあたりはまだ中立で済みませんか?」と続けるフェル。


「ふむ。当家としては不問。見て見ない振りをすれば宜しいでしょうか?」と岡部が問う。


「所詮、交易に過ぎません、烏山の件はそれでお願いします。されど太田原には船を入れません。距離を置く予定です。」


「なぜに、太田原は外されるのですか?」と確認する岡部。


「太田原までは川筋が更に細く、船を入れ難いと見ています。」フェルは船の影響を心配していた。


「陸路があるのでは?」と岡部が問う。


「陸路は石塚屋さんにご相談下さい。私は河岸・海運を極めます。」


「なるほど。それも道理ですな。」と応える岡部。


「あと、鹿島を交易経路に入れるのはなぜでしょう?鹿島は味方ではありませぬぞ。」と確認する小瀬。


「私の船団の水夫は皆、鹿島湊で雇ったものです。海の者が故郷に戻るのになんの差しさわりがありますか? 陸の理で街がどの勢力と見るだけでは実像とは違います。」と当然のようにすますフェルだった。


「鹿島湊を収めている下総の千葉にお味方をされるおつもりですか?」と岡部が気にする。


「いえいえ。海の理として水夫を故郷に返すだけですよ。陸の理だとそう見えるだけです。」とフェルは道理を言い、千葉の味方については曖昧にする。


「確かに陸の理とは別に道理があっても良いかもしれません。」岡部が濁す。


「それと、別に街を開くという話もあったようですがどのようなお話でしょうか?」と岡部が続ける。


「那珂川の河口付近、北か南かに拠点を置きたく思います。お許しいただけるでしょうか?」とフェルが尋ねる。


「那珂川の河口北側は那珂の一族の支配地であり難しいです。河口南側なれば一考の余地がございます。具体的にどのような開拓を成されるのでしょうか?」


「大洗磯前神社の南に新たな湊町を築きます。そこを拠点として発展させ、更に南下し館山、船橋、三崎、下田と海をかけてみたい。大洗湊を作り、交易を盛んにし、より大型船を作っていきます。外洋船を整えれば堺や海外にも届きましょう。近隣の交易より多くの利が掌中に収められましょう。大掾の御殿様に利益の1割をお納めしましょう。勿論、開拓街は御殿様の支配地ですし、投資費用は私が持ちます。得だらけのお話ではないですか?岡部様」


「1割とはなぜでございますか?」と岡部が聞きとがめる。


「はい、利益を更に投資して街の拡大を優先します故、大きくお納めすると発展が止まります。初年の1割が必ずしも2年目の1割とはなりません。2倍、3倍にもなるとお考え下さい。」


「その保証はいずこからきましょうか?」と岡部が確認する。


「ではこれをお見せしましょう。」と手持ちの銀貨の一部を見せてみる。2000万枚の銀貨を見せられ一同唖然とする。

「造船所を作り、工房、道具屋、書庫、酒場、ギルド、民家、農地を順次整えていきます。一大生産地になり町が発展すれば更に船を作り、交易をはかり、常陸国より国内、国外へと羽ばたけるでしょう。因みにこの金額でガレオン船4隻ほど作れます。まぁ、造船所がないと無理ですわ。」


「ふむ。2週間で1隻の船から艦隊を成し、2週間でどのようになるか 興味が湧く話ですな。御殿様に話を通す件、お引き受け致しましょう。」岡部が請け負ってくれました。


「ありがとうございます。」フェルは丁寧にお礼を言った。


「日時など決まれば追ってご連絡いたします。どのようにご連絡いたせば?」岡部が尋ねた。


「希望日は10日後以降が宜しいかと。私たちは明日、おトキさんと合流の上で1週間弱の工程で先ほどの航路をまわって来る予定です。来週までには石塚屋と連絡を取る予定です。いかがでしょうか?急ぎであれば石岡の石井屋さんにフェル宛の伝言をお願いするのも手とは思います。」と尋ねるフェル。


「良いでしょう。」と岡部は答え、小瀬もうなずいている。


「では、お話はここまでとしましょう。」と石塚屋さんが間を取った。


「では失礼致しましょう。色々とやることができました。」と岡部がいい、小瀬とともに去っていく。


「甚八、御役目たのむぞ。」と小瀬がねぎらう。


「大役務めて見せます」と甚八が返す。


「ありがとうございました。」とフェルが礼を述べ。五助はお辞儀をするのみだった。


「では、こちらへ。」と石塚屋の旦那様はお二方を案内し出ていく。


 残ったフェル、五助、甚八はニヤリと笑い。

「で、フェルさん。どこまでが本音なのですか?雲もつかむ話でございました。」と五助が軽く聞いてくる。


「ただ造船所は欲しいよね。」とフェルが本音を溢す。


「なるほど。で、フェルさん。鹿島湊を支配している千葉の家に奉公すれば一番簡単なのではないですか?」と甚八が突っ込む。


「その手もあるな。でも、そうなると甚八さん、御役目が失敗しますよ。」とやり返すフェル。


「違わないや。それだけは勘弁してくだせー。」と半泣きの甚八。


 皆、笑いあうのであった。

(2017/12/17)投稿翌日に誤記とストーリー構成上で改稿を実施しました。

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