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あさみ  作者: 梅子


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5/23

自信

 「あさみ、この子の本当の父親は、誰なの?」

ベンチに座って、紙パックのジュースをちゅーちゅー飲んでいる朝登の横で、僕は切り出した。あさみは、「?」という顔をした。

「本当って?」

「僕が父親なわけないだろ…。会ってないんだからさ…。したのだって、2、3回だよな。」

「したって?何を?」

「とぼけるなよ。寝ただろ…。」

「あー。たーくんのベッド、硬かった!トランポリンみたいだったね…。」

僕の頭には、あさみが裸で跳ね回っていたのを思い出した。それをかき消すように僕は、言った。

「僕以外の人ともしたんだろ?」

「トランポリン?」

「違う!……。キスしたり、服を脱いで抱き合ったり…」

「してないよ。」

「え?」

「してないよー。だって、引っ越して…ずっと体調悪くて、お腹大っきくなって…てんおんせっかいして」

「てんおん?帝王だろ。」

「うん…ほとんどお友達とか…できなかったから。」

僕は、自分くらいしかあさみを抱かないのでは、という疑念を、あさみのあっけらかんとした態度によって、余計に深めてしまった。もし、本当にそうだとしたら?あの子供は…本当に…。僕は、血の気が引くのを感じながら、何とか、言葉をひねり出した。

「嘘だろ…。」

「嘘じゃないよ。」

「……。」

二の句が継げなくなった僕の顔を、あさみは、無遠慮に覗き込んできた。

「どうしたの?」

「…。DNA鑑定とかする?」

「D、N、A、かんてん?」

「僕の子供か、確実に分かるんだ。」

「したいの?」

「えっ?」

「私は、分かってるのに?」

「は?」

「朝登のパパは、たーくん!!だよ!」


 「い、いや、そんなのおかしい…。」

僕の声は、自信満々なあさみの声に比べて、震えていて、いかにも、不安げだった。そんな、僕に、あさみは、詰め寄ってくる。

「じゃあ、すればいいよ。どうするの、かんてん?」

「鑑定…。髪の毛とか、唾液とか…」

「朝登、髪!」

あさみは、僕の目の前で朝登の髪をプチっと抜いた。

「これでいいの?」

「いいけど…」

朝登は、ジュースをちゅーちゅー吸って、全く気にしていなかった。

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