嘘
「…。ごめん。」
僕は、母さんと父さんに頭を下げた。
「僕が悪いんだよ。」
「そういう話じゃなくて…」
「いや、そういう話だよ。母さん、父さん…僕は…僕は…中学生のあさみに、暴行したんだよ。」
「やめて!たっくん。」
「ごめん…。でもさ…あさみは、最初、痛い!やめて!って言ったんだ。それを、僕が、慣れるから、黙れ!って…」
「たっくん…」
「避妊もしなかった。」
「……。」
「それで、あさみは…妊娠したんだ…。でも、わけが分からなくて…分かるだろ、ああいう感じだから…あさみが言うには、気分が悪くて引きこもっているうちに、お腹が大きくなって、診断した時には、7ヶ月だったって…僕のせいだよ。」
「それは…」
「あさみは、子どもができる仕組みさえ知らなかった。なのに…なのに…お腹を切ったんだ…。母さん、父さん、最悪なのは、僕なんだ。代わりに謝るから、あさみを許してほしい。」
「お前、あさみさんが好きか?」
突然の父さんの言葉に僕は、息を呑んだ。
「へっ!?」
「好きなのか?」
「そ、それは…」
「好きじゃないなら、別れたっていいんだぞ。お金をかけて、朝登の人生さえ、保障できれば…あんな、訳のわからない、いや、悪気がないのは分かるが、あんな子を一生抱え込む必要はない。」
「そ、そうよ…。朝登くんを引き取って、慰謝料を渡して…」
「僕は…。…。あさみが好きだ。」
「……。」
「好きだ。」
「ほんとか?」
「うん、本当だよ。父さん達に聞かせることじゃないけど…あさみとは、関係が続いてる…も、もちろん避妊はしてるけど」
僕は、嘘を付いた。まだ、してはなかった。




