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あさみ  作者: 梅子


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23/23

包容

「そうなのね…」

「……。」

「だから、頼むよ。」

「あんな子のどこがいいんだよ…」

父親の呟く声が、僕には、痛かった。いいとか悪いとかじゃない。いいとか悪いとかじゃないんだ。


 その夜、僕のベッドで眠ろうとするあさみを、僕は抱いた。朝登は、下で、父さん達と寝ていた。

 あさみの身体は、前より美しくなっていた。胸も大きく、柔らかくて…腰回りも、弾力があった…。あさみは、おとなしくなって、もう、トランポリン、とか言って、ベッドで跳ねなそうだった。僕は、あのあさみからは、成長しているんだな、と全身で実感した。

「赤ちゃん、できるかな?」

「…。できないよ。」

「えっ!なんで?」

「避妊してるからだよ。」

「ひにん?」

「赤ちゃんができないように、ここを覆ってたんだ。」

「なんで?」

「ここから、赤ちゃんの種が出てくるんだよ。」

「そうなの?…。あの温かいやつ?」

「そ、そう。」

「なんで、ひにん?するの?」

「赤ちゃんを育てるには、お金も大変なことも増えるだろ。それに、あさみの身体が心配なんだ。」

「え?」

「朝登を産んだ時のこと、覚えてないの?辛かったでしょ…」

「あ、あさみは…痛かったけど…がまんできたよ!」

「……。ありがとう。」

「え?」

「ありがとう。あさみ…もうがまんさせないから。がまんしなくて、いいんだ。痛いことは、嫌だって、言ってもいいんだよ。」

「…?」

あさみは、心底、何を言われたのか分からないという顔をしていた。

「あさみ…」

「なーに?」

「僕は、あさみが、好きだ。」

「私も、たーくん、大好き!!」

「……。ありがとう。」

僕は、あさみと朝登と三人で、いや、どこまでも本当には分かり合えないかもしれない家族の中で、一人で生きていくことを受け入れることにした。

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