トラウマ
「…。朝登くんの気持ちになったら、嫌だろ…。」
「えっ?」
「だって、朝登は、3歳の今になって、僕が父親だって知ったんだろ。」
「うん…」
「つまり、ほとんど知らない大人だよ。いや、大人でさえないんだけど…」
「…?」
「だから…つまりさ、知らないお兄さんだよ。そいつがお母さんに、いろいろ、しだしたら、意味もわからないし…その…僕も乱暴になったりして…えっと…もし、その…あさみが乱れてたりしたら、トラウマになるだろ?」
「トラウマって?」
「一生消えない傷ってこと。」
卓人は、言いたくなかったことを全部言わされた気がした。それでも、まだ、あさみが納得していないようだったから、
「僕たちのは、昔から、少し激しめだろ…」
と、つい言うと、
「激しめ?」
と、混乱した顔をされた。
卓人は、中学時代、AVで見たことを実践して、訳の分かっていないあさみに、無理させたことを、今、思い出した。
卓人は、目を見て「あさみ…。」と、改めて呼びかけた。
「何?」
「僕は、責任を取りたいんだ。」
「せきにん?」
「こんなところで…子どもの…朝登くんの前で、するなんて、無責任なこと、できない。」
?
「分からなくてもいいんだ。とのかく、これは、朝登とあさみを、大切にするってことなんだよ。」
「大切?」
「うん…。」
「朝登くん…」
卓人が話しかけると、朝登は、母親を見た。
「朝登くん、今は嫌かもしれないけど、僕がパパだから…。」
「……。」
「よろしく。」
「あさみ、服を着よう。」
僕は、息をふぅと吐いてから言った。
「ぎゅ~は?」
「今度、2人の時に…」
「分かった!」
あさみは、意外に素直だった。
「台所の片付け、一緒にしよう。」
「えっ!?いいよ、お母さんとやるから!!」
「ううん。僕のためにしてくれたんだ。一緒に片そう。」
「…。はーい!」
あさみは、なぜか、少し居心地の悪い顔をしていた。




