欲求
あさみは、小学5年生くらいの女の子みたいに、自分の作ったクッキーを好きな男の子に食べてもらった〜!!という感じで、にこにこしていた。しかし、僕が食べ終わると、「たーくん。」と言って、抱き着いてきた。そして、僕の耳をペロリと舐めた。
「な、何してんだよ!朝登くんの前で…」
僕は本心からそう言った。
「たーくんの耳たぶ、さっきこねた生地みたい!!」
「は?」
あさみは、また、耳たぶをカプっと噛んだ。
「おい!!」
僕の声に朝登が顔を上げた。
あさみは、
「朝登、ママ、たーくん、あっ、パパと、ぎゅ~してもいい?」
と聞いた。朝登は、
「パパともぎゅーするの?」
と言って、涙目になった。あさみは、僕を離して、朝登をぎゅーと抱きしめた。
そして、
「ママ、パパ好きなの。朝登も好きでしょ?」
と言った。朝登は、見知らぬパパにママを取られる、と思っているのか、沈黙した。
その朝登の反応に、僕は、存外、ショックを受けた。
「ほら、朝登の前ではするなよ。」
「えー。朝登、スマホ見てて。」
「やめろって…」
あさみは、キャミソールを脱いで、僕に抱きついた。
「おい!」
「朝登は、スマホ見てるから…たーくん!好き!」
「やめろ。」
「ほら、たーくんも、脱がないの?」
朝登は、わけも分からないが、ママをパパに取られる、と、やはり思ったらしく、泣き出した。
「朝登、どうしたの?」
僕は察して、でも、どうすればいいか、分からなかった。




