現実
次の日曜日、僕は、あさみとベッドに入った。
あさみは、あの駅で別れた日の夜から、「ご褒美!ご褒美!」と、連絡してきたが、「分かった。いつ会う?」と僕が聞いたのに、返信せずに、連絡も来なくなった。それが突然、前日の土曜日に、「家に来て!お母さん、お父さん、いないから!」と、送ってきた。僕は内心、慣れた僕の部屋で、前の続きをしたいな…と、思っていたが、いや、ありえない…。ただ、あさみに義理を果たすだけだ!と、自分に言い聞かせて、行ったはずだった。
ピンポンを押すと、「入ってー!!いーよ。」と、あさみの声だけ聞こえて、エントランスのドアが開かない。もう一度押して、「開いてないよ。」と言うと、
「えっ?何で入ってないの?きゃははは…!」
という笑い声が聞こえたかと思ったら、また切れた。僕は、もう一度押して、今度は怒って、「開けろよ!」と言うと、全く悪びれず、「はーい!」と、はしゃいで、開けた。
部屋に入ると、あさみが粉だらけのキャミソール姿で立っていた。
「え?」
僕は、唖然としてしまった。
「クッキー焼こうとしたら、粉、落としちゃって、それで…」
「なんて格好してんだよ…」
「たーくん、ちょっと待っててね…もう少しでクッキーが…」
あさみの言葉を聞き流して部屋に入ると、ソファーでYouTubeに釘付けになっている朝登がいた。あさみがと一緒の時は、いつも、こんなんなのだろう、と思った。




