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噂

私目線なのですべてを知ることはできません。

知りたかったら……祈って、ください。

最近私は何かと会話を聞いています。

聞いていると言うより、聞こえてくると言ったほうがいいのかな、まぁ、そんな感じです。

今日は女子たちの会話を聞いてみましょう。

女子A「マジで今日も怜(れい)様かっこよくない?」

……様をつけている人を初めて見た。

私の中で会話は初めを更新する1つの情報源です、はい。

女子B「なんであんなに顔整ってるんだろうね?」

流石、女子人気が高い。

顔よし、運動神経よし、以下はたくさん聞いたことあると思うから省略。

とにかく完璧、文武両道。

聖徳太子、できないことはあんまりない。

天才と言う言葉はあの人間に相応しいとでも言うような人だからね、そして私は知った、あの顔を。

表情筋が死んでる顔から、真っ赤な顔になるあの瞬間。

春に咲く桜から一瞬で秋がきて紅葉になったのと同じくらいの変化だった。

萌え萌え。

さて、私も暇じゃない2人の観察をしないと。

私は教室を出る。

たくさんの生徒とすれ違う。

でも、私が探している生徒ではない。

私は顔をフクロウの如く動かして、探し人を探す。

いない。

教室にはいなかった。

聞き込みでするかな。

私「あの、すいません」

女子T「どうかしたか?ふんふん」

ふわふわした女子に怜(れい)さんがどこにいるか聞いてみよう。

私「怜(れい)さんって見ませんでしたか?」

女子T「怜(れい)さんか、うーんと図書室で見たよ!ふんふん」

ありがとう、そう言ってその場をダッシュした。

スライディングを入れて図書室に入室する。

おそらく、この学校で4番目にスライディングで図書室に入った女子校生だろう。

図書室をキョロキョロするのは規約に違反するから図書委員に聞いてみよう。

私「ソーリー」

図書委員「はい、なんですか?なのれす」

眼鏡をかけた図書委員は目がバッテンだった。

バッテン…似合ってるよ。

私「怜(れい)さん見ませんでしたか?」

図書委員「あー見ました、かっこよかったです、えーと窓際で本を読んでますよ、なのれす」

ありがとうございま、と言い切らずにゆったりと歩き出した。

あれか、あの後ろ姿が物語ってる。

ひっそりと近づき、脅かしてみよう。

ゆっくり耳元で…小さな声で…。

私「元気…?」

怜(れい)さんは動かなかった。

あ、凍ってる。

いや、石像になったって言ったほうがいいか。

怜(れい)「びっくりするから止めて…」

ほっほーい。

私「元気?」

怜(れい)「元気だけど…」

しまった、観察したいのに標的に近づくなんて、スパイ失格だ。

私はその場をスッと離れた。

ここに坂嶋(さかじま)先輩が来てくれればなぁ〜。

図書室から出て、体を隠すように、怜(れい)さんを監視する。

私…不審者じゃない?

坂嶋(さかじま)「何してるの?」

この声は。

私「不審者ごっこ開発途中です」

坂嶋(さかじま)「そっか…ねぇ、怜(れい)くん知らない?」

お、お、お、お、おや?

私「ここにいますよ、席に座ってました、後ろからこっそり脅かすのをオススメします」

坂嶋(さかじま)先輩がニヤッと笑った。

この表情を漢字で表すのなら妖艶。

図書室に入って行った〜!

私はこっそり尾行する。

メーデーメーデーこちら私、坂嶋(さかじま)先輩、怜(れい)さんに接近中、接近中です、どうぞー。

……坂嶋(さかじま)先輩がゆっくりと歩き出した。

標的を発見、コソコソ歩きを起動。

目標まで残り2メートル半。

残り、1メートル…。

目標に到達。

ビックリドッキリを起動。

坂嶋(さかじま)先輩が腰を曲げて、怜(れい)さんの耳元に顔が近づいた。

……あの構えは…それだけはダメだ!

坂嶋(さかじま)先輩!

それは大声をあげてしまう!

それに好きな人にやられたら、心臓がいい意味で破裂するランキングでトップをもらった、それを怜(れい)さんにやるっておい!

はぁ…。

じ・えんど。

坂嶋(さかじま)「ふー」

怜(れい)さんがすごい勢いで立ち上がった。

頭より先に体が動いたような感じだった。

怜(れい)「………」

そのまま何も言わずに図書室から出た。

……怒らせちゃったかな……。

気になる…。

尾行、開始!

怜(れい)さんを追いかける、ゆっくり、それでいて見つからないように。

怜(れい)さんが階段を登る。

3階にきた。

そのまま進む。

あの方向は屋上の階段に行こうとしてる?

結構遠いし、穴場でも……ない…。

あそこはあんまり行かないんだよね。

てことは!

私は身を隠しながら追いかけた。

そして、ついた。

怜(れい)さんは屋上の階段を登った。

屋上は閉まっている。

だから、あまり皆ここを来ない。

穴場だけど、ほんとにこない。

がち。

私は身を隠し、独り言でも喋ってくれないかなと願った。

怜(れい)さんは階段で座り込んだ。

私は地獄耳を発動した。

女子たちの有益な噂を逃さないと言う理由で習得した。

怜(れい)「…っくりしたぁ…」

聞こえた!

おそらくビックリしたのだろう!

追いかけてる時もなんか耳が赤いし、ね。

怜(れい)「…うぅ…」

どうしたの!

話聞くよ!

……待って今の時間は?

やべ、始まっちまう。

怜(れい)さんにも知らせないと、でも、会話を聞かれた!みたいなやつになるのは嫌だから……。

あ、あそこにトイレあるじゃん。

じゃあ、あたかもトイレから出てきたよ〜ってできる。

名付けて、トイレから出てきて、時間ないから行こうよ作戦。

私はトイレダッシュをかまし、ハンカチを出して、わざと大きな足音を立てて、怜(れい)さんのもとに向かう。

私「あれ、怜(れい)さん?もう授業始まるよ?」

体育座りで腕に顔を埋めているのでどんな表情をしてるか分からない。

怜(れい)「ありがとう…」

顔を上げるとそこには1輪のバラが咲いていた。

赤い頬、刺々しい目、サラサラの髪。

乙女やん。

私「先に行ってるね」

私は教室に戻ることにした。

じゃないと写真を撮ってしまいかねない。

……あれ、坂嶋(さかじま)先輩だ……。

ちょっともう授業始まるよ。

坂嶋(さかじま)「怜(れい)くん、いる?」

私は頷いといた。

坂嶋(さかじま)「ありがとね」

……気になる。

いや、さすがに戻ろう。

先生を抑える時間稼ぎをしなければ。

教室に戻るとまだ先生はいなかった。

生徒たちも話し合っている。

数学先生「はい、皆静かに〜授業を始めるよ〜…あれ、一人お休み?」

私は礼儀よく手を挙げて、宣言した。

私「少し用事があると言って席を外しております」

数学の先生は私の堂々さに恐れおののいた。

数学先生「そう…なのね、わかったわ、それじゃあ先に始めてもいいのかしら…?」

私「はい、私が怜(れい)さんの分もノートを取ります」

数学の先生は何回かに頷いて、ありがとねと言った。


数分後


ん?

後ろの扉から怜(れい)さんが帰ってきた。

私の隣に座った。

数学先生「用事は終わったかしら?」

怜(れい)「はい、すみませんでした」

数学先生「いいわよ、それじゃあ続きを」

授業が一瞬だけ止まり、続行した。

怜(れい)さんの顔を見ると、イラついていた。

後で聞けたら聞いてみよう。

数学先生「はい、この図形は隣の人と一緒に考えてやってみてください」

お、チャンスタイム。

机をくっつけて、怜(れい)さんとの距離が近くなった。

そこで私は聞いてみた。

私「イライラしてる?」

怜(れい)さんは頷いた。

怜(れい)「ほんとに…人の気も知らないでさぁ…」

独り言のように呟いていた。

私「誰の話?」

私は小声で聞いた。

怜(れい)「どっかの先輩…」

あひゃ?

すっすっすー。

来ましたね?

いやー私はすべてを知ることができないなんて…。

これが現実ってやつか。

ていうか、怒りながらだけど、ちょっと笑顔も混ざってるような、顔赤いし、ぬふ。

私「愚痴なら私めがお聞きしますよ」

丁寧語、使ってみた。

怜(れい)「………まぁ、言いたくなったら、話す…」

うし、これでイチャラブ話を聞ける。

きた〜。

あざーす。

さてそろそろ…次回!

怜(れい)さんと坂嶋(さかじま)先輩!

超大接近!

頼むから大接近してください!

あ、最後に!

学校最高!

これ…お話…誰得なのかな…。

あれ、君…その顔…ふ、そうかい。

それなら良かったよ。

それじゃ、サラバード!

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