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第四十六話 週末に御堂家へ


 週末。


約束どおり、晴真は御堂家を訪れた。


門の前には晴隆と紫乃が立ち、笑顔で迎えてくれる。


「おかえり 晴真」


「ただいま おじいちゃん!」


晴真が笑顔で答えた、その時だった。


「おーい 晴隆!」


門の向こうから威勢のいい声が響く。


そこにいたのは、麻賀多宗家前当主・麻賀多道秀。


その隣には、道満が立っていた。


「桜」


「約束どおり来たぞ」


「道満くん!」


晴真は嬉しそうに駆け寄る。


「来てくれてありがとう!」


道満も微笑んだ。


「こちらこそ」


「祖父がどうしても一緒に行くと言って聞かなくてな」


「はっはっは!」


道秀が豪快に笑う。


「晴隆に会うのも久しぶりだからな!」


晴隆も負けじと笑う。


「相変わらず騒がしいやつじゃ」


二人は顔を見合わせるなり笑い合った。


学生時代からの同級生。


互いに切磋琢磨したライバル。


そして何十年経っても変わらない親友だった。


「そういえば晴隆」


「うちの道満は新入生代表だったぞ」


「札術なら学園でも指折りじゃ」


道秀が胸を張る。


すると晴隆も負けていない。


「ほう」


「うちの晴真も まだ粗削りじゃが面白い才能を持っておる」


「お前の孫も立派じゃろうが うちの孫も負けとらん」


「何を言う!」


「いや お前こそ!」


二人は顔を突き合わせる。


「昔から変わりませんね2人とも」


「本当ですね」


晴時と紫乃と照美も顔を見合わせて笑う。


「そのうち酒でも飲みながら続きをやるでしょう」


「ええ」


「いつものことですから」



晴真は姿勢を正し、道秀へ深く頭を下げた。


「初めまして」


「桜晴真です」


「今日はよろしくお願いします」


道秀は優しく頷く。


「礼儀正しい子じゃな」


「道満から話は聞いておる」


「晴隆の孫らしい」


晴真は少し照れくさそうに笑った。


道秀は晴真の前まで歩く。


「少し霊視をしても構わんか?」


「はい」


晴真は素直に頷いた。


道秀は晴真の肩へそっと手を添え、静かに目を閉じる。


しばらくして目を開くと、驚いたように晴隆を見る。


「なるほど……」


「道満が驚くわけじゃ」


「この子の丹田は 本当に規格外だ」


「じゃろう」


晴隆はどこか誇らしげに笑う。


「しかし」


道秀は続けた。


「ずいぶん霊力が落ち着いておる」


「霊圧も安定している」


「ここまで良く頑張ったのぉ」


晴隆は静かに頷く。


「毎朝欠かさず修練しておるからな」


「努力家じゃよ」



今度は道満が晴隆の前へ進み、深く頭を下げた。


「晴隆様」


「本日はご指導 よろしくお願いいたします」


「堅苦しい」


晴隆は笑った。


「わしも少し見せてもらおう」


「はい」


道満は静かに目を閉じる。


晴隆は道満の丹田へ意識を向け、霊力の流れを確かめた。


「ほう……」


晴隆は感心したように頷く。


「さすが道秀の孫じゃ」


「丹田は安定し 霊圧も年齢以上」


「札術の基礎がよくできておる」


道満は少し安心した表情を浮かべる。


「ありがとうございます」


しかし晴隆は続けた。


「じゃが」


「まだ丹田と霊脈を別々に考えておるな」


道満は目を見開く。


「……はい」


「その通りです」


「そこを理解できれば お前の札術はもう一段階伸びる」


道満の瞳が輝いた。


「ぜひ ご教授ください」


晴隆は笑顔で頷く。


「よかろう」


「今日は晴真と道満 二人まとめて修練じゃ」


その言葉に、晴真と道満は顔を見合わせる。


「はい!」


二人は声を揃えて返事をした。


新たな修練の始まりに、期待で胸を弾ませながら。

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