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第四十話 久しぶりの登校


 御堂家の庭には 爽やかな朝の風が吹いていた。


晴真は制服へ袖を通し 鏡の前で身だしなみを整える。


玄関へ出ると 晴隆と紫乃 晴時 照美 そして陽香が待っていた。


陽香は少し寂しそうに笑う。


「もう帰っちゃうんだね」


「うん」


「でも また来るよ」


晴真が笑顔で答えると 陽香も嬉しそうに頷いた。


「約束だからね!」


「約束」


晴真は小指を差し出す。


陽香も笑顔で指を絡めた。


「約束!」


その様子を見て 紫乃は優しく微笑む。


「いつでも帰っていらっしゃい」


「はい おばあちゃん」


晴真は笑顔で頷いた。



晴隆がゆっくり口を開く。


「晴真」


「はい」


「修練は今日で終わりではない」


「学校へ戻っても 毎日続けるのじゃ」


「瞑想」


「丹田を感じること」


「霊力を巡らせること」


「忘れるでない」


「はい!」


晴真は元気よく返事をした。


晴隆は少し照れくさそうに笑う。


「それから……」


「週末になったら また戻って来い」


晴真の表情がぱっと明るくなる。


「本当?」


「もちろんじゃ」


「修練はまだ途中だからな」


「ありがとうございます おじいちゃん!」


晴真は思わず晴隆へ抱きついた。


「お おい」


突然のことに晴隆は少し慌てる。


しかし その表情はとても嬉しそうだった。


沙羅が見ていたら 間違いなく「孫馬鹿」と笑うだろう。



「それじゃ 行こうか」


声を掛けたのは陽乃だった。


今日は二人で登校する約束をしていた。


晴真は驚く。


「陽乃姉さん 昨日 学校は、?」


陽乃は微笑む。


「晴真君の修練が終わりそうだと聞いたから、 昨日

一時帰宅させていただいたの」


「修練の様子も気になっていたから」


晴真は少し照れくさそうに笑った。


「心配かけちゃいました」


「ふふ」


「少しだけね」



門の前まで来ると 陽香が大きく手を振る。


「いってらっしゃーい!」


「いってきます!」


晴真も大きく手を振り返した。


紫乃と照美も優しく見送る。


晴時は静かに頷き 晴隆は腕を組みながら満足そうに笑った。


「少し見ない間に 立派になったのう」



御堂家を後にした二人は 城下町を歩き始める。


朝の城下は今日も活気に満ちていた。


「晴真君」


陽乃が隣で微笑む。


「学校へ戻るのは楽しみ?」


「うん!」


晴真は嬉しそうに答える。


「みんなに会えるし」


「正臣先生にも 修練の成果を見てもらいたいんだ」


陽乃は優しく頷いた。


「きっと驚くわ」


「でも」


「焦っちゃだめよ」


「おじい様が教えてくださったことを 一つずつ思い出しながら頑張ればいいの」


「うん!」


晴真は元気よく返事をした。


その笑顔を見て 陽乃も安心したように微笑む。



やがて二人は佐倉陰陽学園の校門へたどり着く。


「おはようございます!」


晴真は元気よく挨拶をした。


数日ぶりの学園。


数日ぶりの仲間たち。


そして 自分を待ってくれている先生たち。


晴真は少しだけ胸を高鳴らせながら 校舎へ向かって歩き始めた。


修練を終えた少年の 新たな学園生活が再び始まろうとしていた。

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