教皇グランメル
学園内に侵入したターセルはギルティナの監視をしていた。
「あれがギルティナ……想定より遥かに強いですわね」
下界を見ていたときは感じられなかったオーラがよく感じられる。
苦労するのもわかります、先輩……。
「あら! 転校生じゃない? ここで何してるの?」
ギルティナに見つかり、話しかけられたため応じる。
「学園が広くてよくわからないんです……。できれば案内をしてほしいです!」
ギルティナはフィオナとなにか話して承諾する。
「いいわよ!」
■
場所が変わり下界を見るヘールラの部屋に変わる。
「ターセルはうまくやっているようね。早速……使者を送りましょうか」
中央大陸にある国はオートレイス王国、ブルーウォーム精霊国、フーリス帝国の三カ国。南大陸にはアスコット公国と他に一カ国が位置する。
だがあえてギルティナが行っていない国の重役を送り込むことにした。
東大陸に位置する《ホミラ信仰教国》という教皇を中心とした国家を使うことにした。
他の女神を信仰する国の重役——教皇を使うのは少々躊躇ったが、ギルティナを倒すにはこれくらいのリスクを犯すしかない。
「うまくやってほしいですね。教皇 《グランメル》」
■
ホミラ信仰教国の重役達は忙しく働いていた。
「教皇様!? 本当に行かれるのですか?」
「はい。オートレイス王国へ、信仰を広めに参りますゆえ」
オートレイス王国の学園に行くのが目的であるが、建前では信仰を広めるため、という事になっている。
だとしても教皇がわざわざ出向くことは少ない。
「だ、だとしても、教皇様が直々に参るのは……」
「いいのです。たまには私が広めに行きたいのです」
不思議と安心感を与える口調と声が、重役の心配を和らげていく。
「——そうですか。お気をつけてくださいよ」
「ええ、もちろんです」
教皇は豪華な装飾がされた馬車に乗り込んだ。重役たちに見送られていく。
馬車に乗り込んだグランメルは独り言をつぶやく。
「神のお告げ——そしてギルティナ・エリスフォードを始末……この私に向いてる」
教皇グランメルは相当の実力者だった。
■
パステル・グレアンは学園の案内をギルティナに任せ、無事に案内が終わる。
「つ、疲れましたわ……」
壁に手をつくと、壁が凹んだ。
(や、やばいです……まだこの体に慣れていないから——)
「だ、大丈夫!?」
フィオナとギルティナが驚いてこちらを見ていた。
「あ、あはは。大丈夫です」
フィオナがギルティナに耳打ちしているのが見える。ターセルは『バレました!?』と焦っていたが、予想は違った。
「力があるのね!」
「パステルさんは、強いですね」
「あ、あはは」
ターセルは内心焦りに焦りまくっているが、顔に出さない。
「きょ、今日はありがとうございました!」
そう言ってすぐに去ったパステルであった。
遅くなりました。
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