単独行動開始
アクシオムへ単独で乗り込む作戦を立てた。
主な目的は二つだ。一つはグランドの回収。二つ目は洗脳を解くこと。
私が力を出せば簡単にアクシオムなど沈められる―—―のだけれどそれはこの世界の発展を邪魔する原因になってしまう為私はやらない。
「いくら恨みがあったとしても世界にかかわることはさすがに躊躇するわよ……」
自室で独り言をつぶやく。フィオナがいないから部屋が広く感じた。
「寂しくなるわね」
また独り言。
それにしてもフィオナが巻き込まれる可能性が高いのはなぜだろうか? 女神の働きがあってなのか……それともそういう運命なのか。
どちらにせよ私はフィオナを守る。
■
学園の転移魔法陣がある部屋へと侵入し、以前来た時の転移魔法陣に乗った。
気配察知を常に発動しながら。
視界が真っ白になり、視界が戻る。そしてすぐ気配察知にかかる。
「——―待ち伏せね」
「やはり戻ってきたか」
そこにはベレル、そして後ろにはシルビア。生徒等の姿は確認できない。違う作業をしていると予想できる。
「フィオナの言った通りだったな―—―」
■
ギルティナがここへ来る三十分前にフィオナはベレルにこう告げた。
『ギルティナの考え的に、単独で乗り込んでくる可能性が高いです……今日中に』
「それは本当か?」
『予想ですが、可能性は高いです』
ベレルは考え込んだ。フィオナとギルティナの関係、関わりは深いのは確かだ。だがフィオナ個人の予想で自分の時間を使うのも勿体ない気がしていた。
そして、ベレルは最初の一時間だけ待ち伏せを担当することにしたのだった。
■
「あなたの企みはなに。この最先端技術を使って何を考えているの」
ギルティナが睨むとベレルはククッと笑った。
「ああ、考えている。神のお告げ通りにな」
神……それはおそらくあの女神だ。
「シルビア、殺れ」
「はい、ベレル様」
シルビアが持っている剣はグランドの能力を模倣した物だった。長年使ってきた私からすればそれがすぐわかる。
ただ……そう簡単に模倣できるほどグランドの解析は簡単じゃない。そして、私の実力も、模倣品に負ける程弱くないわ。
「そんな模倣品で勝てると思っているの?」
「——―それはやってみないとわかるまい」
踏み出したのはギルティナだった。少し遅れてシルビアが反応する。
レイピアを抜き、グランドの模倣品と交える。模倣品はグランドと似ても似つかないほどの改悪がされていた。
「——―こんな酷い剣は見たことないわね。剣への侮辱よ」
「ッ……! 何を言うかッ!」
ベレルは怒号を浴びせてくる。シルビアは私から目線を外さない。命令には忠実だ。
だが、私の全身を見ないことには教師として失格な部分だ。
ギルティナはシルビアに回り込み、腹部に蹴りを入れた。
「ッ!?」
腹部に見事に入った。シルビアは一旦ギルティナから距離をとって呼吸を整えた。
「シルビア! 何をしているッ! 今すぐ殺れ!」
シルビアに休憩すら与えないベレルは本当にバカであった。
蹴られたダメージが溜まっているのか、先ほどより動きが鈍くなっている。このまま戦闘を続けたとして負けるのはシルビアだというのがわかりきっている。
最悪の場合シルビアに後遺症が残る可能性が高い。
「少し休んでください」
一瞬でシルビアのみぞおちにこぶしを食らわせた。
模倣品を手から落としてガシャン、という音が鳴った。
「——―クソッ!! 他の者を呼べ! 今すぐだ!」
ベレルに一歩ずつ近づく。ここは一本廊下で罠が仕込まれているかもしれない。
ゆっくり慎重に……。
「クソッ……こうなれば―—―」
ベレルは煙を出す装置を起動して逃走をした。
「ゲホッ……!!」
気配察知が咳のせいで使えない。これは逃げられた。
煙が晴れると予想通り逃げられていた。
今回は少し長めです
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