居場所はバレている
夜になり、食事をとる。
私はいっぱい食べないとワープの成功率を落とすことになる。
「ギルティナさんはいっぱい食べるんですね……!」
「ええ、ワープのためにも食い溜めしとかないとだわ!」
「そ、そうですか!」
追加注文をしようとした時、この宿が囲まれている事に気づいた。
「……はぁ」
やはりバレたのね。予想より行動が遅かったけどバレていることに変わりはない。
「ラクティスさんはここで待ってて」
「え、はい―――わかりました」
外へ出て確認する。
やはり囲まれている。学園の生徒達の気配ではないわね。だとしたらアクシオムの研究者、又は私の関知外で、ただの盗賊か……。
「出てきなさい」
「―――バレていたか」
出てきたのはアクシオムの研究者五人だった。
「何故ここにいるとわかった」
研究者の一人が指を指したのは、ラクティスだった。
それですぐ察しがついた。そう、ラクティスに位置がわかる機器が埋め込まれているのだと。さすが最先端をいくところ。実力はある。
「そういう事ね。まあいいわ。所詮―――ザコには変わりないわ」
「ふっ……あの大剣にしか頼れない女如きに負ける訳―――」
「―――黙りなさい」
一発で一人を消した。
「な、なにをした!?」
「侮辱したから……消しただけわ」
誰も目で追えていなかった。ギルティナは蹴りを一発腹に入れただけだった。その瞬間圧が体を爆発させたのだ。
剣聖を侮辱するとは……いい度胸ね、この男たち。
「さて……あなた達には死んでもらうわ」
「ま、まっ―――」
一瞬で残り四人の首を撥ねた。
■
「ぎ、ギルティナさんおかえりなさい」
ずっと待っていてくれたラクティスに礼を告げて席に着く。ラクティスは先に戻っていてよかったのに、と私は思った。わざわざ私を待たなくたっていいんだけど、これはラクティスの優しさなんだろう。
「もう部屋に入って寝ましょうか」
まだ追手は居るはず。ラクティスには先に寝てもらい、私が守る。危険がなければ寝ればいいわ。まあ、ワープに支障が出ないように早めに寝たいのだけれど。
「は、はい。明日は早く出るのですよね」
「そうだわ!」
「わ、私……朝が苦手なんですけど―――大丈夫ですか?」
「大丈夫よ! 私が起こしてあげる」
「あ、安心です! お願いします」
部屋に入ってラクティスはすぐに眠った。私も仮眠を取りましょう。
■
起きた時、時刻は丁度日をまたいだ直後だった。
隣には深い眠りについているラクティスがいた。
「ふう、まだ大丈夫ね」
ベレルには居場所は特定されているのは確実。敵の気配がないとはいえ、気を抜ける訳でもない。
もしかしたら学園の誰かが追手として送り込まれている可能性も大いにある訳で……ああもう、考える事が多すぎる。私はあんまり頭脳派じゃないのよ。
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