立ち入り禁止区域へと
夜になり、皆が寝ている時間。私とフィオナは立ち入り禁止区域前の扉にいた。
「フィオナはドアを叩いたらすぐ逃げて」
「え、わかった」
フィオナはドアを蹴った。
私は隠れて様子を見ていた。
そして立ち入り禁止区域の扉が開いた。扉を開けたのはベレルだった。私はベレルの後ろに回り、気絶させた。
そして扉の奥へと進んだ。そこにあった光景は、転生を経験した私ですら見た事無いほど巨大な実験施設だった。
カプセルの中には生きているのか死んでいるのかわからない獣人や人間が入っている。
「最先端だからこんなことしていいわけないわよ」
全体を見渡しても終わりはないと感じるほど広く、そして多くの機械が並んでいる。
その時、ガシャン、という音が聞こえ、聞こえた方向に視線を向けた。
「た、すけ……て」
そこには人―――いや、バケモノがいた。
「っ……」
私ですら吐きそうになるほどの異臭と、見た目の気持ち悪さだった。手と思われるところはドロドロで、目は充血している。瞬きもできないようになっている。
「こんなの……あっていいわけないわよ。こんなの―――生き地獄でしかないわよ」
こんな姿の―――元人間を見ていられず、目を背けた。その先には実験資料と思われる紙が二枚置かれていた。
『失敗作α―――調合に失敗し、副作用として皮膚が解ける現象が起きた。人間を獣人化させるにはまだほど遠い』
何を……。人間を獣人化? そんな馬鹿な事ができる訳ない。いや、ここは最先端機関―――教育など建前に過ぎなかったのだ。私たちの知識じゃ及ばない域なのかもしれない。
「っ……」
資料を置いて離れた。奥へと進んでいく。
「ぎ、ギルティナさん……?」
右を向いた。そこには檻の中、裸で横たわってる猫獣人が居た。
「―――ラクティスさんですか」
真剣な口調でしゃべり始める。
「は、はい……。私、こんな姿に」
ラクティスの後ろを見ると、何かの目が光っていた。
そして、明かりに照らされると、見えてきたのはオオカミの獣人だった。ラクティスもその気配に気づいたのか、ビビり始めた。
「おい、ラクティス……テメェ逃げんじゃねぇよ」
「―――ラクティスさんに何用なの」
「ああ? お前誰だよ。ここらの人間じゃねーな?」
こいつも獣人化した元人間か。それにしてもでかい。オオカミの獣人は強いと聞いていたが、もしかすると適用されている可能性はある。
「私は学園から見学に来た、ギルティナだわ」
「そうか。それで、何でここにいる」
「ラクティスさんを助けに来ました」
「そうか。だが、それは無理な事だ。俺はこいつと交尾させられるのが決まってるんだよ。逃がすことはできねぇ」
私が口を開こうとしたとき、扉が開いた。
私がすぐに振り向くと、学園から来た人全員いた。
なぜ? なぜここに……。
私は思考を巡らせたが、よくわからなかった。
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