心の変わり方
母の死に目に会えなかった悔しさ、そして大切な人をまた一人亡くしてしまった悔しさが私には今ある。
王の間にいた貴族たちの視線は私に向けられている。
『復讐の時間よ』
「貴様は、ギルティナ・エリスフォードだな?」
「なにッ!? こいつがアリアの娘か……」
こいつは確か……バネッド・ブルーハード。血が付いている……そしてポケットには血の付いたナイフが入っていた。
「あんたが母様を殺したのね」
「や、やっていな―――」
「言い訳はいいわ」
言い終える前にバネッドの首をはねた。
周りをよく見ると、エリスフォード家をよく思わない派閥の貴族なども多数いた。なら……殺しておかなければならないわ。
ギルティナは次々と首を斬り、胴体を切断していく。
王の間はすぐに赤い血に染まった。
王は黙ってみているだけだった。最後は自分だと思っているかのようだった。
実際そうだけど。
「国王陛下……いいえ、愚か者。この国はもう信用できないわ」
「そうか。この長い歴史も終わると言う事か。まあいい……殺せ」
その瞬間、王の視界は反転してやがて真っ暗になった。
首からは血が噴き出ている。高そうな服は赤く染まっていく。
「止めなかった国のトップの最後は無様なものだわ」
無数の戦いに出た剣聖ギルフォードの転生であるギルティナは殺しに躊躇などない。
「でも、なんか後味悪いわ」
フィオナはしばらく目を覚まさないでしょうし、母の死に目にも会えなかった。
もう慣れたはずなのに……涙が零れ落ちる。最初は気づかなかったが、母様の亡骸は王の間の裏に隠されているように置いてあった。
「母様……私は、大丈夫……です」
そう口にするが涙は止まらない。大切な人をまた失ってしまった事実を受け入れられない。
「うわぁぁぁぁああん……」
私は、泣いた。声を出して泣くことしかできなかった。
■
あっという間に一週間が経った。
少し壊れた実家の自室にここ一週間籠りっぱなしだった。フィオナは目を覚ましたと聞いたけど、会いに行く元気がない。
「ぎ、ギルティナ……」
フィオナの声だった。まだ目を覚ましたばかりのはずなのに、わざわざ会いに来てくれたらしい。
「アリアさん、亡くなったんだよね。私も心苦しい」
ジト目でこちらを見るフィオナ。ギルティナの顔を見ようとする。
「見なくていいわよ。見たって何もない、わ」
「ギルティナは昔から泣かないじゃない。だから珍しいの」
本当は泣かない、慣れてるはずだから。でも、なぜか涙が出てしまった。これは心の変化なのか……昔とはまた違う考えになってきている事なのか。
「そう……」
「絶対、お葬式には出るからね」
「でも、目が覚めたばっかりなんだから、体調には、気を付けて」
「うん。わかった」
そう言って、私の部屋から去った。
■
お葬式の日にはたくさんの人が集まっていた。
中々着慣れない喪服をいじりながら、進めていく。
外は痛々しい日差しの晴天だった。それと真逆に母様の葬式はとても暗いものだった。
「今日は……忙しい中、お集まりいただき感謝申し上げます」
私は父様の隣に立って参列者を見ていた。母様を慕っていた町の人々や、貴族などが参列していた。皆が暗い雰囲気を出していた。
「愛する妻を亡くしたことはとても……とても残念です……。ですが、ここから先、まだ長い人生が続いています……。我、ラガーは妻アリアの分まで生きる事とします……」
大きなホールで挨拶をした後、棺に入れ、墓のある場所に入れた。
人が前に出て手を合わせていく。
最後まで暗い雰囲気だった。とても重くて、口が開けない。
そして、最後の人が手を合わせ、花を添えて葬式は終了した。
私は気持ちを切り替えて、学園に復帰する。
まだ人生は長い。切り替えていかなければいつか壊れてしまうんだから。
私は晴れた空を見上げた。
遅くなりました。すみません。
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