女神との闘い
「さて……」
「戦おうとしましょう」
先制攻撃を仕掛けたのはヘールラだった。
それはフィオナ自身が持っていた神力という、その名の通り神の能力。
触れたものを消し去る力というものをフィオナの身体から出ていた。
どこかの文献で呼んだ気がする。千年に一度か、神力を宿す人が生まれると言う事。神に狙われやすい存在とは聞いていたけど、ここまでとは思わなかった。しかもフィオナだったとは……。
ギルティナはヘールラからの攻撃を次々避けていく。少しでも触れられて時点で私は死でもない、ただ消滅する。
現世もちゃんと死にたい。消滅は嫌だわ!
「グランド、神力に負けないわよね?」
『あんな力などに負ける訳ないのだ』
ギルティナは笑った。この状況、笑うとこではないというのに。
「真空断千界・改」
その瞬間、マナを取り込み始めた。
大気中に溢れる莫大なマナを、グランドの剣先へと集めた。
赤ん坊の頃、この技を放った。その時とは違って余裕があり……何よりグランドがある。
「そんな技で私は倒せない」
フィオナは消すしかない。これは仕方ない運命だったのかもしれないわ。
マナは魔力へと変換され、可視化できるようになる。その魔力の色は紫だった。
―――そして剣を振り下ろした。
音はなかった。ただ光速を超え、フィオナの心臓に向かって放たれた真空断千界は見事に命中した……科に思われた。
「そう簡単にはいかないわよね。女神ヘールラ」
「当たり前でしょう。ギルフォード」
ヘールラはほんの少し横に避けただけだった。その後ろには何も残っていなかった。木も、土も雲さえも。曇っていたのに一瞬で快晴になった。
王都付近から見えるこの山の一部が欠けた。もう噂になっているだろう。
「戦界閃光」
ヘールラを逃がさないように回る。見えない斬撃を繰り出す。
フィオナの身体に傷がつく。決して浅くはない傷だ。
「けっほ……。まだですよ」
ヘールラはフィオナの身体を使っている。おそらく魂を封印、あるいは交換している。
一か八かでフィオナを消し飛ばすしかない。女神の魂ごと。
ヘールラはフィオナの剣を抜く。
どうやら本気じゃなかった。
(さすがにきついわね。でも、ここで殺しておかなければ……)
ギルティナの息は上がっていないが、汗が出ていた。
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