計画変更と脱獄
「殺したのか?」
「まだ息はあります」
「……殺すのはやり過ぎだろう。処置だけしておけ」
王はそれだけ言って王の間を去った。
「ケホッ……げぼ……」
吐血しながらもまだ生きている。意識はないが、本能的に危険が及ばない様になってた。
処置をしてアリアが落ち着くのを貴族たちは見ていた。
「殺すのはやり過ぎだバネッドよ」
「ああ。今考えると、な。まあ元婚約者だ。すこしためらったさ」
「俺もこいつには思うところはある」
「プリズム殿もそう思うか」
「ああ、まさか貴族でもない男と添い遂げるとは思わなかったさ」
エリスフォード家の元当主はアリアと平民出身のラガーが結婚したが何も言わずにラガーを当主にした。
それに対してバネッドは恨みがあった。
■
「よくやってくれましたね」
「先輩。情報が届きました。解読済みの箇所、自己再生式の辺りです!」
「わかりました。今から新たな術式を―――」
「せ、先輩? どうしました?」
「結界が、破壊されました」
「は?」
下界を見ると、ギルティナ達が逃げ出しているのがわかった。
予想外だった。解読は終わっていないはずなのに結界が破壊されている。神級結界が壊されるなど前代未聞だ。
「計画は変更します。私が直接干渉いたします」
「先輩!? それはリスクが大きすぎま―――」
「お黙りなさい。せっかくのチャンスを逃す事はできません。ギルティナと戦うことを選びます。使う体は決まっています」
■
「何とか破壊できたけど」
「解読した場所が物理攻撃無効化式を使ってたから物理攻撃可能になったのよね!」
「作った人も想定外でしょう」
女神がまさかこんなミスをするとは思ってもいなかった。
物攻撃無効化式を簡単に壊せてしまうなんて、ね。
「家に行きましょう! 母様が待っているわ!」
だが、現実は違った。
家には父様だけがいた。
「父様! 母様はどこに」
「わからない。しばらく帰ってきていないみたいだ」
私が母様を最後に見たのは牢にいた時。
「母様は国王に私を出してもらうように頼みに行きました」
「……そうか。なら必ず帰ってくるはず―――」
『―――それはどうかしら、ね』
脳に直接響いた。その声はフィオナの声だったが口調が異なっていた。
そしてギルティナ達に重力がかかった。
ギルティナ達は一瞬で膝をつく体制になり、起き上がれなかった。
背後から徐々に近づいてくる気配があった。
「し、師匠……この魔力密度、異常……。確実に死ぬ」
「そう、ね。頑張ってみるわ」
力を出して、背中にあるグランドを出そうとしたが、牢におきっぱなのを思い出した。
「あ……。おきっぱなしだわ」
「な、にやってるの……ししょ、う」
アメイズは気を失った。高負荷が身体にかかり過ぎている。このままじゃ動けず死を待つことしかできない。どうにかして動けるようにしないと、ね。
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