女神の指示で動く者
「アリストはうまくやってくれたようですね」
「先輩、ギルフォードはどうする気ですか?」
「とある人に指示してみたわ。どう動くかわからないですけど、うまくやってくれればいいですけど、ね」
一回この場所に魂を持ってきて、封印させ体に入る。そうすればこの世界を私のものにできる。
なぜ、フィオナにこだわるのか……。それはあの体には特別な力が宿っているから。本人は気づいていないけど、その力は強大であり、世界すら簡単に支配できるというもの。
「さて、頼むとしましょう」
「え、でも先輩? ここから様子みれるはず……」
「聖職者カプリス。その子には魅了の力があるのです。これでギルティナ達の解読状況を吐いてもらうのです」
必ず結界を破るために結界の解読を試みるはず。でも私には人の脳内を直接探るような能力は持ち合わせていない。解読された場所は捨てても、また新しく構築文字を変えればいい話になる。
だから人を利用して聞き出すことにした。
聖職者カプリスは自分の能力に気づいていなかったため、私が能力の使い方を説明した。今後も利用する価値がある人材ではある。
■
私は聖職者のカプリス。
偉大なる神の宿る場所で働いてるっす!
まさか神から指示がもらえるなんて……。
『エリスフォード家令嬢の様子見を頼みます』
私は指示をもらえたことをめっちゃ光栄っす!
「おはようカプリス。朝からご機嫌がいいですね」
「シスター! おはようございますっす!」
今日も私の杖を持つ。そして街を歩く!
「今日も町は平和っすね! 先輩!」
「はぁ、カプリス? あなたは聖職者なんだからもっとちゃんとしなさい。しかもここは王都の大教会ですよ……」
シスターの話を聞き流したカプリスは夢で見た光景にそっくりな場所だった。
王城近くの地下へと入る道。
警備は居ない。女神様の指示通りに行動するチャンスっすね……。
「カプリス? どこに行こうと―――」
私は女神様から教えてもらった自分の能力《魅了》を使ってシスターを一人にさせる。
そして中へと入っていく。
■
「五十万文字中、三万文字を解読できた。千年前の高度結界に相当する」
「アメイズは相変わらず剣以外も得意なのね!」
「師匠も変わりません」
「そうかしら」
「そうです」
そんな中身のない話を交えながら結界を解読していく。
神級結界の難所はここから。まず二重字列になって、より解読が難しくなっていく。
二重字列とは、一字一字に、属性が付与されている字を表す。これは私が前世で広めた式である。まさかこんな感じで利用されるとは、ね。自分の首を自分で絞めてるみたいだわ。
「うわ……二重字列。気持ち悪い……」
たしかアメイズは二重字列式の解読が苦手だったわね。
仕方ない事よ。二重字列の属性と意味が分からないと解読は難しいし。
「その属性はダメージ系だわ。詳しいところで言うと、結界にダメージが入っても、何回かに一回の確率でダメージが入るって感じよ」
「さすが師匠。厄介な式を広めた張本人」
「余計な事言わないでよ! 私も気にしてるのよ!」
少し顔が赤くなる。
アメイズも言うようになったわね。まあ、師匠からして元弟子の成長はうれしい事だし。
さて四万文字まで解読できたし……そこに隠れている子を呼ぼうかしら―――
名前がかぶっていたので修正
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