令嬢たちは拘束される
「全員動くな!」
実家の玄関を壊して入ってきたのは、アリストの近衛兵、そしてメイド達だった。
「なによ。私たちを拘束する気?」
アメイズが一歩前に出た。恐れている感じがしない。長年生きているからか、何度もあったのだろう。
「黙れ! 動くな」
アメイズは玄関の外が見える位置に止まる。
正確に気配を探るために、魔力と目を使う。いいね。
「今は二人しかいないようだな。まあいい。拘束しろ」
ここで一番のお偉いさんはこの女という訳か。
ん? こ、こいつは、屋敷にいたメイドじゃないの!? まさかこいつがこんなにえらい立場にいたなんて! なんかムカつくわね!
■
私たちは極悪囚人用牢獄に収容された。服はそのままだが、所持品はすべて押収された。今頃は家の物を漁っているころでしょうね。
「師匠はやっぱり冷静ですね」
「アメイズも変わらないでしょ。表情一つ変えていないじゃない」
「千年以上生きてるせいですよ。それにしても、なぜ拘束されたのでしょうか」
「どうせ、アリストの仕業よ。女神がなんとかーって言って命令してるに違いないわよ」
「あ、そう」
まあなんにせよ、ここから出る方法を探さなくちゃだわ。
この中は特殊結界が張られているためか、魔法も武術も剣技も通用しない。千年前からある結界と似ているが、強度が段違いだった。
私も前世で何度かぶち込まれたことあったけど、これとは比にならないくらい貧弱なものだったのに……。
「師匠。ここから出られない?」
「ええ、出られないわよ」
「そんな事無いと思うけどね。時間を掛ければ出れるよ」
アメイズはいつも通りボーっとしながらこちらを見ていた。
暢気すぎる。少しは警戒しなさいよ。
■
師匠ですら無理と言ったこの結界。
暢気と言っている師匠は、私の事をどうとらえているのか……。何も考えてないように思っているのか……。
まあ師匠らしいからいいけど。
この結界の密度は千年前の技術にはないもので、割と最近の技術。
技術系に関しては師匠の知識は千年前で止まっているわけで、師匠は使えない。
私なら何とか……いやできない。無理だ……。
しばらくはこの生活を強いられることになる。覚悟しておこう。
あっという間に五日が経った。
極悪囚人用牢獄には、今のところ師匠と私だけ。看守は居ない。
本当に嫌な予感がする。誰かがこの状況を作り出してような気がする。
そして、カツカツと革靴の音が聞こえてきた。
「誰が来たのやら」
アメイズはそうつぶやいた。視界の先には寝ているギルティナが映っていた。
眠いです
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